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アブソリュート=ゼロ ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
B.【四豊院奏の最終報告書編】
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33.B【黒い影:09】

  ▼▽ (09)


 ある日俺は、近年地球で発生している "悪夢を見た者は必ず死ぬ" の法則に(のっと)って、その夢を見た数日以内に、その()()によって殺されそうになっていた。


 俺はこのまま本当に死んでしまうのか?


 俺は夢も希望もなく、ラーメン屋の店主の道も断たれてしまい、失意のうちに絶望に(おちい)っていた。



 そんな時に、()()()()()()()()が俺の目の前に現れていた。


「なななな……なんだとぉぉぉーーーっ!!?」


 なんとなんと、俺の目の前に現れたのが、()()……地球の護り神〈アクナディオス〉たちなのである!!


 遂に俺もおしまいかっ!? 奴らが俺を殺しにやって来たのかぁ!?

 や、ヤバイぞっ!? 俺……死ぬ!?


 俺が混乱して頭を(かか)えていると、そこに地球の護り神〈アクナディオス〉たちが、困惑している俺に話しかけてきた。


「ヒヒヒ、お前も……()()()()を見たようだな。 ハハハ」


「!!?」


 驚く俺に地球の護り神〈アクナディオス〉たちが、さらに話しかけてきた。


「ヒヒヒ、やっぱり()()()()()()()! ハハハ」


「み、見たから何だと言うのだぁ!? まさか貴様たちがこの俺を殺しに来たのかぁ!?」


「ヒヒヒ、まさか……だろ? 何故そう思う? 人間よ。 ハハハ」


「な、何故……って、俺を殺す為にわざわざ来たのだろう? 俺の所に来るなんて、所詮そんな奴らばかりなのさ! 畜生がぁ!」


「………」


「くそっ、人を小馬鹿にしたような喋り方をしやがってぇ、そりゃあ見りゃあ判るんだよ! あまり人間をナメるな!」


「ヒヒヒ、なるほど、気に入ったぞ人間よ。 お前を助けてやろうか? ハハハ」


「―――えっ!? な、何ぃっ!?」


「ヒヒヒ、()()()()を見た者は、絶対に助からないはずだが、()()()()をすれば助かる()()()()()()()。 ハハハ」


「な、なんだとっ!? そ、それは一体どういうことなのかっ!?」


「ヒヒヒ、お前……助かりたいか? ハハハ」

「ヒヒヒ、どうせ(せい)を諦めているなら、ひとつ試してみないか? ハハハ」


「な、何ぃっ!? 試すだと……っ!? 一体何を試すと言うのだっ!?」


「ヒヒヒ、それは……『異世界転移』……だよ。 ハハハ」


「な、何ぃっ!? い……『異世界転移』……だとっ!? な、何をバカなことをっ!?」


「ヒヒヒ、何をバカなことを……と言うけど、キミはもうすぐ死ぬかもしれないのだぞ? だがしかし "異世界" に逃げれば、もしかして助かるかもしれないぞ? ハハハ」


「………」


「ヒヒヒ、一度試してみないか? どうせ死ぬなら、地球(ここ)で死ぬか? それとも一縷の望みに賭けてみるか? ハハハ」


「……何故、俺を助けようとする?」


「ヒヒヒ、別にキミの命など、どうでもいいけど、単なる実験だよ。 実験……ハハハ」

「ヒヒヒ、そうそう。 果たして()()()()()()が "異世界" まで及ぶかどうか……をね。 ハハハ」


「……少し考えさせてくれないか?」


「ヒヒヒ、いいだろう。 それでは今夜……某所にある高層ビルの工事現場の下まで来い。 ハハハ」

「ヒヒヒ、夜8時まで、()()に来れば……キミの気持ちが決まったと……()()()()。 ハハハ」


「……わかった……」


 そこで地球の護り神〈アクナディオス〉たちが、スゥーと姿が消えてしまった。

 俺はまるで夢でも見ていたかのように、呆然と立ち尽くす。




   ◆◇◆




 夜8時、俺は地球の護り神〈アクナディオス〉たちが指定した某所の高層ビルの工事現場の下まで来ていた。

 だがしかし、()()は何処かで見た覚えがあるぞ? 一体何処で見たのか?


