53.第三高校編[一学期]【鏡嵜智夜の一日】
【アブソリュート=ゼロ】
第三高校編[一学期]
【鏡嵜智夜の一日】
登場人物
①伊斑 兎萌(1年C組)
②鏡嵜 智夜(1年C組)
③榎口 恵璃(1年C組)
④暁 哲子(1年C組)
⑤乙崎 まどか(3年B組)
⑥七照院 燕彦(3年A組)
日本魔法学部第三高校(長野県)
7月[一学期]
ある日の午前中
1年C組の教室にて
授業の間の休みで鏡嵜智夜は自分の席で読書をしていた。
②「……」
そこに伊斑兎萌が智夜の所にやって来た。
①「あっ 智夜ちゃん!」
そう呼ばれると智夜は頭を上げて兎萌の方を見た。
②「…っ! 兎萌ちゃん!」
①「…何してるの? 智夜ちゃん」
②「見ての通り 本を読んでいるのよ」
そう言うと智夜は読んでいた本を机の中にしまった。
①「へぇ~ そう…」
②「ところで何か用…? 兎萌ちゃん」
①「えーっ 何…じゃなくて一緒に遊ぼうよ~ 智夜ちゃん」
②「えーっ いやぁーよ だって凄く疲れるもん」
①「えーっ 何言ってるのよー! 子供は竹の子だよー! 智夜ちゃん」
②「それを言うなら子供は風の子でしょ! 兎萌ちゃん」
①「むぅ~~~」
②「とにかく絶対に行かないからねっ!」
①「えーっ 行こうよ―ーっ」
…などと二人で楽しそうにお喋りをしている内に授業開始のチャイムが鳴った。
……………
音楽部の部室にて
この日は授業に自習があった為にそれを利用して智夜は一人でピアノを弾いていた。
部室の窓が少し開いていてそこから少し風が吹いてきた。
智夜は風で乱れた長い髪をかき上げながら演奏を続けていた。
②「……」
そこに榎口恵璃が智夜の所にやって来た。
③「やぁ 智夜」
②「…恵璃…」
恵璃の登場で智夜はピアノの演奏を止めて恵璃の方を見た。
③「相変わらず精が出ますな。 智夜」
②「…まぁね」
③「ふぅーん それは今度の全国大会とかピアノコンクールとかの曲か何かなの?」
②「…違うわよ そもそもそういった大きな大会には出ないからね。」
③「…えっ!? そうなの 結構上手なのに…」
②「…私よりも上手な子は沢山いるわよ… それに……」
③「…ん? 何?」
②「……」
③「…なんか…以前は出てたけど……みたいな言い方ね?」
②「……」
③「…?」
②「…昔はね でももう出るのは止めているわ。」
③「…なんで?」
②「…私以上の実力者がいるからよ。 …あぁ 優勝はないな…ってね」
③「そんなの頑張って努力してその実力者とやらを超すぐらいの気概がないと優勝できないわよ。」
②「…ふふふ まるで兎萌ちゃんみたいな口振りね。」
③「…えっ!? そお?」
②「…まぁいいわ じゃあ 今度は頑張ってみるよ。」
③「そうそう 何事も諦めずに頑張ってみると道は開けるものよ。」
②「…そうね」
③「…ところで智夜を負かしたその実力者とは誰なのか聞いていい?」
②「………第七高校の……佐久間花織さん…よ…」
…などと二人はその後も話し続けていた。
……………
ある日の昼
保健室にて
またいつものように伊斑兎萌と鏡嵜智夜と榎口恵璃と暁哲子の四人は保健室内で昼御飯を食べていた。
しかし今日は神柴渉は来ていなかった。
①「んー 美味しい~」
②「…うん」
④「うんうん やっぱカレーパンは外せないよね。」
③「あれ? 今日は渉くんの姿が見えないけどまだ来てないの? 哲子」
④「…いや 今日の渉くんは学校お休みだよ 恵璃」
①「そう… 家庭の事情か何かだって先生言っていたけど体調不良とかではないみたいね。」
②「……」
③「へぇ~ そうなんだ」
④「でも まぁ来てもすぐ寝ちゃうから居ても居なくとも変わらないけどね。」
①「ふふふ そうだね」
③「ふむふむ なるほどね」
②「……」(クスッ)
そこに七照院燕彦が保健室にやって来た。
⑥「……」
①②③④「七照院会長っ!!」
燕彦は保健室内を見渡していた。
⑥「おお ここに神柴渉は来ているかな?」
③「…えっ!?」
④「あっ 神柴くんなら今日は学校をお休みしています。」
⑥「おお そうか なるほど」
①「神柴くんに何か御用ですか?」
⑥「…いや まぁ部活動の用事だったので特に…と言う訳ではない。」
①③「…?」
④「…そうですか…」
⑥「では 彼が学校に登校してきたらこの七照院が用があって探していた…と伝えてくれないか。」
②「……」
①③④「はいっ 判りました!」
⑥「ああ よろしくな」
そう言うと七照院燕彦は保健室を出て立ち去った。
①「はぁ~ 凄かったね まさか会長がここに来るなんて…ね…」
④「ええ そうね 確かにね 私も凄く驚いているわ…」
③「…でも会長は渉くんに一体なんの用だったんだろうね。」
①「うん そうだね」
④「ええ そうね」
②「……」
…などと四人は話しながら昼食を続けていた。
……………
ある日の午後
放課後にて
音楽部の部活動で部室に来ていた部員の鏡嵜智夜は部長の乙崎まどかの指導を受けていた。
②「……」
智夜は『ヴァイオリングループ』の練習をしていていつも以上に熱心に部活に取り組んでいる智夜を見て部長の乙崎まどかも感心していた。
⑤「あら どうしたの? 智夜さん いつも以上にやる気が出ているわね?」
②「…いや… そうですか?」
⑤「…ふふっ まぁなんにしてもあなたがやる気を出してくれればそれで良しよ!」
②「…はぁ… どうもです」
⑤「私たち『ヴァイオリングループ』はただでさえ部員の人数が少ないから他のグループに遅れを取りがちだけど優秀な人材は揃っているから十分に対抗できると思うのよ。」
②「…」(…また部長の小言が始まったかな…?)
