19.第六高校編[二学期]【誕生日】
【アブソリュート=ゼロ】
第六高校編[二学期]
【誕生日パーティー】
登場人物
●第六高校
①六甲院 美咲(2年A組)
②六甲院 美幸(2年A組)
③宮野 昭吾(2年B組)
④羽柴 裕基(2年B組)
⑤真鍋 充(2年B組)
⑥黒澤 愁(2年A組)
●第七高校
⑦柊沢 統一(1年C組)
⑧佐久間 花織(1年A組)
⑨柊沢 綾花(2年A組)
⑩陸堂 翼(2年B組)
⑪陸堂 瑛(2年B組)
⑫シーラ・ラトファルト(1年A組)
⑬影森 慶慈(2年C組)
10月
島根県の六甲院邸
ある日の夜[豪邸内]
美咲の部屋にて
六甲院美咲と美幸は紅茶を飲んで寛いでいた。
①「今回のわたくしたちの誕生日パーティーには是非 瑛様たちをご招待しますわ。」
②「やっぱりお呼びになりますか?」
①「もちろん! 美幸は瑛様たちに招待状を送りなさい。」
②「では瑛様たち生徒会全員に招待状を送りますね。」
①「美幸 宜しくお願いしますわ。」
②「はい 判りました。」
①「…ふふふ…」
②「…お姉様? どうしましたか?」
①「…まさに "チーム・アキラ" ですわ。」
②「…ははは…」
六甲院美咲と美幸は紅茶を飲んで寛いでいる。
和歌山県の陸堂家
ある日の夜[リビング]
陸堂瑛と翼は寛いでいた。
⑩「美咲さんから誕生日パーティーの招待状がきました。」
⑪「…ほう…」
⑩「…どうしますか? 瑛」
⑪「ふむ そうだな~~?」
⑩「…」
⑪「まぁ~ いいだろう」
⑩「では美咲さんに参加すると連絡します。」
⑪「後は統一たちにも参加すると連絡してくれ。」
⑩「はい 判りました。」
陸堂翼は各方面に「参加」の意思を報告した。
【誕生日パーティー】
島根県の六甲院邸
当日の夜[豪邸内(会場)]
六甲院美咲と美幸の誕生日パーティーが会場で行われていた。
①「皆様 本日はわたくしたちの誕生日パーティーに参加して頂いて本当にありがとうございますわ。」
②「今夜はゆっくりと楽しんでいって下さいね。」
六甲院美咲と美幸は参加者たちに挨拶を行っていて第六高校の生徒会役員も参加していた。
③「まさか 俺たちも美咲様の誕生日パーティーに参加できるとは…思わなかったよ。」
④「生徒会役員の特権かな?」
⑤「…ぶつぶつ…」
③「それにしてもあの第七高校の連中は一体何なんだ?」
④「…ああ 何でも六甲院美咲が直々に招待状を送ったらしい…と聞いている。」
⑤「へぇ~ やっぱり」
③「ふん!」
陸堂瑛率いる生徒会役員や影森慶慈やシーラも参加していた。
会場は立食パーティーであり豪華料理が沢山 並んでいた。
⑦「コレ うめぇ~な~!」
⑧「はい 本当ですね。」
⑨「ええ 本当に美味しいわねぇ~!」
⑫「これも美味しいで~す!」
⑩「へぇ~ 美味しいですね。 さすがは六甲院家の豪華料理だけはありますね。」
⑬「ああ そうだな うまい!」
⑪「…」
六甲院美咲と美幸が陸堂瑛たちの所にやって来た。
①「皆さん 楽しんでいますか?」
②「ゆっくりと楽しんでいって下さいね。」
⑦⑧⑨⑫「は~い」
⑩「はい」
⑬「ああ」
⑪「…」
六甲院美咲と美幸はまた挨拶回りを続けていて陸堂瑛たち七人は豪華料理を食べ続けていた。
宮野昭吾たち第六高校の生徒会役員は陸堂瑛たち第七高校の生徒会役員の方を見ていた。
④「あの男が六甲院美咲のお気に入りの「瑛様」こと陸堂瑛だな。」
⑤「へぇ~ 詳しいね」
④「まぁね それと第七高校の現.生徒会会長であり武術と魔法の達人でSクラスの実力があるそうだ。」
③「…えっ!?」
⑤「それって…強いの?」
④「ああ らしいぜ もう高校生の域を超えているらしい…と聞いている。」
⑤「へぇ~ それは凄いね」
③「…ふん…」
宮野昭吾は陸堂瑛から視線を外して辺りを見回した。
③「…!? あ あいつは!?」
④「どうした? 昭吾」
⑤「…ん?」
④⑤「…何っ!?」
羽柴裕基と真鍋充の二人は宮野昭吾の視線の先を見た。
⑤「あ あいつは…!」
④「黒澤愁!!」
なんと黒澤愁がいたのである!
