42.第四高校編[二学期]【闇の影:1】
怖い話 怪談『闇の影』の[前編]です。
今回は『心霊現象研究会部』の主力部員たちが登場し部活動をします。
新キャラも登場するのでお楽しみに!
【アブソリュート=ゼロ】
第四高校編[二学期]
【闇の影】
登場人物
●第四高校
①四豊院 奏(2年A組)
②三葉院 将和(2年A組)
③三葉院 真純(2年A組)
④遠藤 惣四郎(2年B組)
●第五高校
⑤九道院 将晴(3年A組)
⑥葉月 恋奈(1年A組)
●第七高校
⑦陸堂 翼(2年B組)
⑧陸堂 瑛(2年B組)
●第三高校
⑨二爽院 静花(2年生)
⑩梶崎 愛莉(1年生)
今回の第四高校では生徒会役員選挙はありません。
正確に言うと第四高校に "三葉院" の子供(生徒)が居るときだけは自動的に "三葉院" の子供(生徒)が生徒会役員(会長・副会長)となっている。
去年の4月に三葉院真純・三葉院将和の姉弟が第四高校に入学してから9月になると自動的に三葉院真純・三葉院将和の二人が生徒会に入り真純が会長に将和が副会長になった。
それに伴い他の生徒会役員も一新されて四豊院奏が書記に遠藤惣四郎は会計になっていて庶務は現在いない。
日本魔法学部第四高校(宮城県)
9月[二学期]
ある日の午後
生徒会室にて
四豊院奏と三葉院将和と三葉院真純と遠藤惣四郎の四人がいて生徒会役員は会議をしていた。
①「ねぇ 真純~?」
③「な~に? 奏」
①「今回も生徒会役員選挙はやらないの?」
④「……」
③「やらないでしょ? ねぇ 将和?」
②「ああ やらないと思うよ」
④「…どうしてやらないのだ? 将和」
②「ん? さぁね でもこの第四高校はそもそも国の支援の他に "三葉院" の援助があって かなり潤っているって… 前に親に聞いた事があるな~」
③「それ 私も聞いた事があるわ」
④「へぇ~ そうなのか?」
①「でもそれだと第六高校には "六甲院" がいて第五高校には "九道院" がいて それでも生徒会役員選挙をしているのに何でウチの学校は選挙をやらないんだろうね?」
③「……」
②「……」
④「確かに…そうだな」
③「…まぁ いいんじゃない? そんな事…」
②「そうそう 細かい事は子供の俺たちが知る必要はない…」
③「私たちも生徒会は結構楽しいしー いちいち選挙なんて労力もいらないしー」
④「なるほど 確かにな」
①「うん まぁ 生徒会役員になりたいなんて物好きもそうはいないだろうしね」
③「そうよね~ うん」
②「だが 来年は生徒会役員選挙をするかもしれないな…」
④「え? どうしてだ?」
①「ああ そうか 来年はボクたちももう3年生だからね 卒業するし次の生徒会役員は決めないとね」
④「ああ なるほど そうか …と言う事は来年の9月には選挙復活か?」
③「もしかしたらね~」
②「……」
①「でも 真純…? 生徒会役員メンバーはボクたち四人のままなの?」
③「う~ん そうよね~ 庶務は欲しいわね~」
②「……」
④「…あれ? そういえば楓の奴はどうした? いないけど…」
②「ああ あいつはもうすぐ試合があるからその準備でもう帰宅したよ」
④「…おっ もう試合か?」
①「…あっ 日本タイトル戦…?」
③「……」
②「いや その前の前哨戦だそうだ…」
①「なんだぁ 違うのか?」
④「ほう そうなんだ 色々大変なんだな… プロボクシングと言うのも…」
③「ふぅ~ん」
②「…そうだな」
①「……」
③「じゃあ 次の議題は―――」
生徒会役員はその後も会議を続けた。
……………
9月未明のある日の夜
今回の『心霊現象研究会部』はこの時期に会合があり部員の主力メンバーは和歌山県にある陸堂家に来ていた。
主力部員は部長で第四高校の四豊院奏と三葉院将和・三葉院真純の姉弟に第五高校の九道院将晴と葉月恋奈に第七高校の陸堂瑛・陸堂翼の兄弟がいる。
