30.B【黒い影:06】
前回からの続きです。
▼▽ (06)
ある日の朝のこと
とある一人の男性Aが、大阪府の某所にいつも勤務している、とある某会社の方に向かって普通に歩いて通勤している。
だがしかし、今日だけはいつも使っていた通勤路とは違う、また別の通勤路を使って歩いて通勤していた。
その原因は勿論、以前数日前に見たあの悪夢が原因であり、自分が何者かに殺される夢でなおかつ回避・防御が不可能である……ならばせめて、あの爆発する予定の例の警察署の付近を近づかず通らないこと、これに限るのだ。
それが功を奏したのか、この日は特に何事もなく、普通に仕事を終わらせ帰り道もまた別の道を使って帰宅、無事に自宅に到着できたのだ。
これでようやく、死の呪縛から解放されたのかぁ!? 思わず男性Aはそう思ったそうだ。
それからしばらくの間、特に何も起こらずに普通に日常を過ごしていた男性Aなのだが―――
それからさらに数日後、自宅から遠い大阪府南部某所の川の中から、あの男性Aの遺体が上半身と下半身が斬り裂かれた状態で発見された。
なんと結局死んでしまったけど、一体何が起こったのか? しかも警察も必死の捜査をしたのだが、努力の甲斐もなく虚しく難航している。
何故なら、犯人像が全く掴めないからである。 いかに日本の警察が優秀であろうと、犯人なき殺人ではどうしようもない?
しかももし、仮に犯人が地球の護り神〈アクナディオス〉だった場合、警察の……いや、人間の力でどうにかなるものではないからだ。
だから結局は泣く泣く迷宮入りになってしまうのかな……?
まさに "黒い影" の強襲・侵攻なのだ。
◆◇◆
日本の某所
ある日の夕方頃
東北地方のある地域の某所には、色々やってる四豊院奏の専用の工房があって、奏は七照院燕彦と共同で使用している。
そこで今日は、奏と燕彦は "ある製品" で打ち合わせをしている。
実は六甲院美咲から "ある依頼" があって、その仕事の依頼の為に、奏が燕彦と協力して、この工房で作業をしている。
そこで作業しながら話しかける奏と燕彦の二人。
「ん~~ なかなか難しいわねぇ~~」
「ふん、お前が訳の解らん仕事の依頼を引き受けるからだろ?」
「だって、面白そうだったからさぁ~~」
「ふん、安請け合いはするものではないな。 奏よ」
「ところでさぁ、燕彦たちって、麻雀の世界大会に出るんでしょ?」
「ああ、まずは地区予選からだが、既に受付エントリーは済ませてある。」
「たしか、五人一チームだっけ?」
「ああ、先発五人に予備が一人の計六人だな。 予備に関しては入れても入れなくともどちらでもよいそうだ。」
「ちなみに先発メンバーは誰なの?」
「ああ、そうだな……俺だったら……」
先発メンバー(予定)
1.先鋒:陸堂瑛
2.次鋒:七照院燕彦
3.中堅:神柴渉
4.副将:一珂院撩
5.大将:八陀院凌
これが燕彦が予想する先発メンバーなのである。
「……えっ、先鋒に瑛なの? それって、すぐに終わっちゃうんじゃないの?」
「ふん、別に相手のペースに合わせる必要はない。 全部圧勝していくつもりだ」
「でもあんまり勝ちすぎると、相手も大会もしらけるんじゃないの?」
「ふん、我々の目的はあくまで世界制覇だ。 "参加して健闘する" などというふざけた意気込みではない。 出るからには完全優勝のみ。」
「ふ~~ん、そうなんだぁ~~」
「ところでお前の方は、六甲院美咲に一体何の仕事の依頼を受けたのだ?」
「商品開発の企画と製作だよ」
「なんの……?」
「…… "ランジェリー・スポーツ" ……」
「……はぁ?」
「だから "ラ・ン・ジェ・リー・ス・ポー・ツ" ッ!」
「……はぁ? だから一体何なんだ? それは……?」
「まさに下着姿でスポーツ競技をすることだよ。 その為の競技用下着の製作をしているの。」
「……はぁ? 何を言ってる?」
「現在はまだ野球用とサッカー用の下着だけど、いずれ全ての競技に下着を……」
「おい、だから何を言ってるんだぁ!?」
「だーかーらー、スポーツ競技で使用・着用しているユニフォームを全部下着にするのよ。 水着着用によるスポーツ競技があっても、下着着用によるスポーツ競技はないからね。」
「そんなことは当たり前だ。 だがしかし、よくそんなことを思い付くものだな?」
「この商品開発の企画立案者は、なんとあの瑛だよ」
「……何っ!? それは本当かっ!?」
「うん、本当だよ」
「やれやれ、まったく相変わらずとんでもないことを思い付く奴だな。」
「ふふふ、だよねぇ~~」
「ふん、そんなのスポーツ競技というよりも単なる娯楽・賭博の見世物になるだけだ。」
「………」
などと話ながらも、二人はどんどん作業を進めていた。
最初は下着のブラジャーとパンティーの様々な色の大まかな布の形を複数枚作成する。
それから製作できた、この "試作品" を次の陸堂瑛のもとに送られることになる。
△▲
次回に続きます。
【商品開発】
[試作品]
1.発案者:陸堂瑛
2.布・形作成:四豊院奏・七照院燕彦
●『アブソリュート=ゼロ』(掲載)
3.装飾品・プリント:陸堂瑛・陸堂翼
●『アウターマウカー』(掲載)
4.確認・試着:六甲院美咲・六甲院美幸
●『???』
以上、予定進行中