⑤「それに優秀なあなたがやる気を出してくれれば他のグループだけでなく他の魔法学校の音楽部にも互角の勝負ができると思うのよ。」
②「…はぁ… ありがとうございます。」
⑤「さぁ 一緒に頑張りましょう! そして―――」
②「…」(…また今回も長くなりそうだね…)
智夜は延々と部長の小言を聞くハメとなった。
その後も智夜は部活動を続けていた。
音楽部の部活動が終わった後で鏡嵜智夜は下校して第三高校の女子寮に帰宅していった。
こうして鏡嵜智夜の一日が終了した。
―――――――
『私の一日』
[鏡嵜智夜編]
今回は鏡嵜智夜の学校生活の一日を紹介している。
だいたいがこんな感じで過ごしていて毎日のように友達の伊斑兎萌たちと一緒にいる。
しかし今回は神柴渉が登場していない為にラッキースケベの被害は受けていないようだ。
また運動神経が少し悪いので運動系よりも文化系・文芸系でいる姿がよく目立つ。
【登場人物紹介】
[簡易型]
[乙崎 まどか]
年齢:18歳
長野県出身
日本魔法学部第三高校の女子生徒。(3年生)
普通の家庭で育つ女子高生であるのだが少し小言がうるさい。
生徒会の会計に所属していて放送部や音楽部の部長も兼務している。
【音楽部】
[第三高校編]
この世界の魔法学校(高校)には教科に "音楽" という科目がない。
上級魔法には "音楽魔法" があるのに何故なのか?
それを知る者は誰もいない…
しかしいつ頃からなのか部活動として "音楽部" がある。
第七高校では昔からあり第六高校では最近設立されており第五高校では最近になって設立を検討されていると言う。(第四高校は不明)
そして第三高校も実は古くから存在している部活動の一つである。
基本的な部の構造は学校によって違っていて例としては軽音部や吹奏楽部やコーラス部などを一緒にして音楽部にしているところもあれば軽音部や吹奏楽部やコーラス部などを別々にしていて総称で音楽部としているところもある。
第三高校の場合は音楽部内部でグループ分けされている。
『軽音グループ』・『吹奏楽グループ』・『コーラスグループ』・『ピアノグループ』・『ヴァイオリングループ』などがあり合わせて音楽部と呼ばれている。
なので同じ音楽部の部員でありながらグループ分けしている為に違う部の部員だと勘違いして認識する事があると言う。
『日本魔法学部第二高校』
日本魔法学部第二高校は七つある魔法学校の二番目に位置し奈良県(関西地方)にある。
日本の魔法学校ではエリート校の部類に入る高校であり全国から優秀な生徒たちが第二高校生徒になる為に集まり入学試験を受けに来ているのだがなかなか入れないのが現状である。
基本的な仕組みは他の魔法学校とほぼ同じである。
ただし【武道大会】【海戦大会】【魔法大会】と言った行事などは第二高校にはない様だが他に別の行事が結構ある。
第二高校の生徒は他の魔法学校の生徒よりもエリート意識が少し高い。
現在の生徒会役員は今のところ全員不明である。
登場人物紹介
[主人公3]
鏡嵜 智夜
(きょうさき ともよ)
年齢:15歳
身体:163cm
誕生日:9月30日(天秤座)
3サイズ:B85/W57/H86
静岡県出身
趣味:読書
在籍:1年生(1年C組)
所属:音楽部
家族構成:父.母.?
一人称:[私]
日本魔法学部第三高校の女子生徒。
成績は普通より少し上。
学年平均点以上は常に取れている。
運動神経はあまり得意ではないようでスポーツもあまりやらない。
魔法実技・魔法能力は普通より少し上でなかなかの魔法技術を有している。
しっかりと真面目に授業を聞いている。
第三高校の女子寮に住んでいてそこから学校へ徒歩通学している。
容姿はいたって普通の女の子であり可愛い部類には入るかも。
性格は慎重で理性的な常識人である一方で激情的な一面もありそしてなかなかの不運の持ち主である。
伊斑兎萌とは幼馴染みで親友である。
魔法に興味があり第三高校の入学を決めて親許から離れて暮らしている。
戦闘能力は一切ない。
魔法技術は普通であるが攻撃魔法は特になく自分だけのモノが欲しいと思っている。
魔法使用に憧れていて魔法の勉強をする為に第三高校に入学した夢見る普通の少女である。
音楽部の部員であり『ヴァイオリングループ』に所属しているがヴァイオリンだけでなくピアノも得意である。
神柴渉と出身地は同じだが第三高校に入学するまでは面識はなかった。