 などと考えているうちに、地球の護り神〈アクナディオス〉たちが、その姿を現した。


「ヒヒヒ、来た……と言うことは、"異世界" に行く……と言うことだな? ハハハ」


「……ああ……」


 あまり時間がなさそうだ。


「ヒヒヒ、そうかい。 それでは手短に "異世界" について説明してやろう。 ハハハ」

「ヒヒヒ、まずあっちの世界に行ったら、すぐに "()()()()()" という男に会え。 彼には既に話をつけてあるから、何も問題ない。 安心しろ……ハハハ」


「…… "()()()()()" ……?」


「ヒヒヒ、実際に行けばわかる。 彼と彼の仲間に助けてもらえ。 あと解らないことがあれば、遠慮なく彼に聞け。 ハハハ」


「……わかった……」


「ヒヒヒ、キミには『アイテム収納ボックス』を与えよう。 それがあればラーメンが作れるようになるはずだぞ。 ハハハ」


「………」


「ヒヒヒ、時間がないので先を進めるぞ。 キミの持つ『アイテム収納ボックス』には、主なアイテムとして、ラーメン・チャーハン・ギョウザに対応した食材・調味料・飲料水・食器・調理器具などのアイテムが手に入るようにしてある。 それ以外のモノを手に()れたければ、あとは自分で考えるんだな。 ハハハ」


「……わかった……」


「ヒヒヒ、だがアイテムを手に()れる為には『エネルギーポイント』が必要だぞ。 アイテムの種類や数量によっては『エネルギーポイント』の必要な数値・ポイントが違ってくる。 ハハハ」


「その『エネルギーポイント』とは、アイテムを買う為のお金みたいなものか?」


「ヒヒヒ、そう考えて間違いないだろう。 だがしかし、『エネルギーポイント』はモンスターを倒さないと手に入らないぞ。 ハハハ」


「ちょっと待てぇ!! それは俺にモンスターと戦えっ!! と言うことなのかぁ!?」


「ヒヒヒ、だから問題ないと言ったはずだ。 彼らがキミの『エネルギーポイント』を稼いでくれる。 キミがわざわざ戦う必要はない。 ハハハ」

「ヒヒヒ、彼らはキミを護衛しながら戦うから、キミに戦う力は必要ない。 キミはラーメン作りに専念すればいい。 ハハハ」


「……そ、そうか……それは良かった……」


 ここで高層ビルの工事現場の上の方にある古く錆び付いた鉄筋コンクリートが崩れ始めてきた。


「っ!!?」


 あぁっ、そうだぁ!! 俺は今夜……()()で死ぬんだぁ!!

 あちこちにある古く錆び付いた鉄筋コンクリートがどんどん落下してきている。


「ヒヒヒ、もう時間がないので、あとはあっちの世界で自分で思考して対応・判断してくれ。 ハハハ」


「……わかった……」


 するとここで地球の護り神〈アクナディオス〉たちが、俺を中心に円で描くように囲んでいて、俺の下の地面から青紫色の魔法陣が浮き出ていて、俺の身体が青白く変色している。


「ヒヒヒ、それでは行くぞ人間よ。 ハハハ」


「ああ、早く急いでくれ! ()()ももう持たないぞ!」


「ヒヒヒ、ではさらばだ。 キミの健闘を祈るぞ人間よ。 ハハハ」


 遂に俺の真上にある古く錆び付いた鉄筋コンクリートも、俺めがけて落下してきた。

 おおっ、俺の身体が消え始めてきたぁ!?


 父さん母さん、みんな!

 俺は異世界に行って、ラーメン屋を目指すよ!

 みんなも達者でな!


 じゃあな!!


 こうして俺のいる場所にも、古く錆び付いた鉄筋コンクリートが落下してきて地面に激突していたけど、俺の姿はもうそこにはなかった。


「ヒヒヒ、やっと行ったか? 遂に我らにも人間を "異世界" に運ぶ魔法能力が備わったのか? ハハハ」

「ヒヒヒ、では我らも行くか? ハハハ」


「ヒヒヒ……ハハハ」


 某所の高層ビルの工事現場の上の方から、古く錆び付いた鉄筋コンクリートが次々と落下してくる中で、地球の護り神〈アクナディオス〉たちの姿もスゥーと消えていった。


  △▲


なんと遂に『異世界転移』まで出てくるとはっ!?

だがしかし、残念ながら彼のその後の事は、ここでは語られないようだな?

あとヴァグドーとは、あのヴァグドーのことですよ?

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