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46.第四高校編[三学期]【日本人形:1】

怖い話 怪談『日本人形』の [前編] です。


四豊院奏率いる "チーム・カナデ" が今回の心霊現象に挑む。


 「皆 存分に頑張ろう!」


【アブソリュート=ゼロ】

  第四高校編[三学期]

   【日本人形】



翌年の1月に入り第四高校は次の行事でもある「会長会」を後半の日に控えたある日の出来事である。


四豊院奏が一体の日本人形を学校の生徒会室に持ってきていた。


人形とはおもちゃ(ぬいぐるみなど)や置物などの様々な(タイプ)があり昔から人が持つ身近な存在となっているのだがただの人形だけでなく人形の中には念や魂がこもったモノもありさらにその中には怨念や悪霊が取り()いた非常に危険な人形もある一方で協力な聖なる力が宿って持ち主を厄災から護る護り神的な人形もいて色んな人形がある。


その日本人形は豪華な造りになっており身長は約30cmぐらいの前髪は眉毛の上まで横一列に切り揃えた感じになっていて腰まで伸びた美しい黒髪に色白の肌に黒く大きな瞳に真っ赤な口紅に鳥柄の金箔が付いた紅い着物を着た比較的新しそうな少女の日本人形である。


この日本人形自体に特別な意味はあまりないが実はこの人形は双子でありもう一体の "つがい" がいるのだがもう一体の方は今何処にあるかは解らない。



登場人物

①四豊院 奏(2年A組)

②三葉院 将和(2年A組)

③三葉院 真純(2年A組)

④遠藤 惣四郎(2年B組)

⑤裏井沢 楓(2年C組)

⑥斎城 成瑠子(1年B組)

⑦カレン・ウォールドヴァーゼ(1年A組)



 日本魔法学部第四高校(宮城県)

1月[三学期]


ある日の午後

生徒会室にて

生徒会役員の四豊院奏と三葉院将和と三葉院真純と遠藤惣四郎の四人の他に毎回暇潰しに来ている裏井沢楓に生徒会の仕事の手伝いに来ている斎城成瑠子とカレン・ウォールドヴァーゼの合計七名がいて生徒会役員は会議をしていた。


奏が座っている席の左後ろの棚の上に奏が持ってきた日本人形を立たせた状態で置いていた。


楓はその日本人形を見て奏に質問した。

⑤「奏 なんだ あの人形は?」

①「…うん? …ああ あの人形ね ちょっと知人に頼まれて少しの間だけ預かっているんだよ。」

④「何か曰く付きかい?」

①「あれ一体だけでは何も起こらないと思うよ 多分…」

④「へぇ~ そうかー」

⑤「……一体だけ?」

③「まさか悪霊に取り()かれた人形なの?」

①「まさかっ! ちゃんとご利益のある人形だよ! 持ち主を厄災から護ってくれるんだからね 多分…」

⑤「……多分?」

②「へぇ~ そいつは凄いな その人形」

①「ただし二体ないと意味がないけどね」

②④「へぇっ!?」

③「えー そうなの?」

⑤「つまりこの日本人形はもう一体あるのか?」

①「うん そういうこと」

成瑠子がカレンに話しかけた。

⑥「ねぇねぇ カレン?」

⑦「な~に 成瑠子?」

⑥「生徒会の先輩たちはいつもあんな感じ?」

⑦「じゃあないかな」

⑥「てゆーか 生徒会室に人形を持ってきているよ?」

⑦「まぁ いいんじゃない 人形ぐらいなら…」

⑥「ふぅ~ん まぁ 風紀委員のカレンが良いって言うならいいかー」

⑦「……」

⑤「その通りだ!」

⑥⑦「!?」

楓が成瑠子とカレンの会話に割り込んできた。

⑤「ふむ 奏は今や何でもありだな」

⑥「…そ そうですか…」

⑦「…」(まぁ 風紀委員会No.2の楓先輩がそう言うなら…)

②「…で もう一体の人形は今は何処にあるんだ? 奏」

①「さぁ 知らないよ "その一体だけ預かってくれ" と言われただけだからね 解らないよ」

②「ふぅ~ん そうか」

③「じゃあ やっぱり何かの曰く付きかしらね?」

①「う~~ん このテの人形は一体だけでは何も起こらないはずだけど… どうかな?」

④「まったく また厄介な物を…」

⑤「……」

②「ふむ まぁいい 何か起こればその時に対処すればいいと思う。」

③「ふむふむ まぁいいわ さぁ 会議の続きをするわよ」

①「そうね 先を進めましょうか」

生徒会役員はその後も会議を続けていた。


 ……………


 ある日の夜


第四高校の学校で守衛さんが校内を見回りしており各階の廊下を見回りしていると廊下の奥の方から "声?"・"音?" の様なモノが聞こえてきた。

「ん?」

不思議な感じの守衛さんはその "声?"・"音?" が聞こえる方向へ行ってみるとそこはなんと生徒会室だったのである。

「おおっ!?」

驚いた守衛さんが真っ暗な生徒会室のドアに耳を当ててよく聞いてみると「しくしく」と "子供のすすり泣く声" が聞こえてきたのである。

"それ" を聞いた守衛さんが "それ" を確認するために生徒会室のドアを()けて真っ暗な室内に懐中電灯の灯りをあてて確かめるも当然中には誰もおらず「しぃーん」と静寂であった。