③「何であいつがここにいるんだっ!?」
⑤「マジか!?」
④「おいおい! あいつが六甲院美咲の誕生日を祝いに来るタマじゃあないだろう!?」
⑤「…敵情視察?」
③「ちぃっ!」
宮野昭吾と羽柴裕基と真鍋充の三人は黒澤愁の所に行った。
③「やぁ 黒澤さん」
⑥「…っ!?」
④「まさか あんたまでここに来ていたとはな…」
③「…で…何しに来た?」
④「まさか 本当に六甲院美咲の誕生日を祝いに来たのか?」
⑥「…」
③「…何で黙っている?」
⑥「…さい…」
④「…え? 今何て言った?」
⑥「うるさい!!」
⑤「ひぃっ…!」
③④「…」
⑥「き 貴様たちには関係のない事だっ!!」
③「ちぃっ!」
④「…お前…もういい加減に「貴様」と言う表現を使うのは止めろよな…!」
③「これだけは言っておくぞ! ここで妙なマネでもしたら許さんからな!」
⑤「ビックリするから大声出すな!」
⑥「…ちっ!」
宮野昭吾たち三人はその場を立ち去った。
島根県の六甲院邸
夜[豪邸内(会場)]
時間がだいぶ経っていた。
六甲院美咲たち第六高校の生徒会役員は陸堂瑛たち第七高校の生徒会役員と楽しく談笑していた…が…そこにあの黒澤愁が現れた。
⑥「…」
①「あら あなたも来ていらしていたんですか?」
美幸は美咲にそっと耳打ちをした。
②「…お姉様 彼を呼んだ覚えはありません。」
①「まぁ せっかく来て頂いたのだからゆっくりと楽しんでいって下さい。」
⑪「…!!」
陸堂瑛は「何か」を感じ取った。
⑥「…ぎぃっ!」
黒澤愁は右拳でいきなり六甲院美咲の顔面に殴りかかったが。
パァーン!
なんと陸堂瑛が六甲院美咲の前に出て左手で「それ」を阻止した。
⑥「な 何ぃっ!?」
①②「…!?」
③「なっ!?」
④⑤「おっ…?」
⑦⑧⑨⑩⑫⑬「?」
⑪「…ふふふ…」
⑥「…ひぃ…」
黒澤愁はこの時初めて陸堂瑛を見て今までに感じた事のない恐怖と絶望を感じ始めていて戦意喪失した。
陸堂瑛は右拳で黒澤愁の顔面をほんの軽く殴った。
コン!
⑥「ぐぅああぁ…!」
黒澤愁は殴られた拍子に後方に転倒した。
陸堂瑛は黒澤愁を見下ろした。
⑪「おい…大丈夫か?」
⑥「ひ ひぃぃ~~!」(こ 殺される!)
