41.第四高校編[一学期]【お見合い】
今回は怖い話し "怪談話" ではないと思いますが…
今回は三葉院姉弟… 特に姉の真純のお話しです。
【アブソリュート=ゼロ】
第四高校編[一学期]
【お見合い】
登場人物
①四豊院 奏(2年A組)
②三葉院 将和(2年A組)
③三葉院 真純(2年A組)
④遠藤 惣四郎(2年B組)
⑤裏井沢 楓(2年C組)
日本魔法学部第四高校(宮城県)
7月[一学期]
7月では既に三葉院将和が第五高校(福岡県)生徒の西九条早苗とお見合いをする為に東京都のホテルに来ていた。
しかし三葉院将和はお見合いをする前に気絶した。
結局は三葉院将和と西九条早苗のお見合いは途中で中止となった。
ある日の昼
生徒会室にて
四豊院奏と三葉院将和と三葉院真純と遠藤惣四郎と裏井沢楓の五人がいて生徒会役員は会議をしていた。
③「うふふふ」
三葉院真純は笑いを堪えていた。
②「……ふん」
三葉院将和は不機嫌そうな顔をしていた。
①「……」
四豊院奏はいつものように魔法専用パソコンを「カタカタカタ」と操作していた。
⑤「…ん?」
④「…どうしたんだ? 真純…?」
遠藤惣四郎と裏井沢楓の二人は三葉院姉弟を見て不思議そうな顔をして遠藤惣四郎が三葉院真純に質問した。
③「いやぁ~ 将和が非常に残念な事をしたのよね~」
②「…むっ!」
⑤「…なんだと?」
④「…残念な事…?」
③「ええ せっかくのお見合いを台無しにしたのよね~」
⑤「…何…?」
②「…むむっ!」
三葉院将和は険しい顔つきになっていた。
④「お見合い?」
③「ええ それはねぇ 第五高校の西九条早苗さんとのお見合いで…なんと! 将和が途中で気絶しちゃったのよ~」
②「…むむむっ!」
⑤「…ほう?」
④「…何っ!?」
③「それでぇ なんだかんだあって 結局はお見合いは中止… 将和は瑛様と翼様に連れられて帰宅したのよね~」
②「…ふんっ!」
三葉院将和は険しい顔で首を横にふった。
④「へぇ~ そうなのか?」
⑤「なんだぁ 情けないな」
③「そうよね~ 情けないよね~」
②「余計なお世話だ!!」
④⑤「……」
③「…ふふふ まぁ 次回また頑張りなさい。」
②「…ぐっ! 真純 お前こそもうじきお見合いだろ? どうなんだ?」
③「私? 勿論 頑張るわよ 当たり障りなく適当にね…」
②「…何…?」
①「え? 何を頑張るの?」
今 作業が終わった四豊院奏が会話に乱入してきた。
②③④⑤「……」
①「…ん? 何?」
生徒会役員はその後も会議を続けた。
宮城県内の某所
ある日の夕方[完皓ジム]
裏井沢楓はこのジムに所属していて今日もいつものようにボクシングの練習をしていた。
三葉院将和は付き添いで一緒に来ていた。
⑤「……」
将和が楓に話しかけた。
②「調子良さそうだな? 楓」
シュッ シュッ シュッ
⑤「さぁな …ちっちっちっ…」
楓は等身大の鏡に向かってシャドーボクシングをしていた。
②「楓 今度は日本タイトル戦の試合だったよな…?」
⑤「…いや その前の前哨戦でノンタイトル戦の試合だ…」
②「…え? そうなの?」
⑤「…ふっ 俺の前に日本王者に挑む選手がいたのでな…」
②「へぇ~ そうなのか?」
⑤「そういえば 慶慈の奴はどうしてる?」
②「…ああ 君同様に頑張っているよ」
⑤「ふぅ~ん そうか…」
②「おそらく 彼の方ももうじき日本タイトル戦の試合があるのではないかな?」
⑤「…ほう そうか」
②「……」
⑤「ところで将和よ 陸堂瑛と言う男は本当に強いのか…?」
②「なんだ? 薮から棒に…」
⑤「どうなんだ?」
②「…ああ 本当に強いと思うよ… あの "二大巨神" と呼ばれていた平塚凱都先輩や武藤誠先輩… それにあの慶慈でさえ倒すことができなかったらしいからな…」
⑤「何? それは本当か?」
②「…ああ 本当だそうだ… もっとも聞いた話しだがな…」
⑤「……」
②「まぁ 実際には彼の強さを見た訳ではないから確かかどうかは知らんがな。」
⑤「…そうか 俺も一度見てみたいものだな その男の強さを…」
②「…そうか?」
⑤「…ふっ まぁな」
②「……」
裏井沢楓はその後もボクシングの練習を続けた。
……………
7月の後半の日には今度は三葉院真純がお見合いをする事になった。
相手は名家・三葉院財閥のお得意様の名家で会社も経営している社長で誠実そうな20代後半の男性である。
場所は東京都某所の高級ホテルで行う事になっており三葉院真純は振袖を着て現れた。
ロビーでの待ち合わせなので三葉院真純は少し待っているとお見合い相手の男性Xが自分の左右と後ろに黒い背広を着た三人の男たち 通称「黒服隊」と言われる者たちを引き連れてやって来た。
X「やぁ 待たせたね」
③「…っ!」
真純は自分に声をかけたのでお見合い相手の男性Xだと思い軽く会釈した。
X「…君が三葉院真純さんだね?」
③「…はい」
X「僕は君のお見合い相手をする事になった者で―――」
お見合い相手の男性Xは自分の自己紹介をした。
③「…?」
真純はお見合い相手の男性Xの顔を見ていたが……あまり顔色が良くない…?