「な なんだっ!? 今確かに声が…?」

…そう 先程まで聞こえていたはずの "子供のすすり泣く声" も消えていたのである。

「…やはり誰もいないか?」

真っ暗な室内を懐中電灯で照らし辺りを見渡したがやはり誰の姿もなかった。

「ふぅー」

守衛さんはため息をつき廊下に出て生徒会室のドアを閉めて立ち去ろうとするとまた室内から「しくしく」と "子供のすすり泣く声" が聞こえてきたのである。

「…ひっ!?」

守衛さんは怖くなってその場から走って逃げてしまったのである。


 ……………


 翌日の午後


生徒会室にて

いつもの四豊院奏と三葉院将和と三葉院真純と遠藤惣四郎の四人に裏井沢楓と斎城成瑠子とカレン・ウォールドヴァーゼの三人が暇潰しや仕事の手伝いなどをしに来ていて生徒会役員は会議をしていた。


①「どうしたの? 守衛さん」

昨夜見回りをしていた守衛さんが生徒会室にいる奏たちに会いに来ていた。

④「子供の泣き声?」

②「この生徒会室にかい?」

③「へぇ 泣き声ねぇ」

守衛さんは昨夜の自分が体験した出来事を詳細に説明していた。

①「話しは判りました こちらの方でなんとかしますので任せてください。」

奏がそう言うと守衛さんは一礼をして生徒会室を退室していった。

⑤「ほう もう何か対策があるのか?」

①「…ないよ」

⑥⑦「えっ!?」

⑤「だが いま 任せろと…」

①「だから それを今から考えるんだよ」

②「…ああ そうだな」

③「だいたい守衛さんに "解りませんのでお手上げです" なんて不安をあおるようなことは言えないでしょ?」

⑤「な なるほど…」

⑥⑦「……」

②「しかし この生徒会室に今まで心霊現象は起きていなかったのに… 何故また急に…?」

④「確かにな」

⑥「あっ! もしかして 先日の日本人形が原因ですかね?」

①②③④「……」

⑤「そういえばあの人形はどうした? 奏」

①「昨日には持って帰って知り合いで供養できるお寺に預かってもらっているよ」

④「供養できるお寺か…」

①「……」

⑦「じゃあ もう関係ありませんね」

⑥「そっかー 関係ないかー」

①「()()えずは様子を見ましょうか 真純 監視カメラの準備をお願い」

③「了解!」

④「監視カメラ?」

②「ああ 生徒会室内に監視カメラを数台設置して何かが映るか様子を見る訳だな。」

③「そう 私たち『心霊現象研究会部』にとっては常套手段だよね。」

⑥「へぇ~ 凄いですね」

⑦「…なるほどです」

④⑤「……」


真純は監視カメラを三台用意し生徒会室内の全体を映せるように設置して数日間様子を見ていた。

その間も深夜 生徒会室内で "子供のすすり泣く声" が聞こえたと言う人たちの声を沢山聞いていた。


数日後 改めて生徒会室に設置していた監視カメラの映像を確認したがやはり特に怪しい映像や声・音などはなかった。

③「う~ん やっぱり何も映っていなかったわね。」

②「ああ だが しかし この数日間で夜 生徒会室内で "子供のすすり泣く声" が聞こえたと言う声をよく聞いている。」

①「……」

④「まだ 様子を見るか? 奏」

⑤「この分だと何度やっても同じな気がするが…」

①「……」

⑥「やっぱり 難しいですかね」

⑦「でもやはり気持ち悪いですね」

①「…そうね 確かにこのままでは後味が悪いよね」

②「…うん?」

③「…えっ!?」

①「よし それならボクたちが(じか)にその心霊現象を体験するしかないよね!」

③「動くの? 奏」

②「ほう 遂にか…」

①「うん! やっちゃうよ!」

④⑤⑥⑦「……」


 ……………


 その日の夜


四豊院奏と三葉院将和と三葉院真純と遠藤惣四郎と裏井沢楓と斎城成瑠子とカレン・ウォールドヴァーゼの七人の "チーム・カナデ" は顧問教師や守衛さんの許可を得て深夜の生徒会室の調査を行う事になった。