なお斎藤要一は私用の為に今回は不参加である。
さらに今回は第三高校の二爽院静花と梶崎愛莉が特別参加してきた。
主力部員全員が陸堂家のリビングで寛ぎながら話し合っていた。
陸堂家では複数の子猫を飼っていてリビングには「ニャアー ニャアー」と子猫たちの鳴き声が聞こえていた。(※子犬の方は別の部屋で待機中)
⑥「う~ん かわいい~」
葉月恋奈は子猫の頭を撫でていて子猫は「ニャオ~」と鳴いていた。
③「ホント~ かわいいわね~」
三葉院真純は別の子猫のアゴの下を撫でていて子猫は「ゴロゴロゴロ」と鳴いていた。
⑨「ふう あなた方は一体 何をしに来たのですか? ねぇ 愛莉?」
二爽院静花は梶崎愛莉の方を見た。
⑩「あっ!? すみません 可愛くてつい…」
梶崎愛莉も別の子猫を可愛がっていた。
⑨「ふう なるほどね…」
二爽院静花はやれやれという仕草をした。
③⑥⑩「カワァイイィ~~」
①「ねぇ 聞いてる? 続けるよ?」
三葉院真純と葉月恋奈と梶崎愛莉の三人は子猫たちと遊んでいて話しを聞いていない。
⑧「構わん 続けろ」
⑨「……」
⑦「……」
②「……」
⑤「……」
①「…うん わかった 今回はとある女子高で起こっている不思議な現象の調査と解明が主な目的だよ」
⑤「…それは我々全員が駆り出される程のモノなのか?」
①「…だって 解らないんだもの… だから今回は物量で対抗するよ」
⑦「…なるほど そういう事ですか…」
⑧「…その高校は普通の女子校なのか?」
①「そうだよ 魔法は使えない学校だよ」
⑨「ふむふむ …で魔法使用の許可は?」
①「勿論 もらってる とにかく なんとかしてくれ… とボクのところにきたのだよ」
⑦⑧⑨「……」
⑤「なるほどな 解決必至か…?」
②「…それで?」
①「…詳細は不明だけど暗闇の中で突然 自分の影が自分を襲うらしいんだよ」
⑧「…何?」
⑦「…影?」
⑨「…ふむ?」
②「…聞き間違いか? 今… "暗闇の中" でと言ってなかったか?」
⑤「確かに俺も今… "暗闇の中で影が襲う" …と聞いたが?」
①「…その通りだよ」
⑦「…本来は光があるから影ができるはずです。 だから暗闇の中から影は…」
⑧「…ああ 普通はできないはずだ…」
②⑤⑨「……」
①「う~ん "暗闇の中で自分の影が自分を襲う" という体験も結構珍しいよね?」
②「…その女子高は何処にある学校だ?」
①「…京都府にある高校だよ」
最近の出来事なのだが京都府にある普通の女子高では近く大きな行事がありその準備の為に夜遅くまで学校に残っている多くの女子生徒が "暗闇の中でも自分の影に自分が襲われる" という不思議な心霊現象を体験していた。
②「…その学校だけなのか? その不思議な現象が起きているのは…」
①「調査を受けたのはその女子校だけだよ」
⑤「…ほう…」
⑧「…京都か」
⑦「…では早速 僕が今回参加する部員全員分のホテルの宿泊手配をしておきますね?」
①「うん よろしくね」
⑦「はい 判りました」
⑨「ふむふむ 女子校ですか? 女子だけの園ですわね 大変楽しみですわね」
②⑤⑦⑧「……」
①「…と言う事なので10月は京都府にある女子高に行くからね 皆 よろしくねー」
②「ああ わかった」
⑤「了解した」
⑦「はい 判りました」
⑧「おお 了解だ」
⑨「ふむふむ 了解しましたわ」
四豊院奏は子猫たちと遊んでいる三葉院真純と葉月恋奈と梶崎愛莉の三人にも声をかけた。
①「そっちもよろしくねーーっ!」
③⑥⑩「はーーい」
①「……」
10月 京都府の女子高にて今回の『心霊現象研究会部』は主力部員総勢9名の参加メンバーが第三の心霊現象【闇の影】の謎に挑む。
―――――――
『今回の怪談』
「No.3」【闇の影】
時間:主に夜
場所:学校校内
外見:自分の影
現象:暗闇の中で自分の影が自分を襲うようであるが……?