③「…」(どうしたのかしら?)
X「…ゴホッ ゴホッ… ――失礼…」
男性Xは右手で拳を作り口をおさえた。
③「…立ち話もなんですからお部屋に行きましょうか…?」
X「…そうか すまない」
三葉院真純とお見合い相手の男性Xと黒服隊は部屋の前まで来た。
X「…お前たちはここで待て」
「はい!」
男性Xは黒服隊にそう言うと真純と二人だけで部屋の中に入って行った。
テーブルを挟んで真純と男性Xが向き合う様に座った。
X「…ゴホッ ゴホッ…」
③「…お身体が優れませんか?」
X「ん? …ああ 昨日までは特に問題がなかったのだが…? …何故なんだ?」
真純はテーブルに身を乗り上げて小声で男性Xに話しかけた。
③「…あの 体調が優れない様でしたら適当に時間を潰して頃合いを見て今日はもう終わりにしましょうか?」
X「ん? そうだな ゴホッ ゴホッ こんな体調で君とお見合いを続けても仕方ないし君にも迷惑がかかるな。」
③「いえいえ そんな」
真純の言う通り男性Xの身体を休ませながら適当に時間を潰して頃合いを見てお見合いを終わらせた。
③「……」
X「……」
二人は部屋から出てきた。
X「今日は本当にありがとう ゴホッ …君のような美しい女性と知り合えた事は大変光栄だよ。」
③「いえ 私こそ今日はありがとうございました。」
X「また どこかで会えたら嬉しいな…」
③「はい」
X「では さようなら」
男性Xは左手の掌を左右にふる。
③「お疲れ様でした。」
三葉院真純は一礼をした。
お見合い相手の男性Xが自分の後ろに四人の黒服隊を引き連れて帰って行った。
そんな彼らの後ろ姿を見て三葉院真純は違和感を覚えた。
③「…あれ? 四人…?」
三葉院真純は考え込んだ。
③「…?」(…黒服の男の人たち確か最初は三人だけだったような…?)
しかし真純は後からもう一人合流したのではないかと思い取り立てて気にしなかった。
こうして三葉院真純の方のお見合いもまともにできないまま終了してしまい自宅へ帰宅した。
しかし真純はまだ釈然としていなかった。
―――――――
『今回の出来事』
【真純編】
7月 三葉院真純は「名家・財閥」の令嬢として同じ「名家・財閥」の男性Xとお見合いをする事になったのだが相手の男性Xの調子が悪く体調も良くない為に途中で中止してお見合いは終了しておりお互い自宅に帰宅した。
男性Xがその後どうなったかは今はまだ不明である。
7月の前半の日には弟の三葉院将和もお見合いをしているが体調不良(便宜上)でお見合いはできずに終了していた。
【プロボクシングジム】
日本プロボクシングジムにも色々ありここでは二つのジムを紹介する。
[完皓ジム(宮城県)]とは裏井沢楓が所属しているジムで国が運営・経営している日本プロボクシング協会加盟ジムの一つである。
[陸堂ジム(高知県)]とは影森慶慈が所属しているジムで陸堂瑛(個人)が運営・経営している日本プロボクシング協会加盟ジムの一つである。
『日本魔法学部第三高校』
日本魔法学部第三高校は七つある魔法学校の三番目に位置し長野県(中部地方)にある。
日本の中間点にある魔法学校なので全国から生徒たちが第三高校生徒になる為に入学試験を受けに来ていて比較的簡単に入学できる様になっている。
基本的な仕組みは他の魔法学校とほぼ同じである。
ただし【武道大会】【海戦大会】【魔法大会】と言った行事は第三高校にはない様だが他に何か行事があるのか?
現在の生徒会役員は今のところ全員不明である。
登場人物紹介
遠藤 惣四郎
(えんどう そうしろう)
年齢:17歳
身体:175cm
誕生日:6月30日(蟹座)
青森県出身
趣味:不明(教えてくれない)
在籍:2年生(2年B組)
所属:生徒会会計.剣道部
家族構成:父.母.弟.妹
一人称:[俺]
日本魔法学部第四高校の男子生徒。
成績は普通である。
運動は一般的に普通であるが剣道だけは得意であり有段者である。
魔法実技はそれほど得意ではない。
第四高校の男子寮に住んでいてそこから学校へ徒歩通学していた。
性格は一般的な良識的な常識人であり想定外な事はしないし起こさない。(無難な性格)
生徒会会計に所属していながら剣道部にも所属している。
格闘能力や攻撃魔法はないが剣術には優れていて近接戦闘が得意である。
父親が警察官で県警の刑事であり階級は「警部」である。
また父親には『霊感』・『霊力』が特に強くよく心霊現象に遭遇するらしい。
陸堂兄弟とは第四高校に入学してから度々会うので面識がある。
『霊感』・『霊力』は父親同様にある程度持っているが遺伝的なモノなのかは定かではない。
剣道の全国大会に出場経験がある。