七人が交代で生徒会室の心霊現象の調査を行う為に真っ暗な室内に三台の監視カメラと二人がいる状態で調査をする。

最初の二人は将和と真純の姉弟が調査を行うが今のところ特に怪しい事は起こっていない。


すると突然 別室で待機中の奏の[MCD]が鳴り出して取り出した。

①「はい あっ 住職さん どうしたの? こんな夜遅くに…」

④⑤⑥⑦「?」

「・・・」(住職と会話中)

①「えっ!? それは本当ですか? はい はい 判りました… では…」

奏は通話を切って[MCD]をしまった。

④「どうした? 奏」

⑤「何かあったのか?」

①「お寺の住職さんから預けてもらっているはずの日本人形が突然消えていなくなったって」

④⑤「なにっ!?」

⑥⑦「えっ!?」


何かが起こっている様だが一体何が起こっているのか解らない。

四豊院奏たちは "その何か" に迫ろうとしていた。

四豊院奏たち "チーム・カナデ" が第四の心霊現象 [日本人形] の謎に挑む。


       つづく


  ―――――――



  『今回の出来事』

    [簡易型]

1.四豊院奏がある日本人形を生徒会室内に持ち込む。

    ↓

2.奏は日本人形を持ち帰るがその日を境に毎回夜遅くに真っ暗な生徒会室内から "子供のすすり泣く声" 聞こえてきた。

    ↓

3.奏は数日間 無人の生徒会室内に三台の監視カメラを設置し確認したが特に怪しい動きはない。

    ↓

4.奏と三葉院将和と三葉院真純と遠藤惣四郎と裏井沢楓と斎城成瑠子とカレン・ウォールドヴァーゼの七人の "チーム・カナデ" は交代で三台の監視カメラと共に夜の真っ暗な生徒会室内を監視中。

    ↓

5.別室にて待機中の奏に日本人形を預けてもらっているお寺の住職から日本人形が消えたと連絡を受ける。



 『今回の怪談』

 「No.4」【日本人形】

時間:夜

場所:生徒会室内

外見:???

現象:毎夜 真っ暗な生徒会室内から "子供のすすり泣く声" が聞こえる様だが勿論室内には誰もいない。

結果:解決していない。

備考:四豊院奏がある日本人形を生徒会室内に持ち込んだ後に心霊現象が起きている。

恐怖度:★★★☆☆

危険度:★★★☆☆



   『会長会』

第四高校の会長会は去年(M31)と今年(M32)の1月に三葉院真純(会長)と三葉院将和(副会長)と四豊院奏(書記)の三人がしっかりと二回参加している。

会長会は三葉院姉弟と奏が1年生の時から参加しておりそつなくこなしていたが2年生になってからは大きな変化があった。

それは第七高校では陸堂瑛を生徒会長に陸堂翼を副会長にしていたことである。

なので今回の会長会は陸堂兄弟に会う機会ができたのだがやはりそれはそれで容易ではなかった。

何故なら第六高校の生徒会長の六甲院美咲や第五高校の生徒会長の西九条早苗がそれを許さなかったのである。

真純はせっかく楽しみにしていたのにまったく迷惑な話である。


第七高校から第四高校まで生徒会役員の紹介

第七高校:会長.陸堂瑛

     副会長.陸堂翼

第六高校:会長.六甲院美咲

     副会長.六甲院美幸

第五高校:会長.西九条早苗

     副会長.西九条菖蒲

第四高校:会長.三葉院真純

     副会長.三葉院将和


 登場人物紹介



斎城 成瑠子

(さいじょう なるこ)


年齢:16歳

身長:163cm

誕生日:12月12日(射手座)

3サイズ:B83/W57/H84

山形県出身

趣味:スイーツ食べ放題

在籍:1年生(1年B組)

所属:???

家族構成:父.母.妹.弟

一人称:[私.あたし]


日本魔法学部第四高校の女子生徒。

成績・運動・魔法共に普通より少し下。

第四高校の女子寮に住んでいてそこから学校へ徒歩通学している。

性格は甘いもの好きの気さくで元気な少女であり男女関係なく仲良くできて友達も多い。

カレン・ウォールドヴァーゼとは友人関係である。

格闘能力は一切なく魔法技術や魔法能力は少しあり攻撃魔法もあるが威力は低いので基本的には戦力にはならない。

普通の家族で普通の家庭に育った普通の女子高生ではあるが唯一 普通ではない事は幽霊が()える程の『霊感』・『霊力』の強さの持ち主である。

幽霊が()え心霊現象を体験するこの体質を改善するために第四高校の通学を決めたと言う。

現在はカレンの紹介で生徒会役員になるかどうか検討中である。


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