黒澤愁は情けない声を出していた。
①「誰か!!」
六甲院美咲に呼ばれて六甲院家専属の黒服隊がやって来た。
「お呼びですか? お嬢様」
①「この男を家の敷地の外につまみ出しなさい!」
「はい かしこまりました。」
黒澤愁は黒服隊に担がれて連れていかれた。
②「皆様 お騒がせして申し訳ありませんでした。 気を取り直して楽しんでいって下さいね。」
六甲院美幸は参加者たちにお詫びの挨拶をした。
①「全く 何なんですの? あの男は…?」
③「美咲様はお怪我はありませんか?」
①「ええ 大丈夫ですわ それより瑛様 助けて頂いて本当にありがとうございますわ!」
⑪「ああ いいよ」
②「さすがは瑛様 よく判りましたね。」
⑪「…殺気だよ」
①②「サッキ?」
⑪「まぁ あの男は「何か」やるな…ってね」
②「へぇ~ 凄いですね」
①「やっぱり瑛様は無敵ですわね!」
④「…凄い!」
⑤「…あんな一瞬で…」
③「なるほど あれが陸堂瑛…なのか…」
④「くっくっくっ 出遅れた様だな? まぁ あれじゃあしょうがないか?」
⑤「…勝ち目薄い…」
③「…ふん!」
柊沢統一は六甲院姉妹に質問した。
⑦「あのー 今の誰ですか?」
①「…あぁ…えぇ…」
②「…黒澤愁です。 恥ずかしながら…我が校の生徒です。」
⑧⑨⑫「…」
⑦「でも今ので恨みを買ったのでは…瑛さん…」
⑩「ええ あのタイプは根に持ちますからね。」
⑬「逆恨みか…?」
⑪「それならそれでも構わんよ。」
①「ご心配には及びませんわ。 我が六甲院家が瑛様をはじめ生徒会の皆さんや第七高校を全力でお守りしますわ。」
②「そうですわ あの様な愚者などに指一歩触れさせませんわ。」
⑪「そうか それなら宜しく頼むよ。」
①②「はい!!」
こうして陸堂瑛たち第七高校の生徒会役員は六甲院家の誕生日パーティーを楽しんでいった…
―――――――
【後日談1】
(黒澤愁の処遇)
この件は黒澤家でも大騒ぎとなり大問題となった。
愁は「黒澤家の恥さらし」の烙印を押された。
当然 愁の父親は愁に激怒してしばらくの間 猛省させて外出禁止の自宅謹慎を命じた。
学校側もしばらくの間 停学処分にした。
後日 愁の父親は六甲院美咲や陸堂瑛に謝罪した。
動機はやはり「生徒会役員選挙」に対する腹いせや逆恨みによるものであった。
愁はこの後 表舞台から出なくなっていき…陸堂瑛の事を『この世で絶対に超えられない壁』と認識しており畏れている。
【後日談2】
(黒澤家の人物紹介)
黒澤 亮
年齢:24歳
身長:178cm
鳥取県出身
黒澤愁の兄
名家・黒澤財閥の次期総帥。
父親から複数の会社を任されている。
第六高校の卒業生であり一流大学を卒業している優等生。
性格は弟とは真逆で誠実で真面目と弟よりも優秀であり愁から尊敬されている。
陸堂瑛とは面識がありお得意様でもある。
彼の会社と『陸堂サポートサービス』は業務提携を結んでいる。
今回の件で愁に激昂して後日 陸堂瑛に謝罪した。
彼は陸堂瑛の凄さと恐ろしさをよく知っていた為にその時は社運どころか一族皆殺しも覚悟したと言う…
登場人物紹介
黒澤 愁
(くろさわ しゅう)
年齢:17歳
身長:176cm
誕生日:7月13日(蟹座)
鳥取県出身
趣味:打倒!「六甲院派」
在籍:2年生(2年A組)
所属:風紀委員委員長.部活連代表
家族構成:父.母.兄
一人称:[俺]
日本魔法学部第六高校の男子生徒。
成績・運動・魔法共に大変優秀である。
名家・黒澤財閥の御曹司で次男坊であり黒澤亮の弟。
第六高校の男子寮に住んでいてそこから学校に徒歩通学している。
性格は傲慢で信念が非常に強く常に自分が正しいと疑わない。
また自分の間違いを絶対に認めない。
格闘能力は意外と高く近接戦闘が得意である。
攻撃魔法が使えない為 遠距離攻撃の手段がない。
風紀委員会の委員長にして各部活動を統括している部活連の代表を務めている。
各委員会にも精通していて取りまとめている。
幼少の頃から空手を習っていて5段にもなる有段者であり全国空手大会でも好成績を残している。
自分が常に優位に立つ事が前提としてそこから物事を不当に裁定して判定・判断しておりそれを嫌う六甲院美咲や宮野昭吾ら『六甲院派』が憤慨してよく衝突している。
陸堂瑛の事は恐怖と絶望を感じており畏れている。