結果:解決していない。
備考:原因は不明だが今のところは特定の場所(京都府にある女子高)にしか出没していない。
恐怖度:★★★☆☆
危険度:★★★★☆
『日本魔法学部第四高校』
【内情編】
日本魔法学部第四高校は他の魔法学校よりも少し特殊な学校である。
第四高校では名家・三葉院財閥の莫大な援助を受けておりそれに伴い三葉院の子供(生徒)が入学すると無条件で自動的にその年の9月には生徒会役員に所属される事になる為に生徒会役員選挙は行われない。
現在の生徒会役員(執行部)は会長の三葉院真純と副会長の三葉院将和と書記の四豊院奏と会計の遠藤惣四郎の四人が運営していて二期目に入った。
そして三葉院の子供(生徒)が卒業・不在となると再び生徒会役員選挙が行われる事になる。
現生徒会役員(執行部)
会長………三葉院真純(二期目)
副会長……三葉院将和(二期目)
書記………四豊院奏 (二期目)
会計………遠藤惣四郎(二期目)
庶務………???
【登場人物紹介】
[簡易型]
[二爽院 静花]
年齢:17歳
長野県出身
日本魔法学部第三高校の女子生徒(2年生)
名家・二爽院財閥のご令嬢。
現在は生徒会の副会長と『心霊現象研究会部』の部員を兼務している。
[梶崎 愛莉]
年齢:16歳
長野県出身
日本魔法学部第三高校の女子生徒(1年生)
名家・二爽院財閥のご令嬢である静花の付き人。
現在は生徒会の書記と『心霊現象研究会部』の部員を兼務している。
『陸堂家の特徴』
[動物編]
和歌山県の陸堂家には子犬や子猫の動物がいる。
本来は飼っていなかったのが後輩の柊沢統一や佐久間花織たちがよく拾って来ていて「可哀想や家では飼えない」などの理由で陸堂瑛が引き取ってくれている。
その為 今では子犬が四匹・子猫が四匹の計八匹まで飼っていて陸堂兄弟が世話をしている。
そして時々 柊沢統一・柊沢綾花の姉弟や佐久間花織たちなどが陸堂家に遊びに来ている。
【恐怖心】
(ネタバレ注意)
実は以前『心霊現象研究会部』に第五高校の西九条早苗や第六高校の六甲院美咲が入部を検討していた。
もちろん陸堂瑛に少しでもお近づきになりたいという欲望からである。(※陸堂瑛の存在を知った後の話しである)
しかし西九条早苗も六甲院美咲もやはり普通の女の子である。
幽霊や心霊現象に恐怖する心 "恐怖心" には勝てなかったので結局は入部を諦めた。
登場人物紹介
裏井沢 楓
(うらいさわ かえで)
年齢:17歳
身長:178cm
誕生日:8月16日(獅子座)
宮城県出身
趣味:シャドーボクシング
在籍:2年生(2年C組)
所属:風紀委員
家族構成:???
一人称:[俺]
日本魔法学部第四高校の男子生徒。
成績はそれほど良くない。
運動神経は抜群でありある程度のスポーツはこなせる様だ。
魔法実技や魔法能力はそれほど得意ではない。
性格は地味な苦労人であり地道な努力家でもあり特に強さを求めている。
自宅から学校へ徒歩通学している。
最初はウェルター級のプロボクサーで東日本新人王戦に優勝しており後にミドル級に転向していて(M31)12月には日本チャンピオンになり世界ランキング8位になっている。
プロボクシングジム『完皓ジム』に所属している。
攻撃魔法や魔法能力はなく格闘能力・近接戦が主体で圧倒的なパワーを持つ。
彼の拳はとにかく強力で【爆弾の拳】と呼ばれていて幽霊さえも破壊すると言われている。
風紀委員会に所属している。
陸堂瑛を知っていてその強さに興味がある。
影森慶慈とは友人やライバルと言うほどではないがお互いに認め合っている。
『霊感』・『霊力』は他の者よりはある程度持っているのだが…?