29.B【黒い影:05】
皆さん、お久しぶりです。
今回のは、少し危険な内容になっているので、ご注意ください。
▼▽ (05)
非常に重要な場所の早朝で
そのとある場所で、とても綺麗で長い黒髪に翡翠色の綺麗な瞳をした可愛い童顔の美少女が、新品の女性用の黒いスーツを着て、漆黒の大型の鎌を持って立っていた。 その彼女の隣には、何故かあの男性死神の『ミドウリン』が、同じく漆黒の大鎌を持ちながら並んで立っていた。
その彼女の名前は『オスエ』と言う。 女性死神であり、『死神反逆者同盟協会』の日本支部に所属していて個人番号はNo.99なのである。 この彼女の名前をつけた名付け親が、あの四豊院奏であり、No.99の末番号からきているそうだ。
どうやら、この二人が誰かをここで待っているようだが、ここでオスエがミドウリンに話しかけてきた。
「……」
「果たして本当に来るのでしょうか?」
「一応、約束は取り付けている。 たぶん来ると思う。」
「そうなんですか。 では来るまで待ちますか?」
「ああ、もうすぐ来るはずだからな。」
「はい、判りました。」
そこで死神二人が、この待ち合わせ場所で静かに誰かを待っていた。
◆◇◆
日本の大阪府の某所
ある日の早朝、ある古いアパートの一室にて
その四畳半の部屋の真ん中に布団を敷いて、ある長身の男性Aが一人、静かにぐっすりと眠っている。
その長身の男性Aは、とても奇妙な恐怖の夢を見ている。
普通に彼が起床して、いつもの藍色のスーツに着替えて身支度を整えて、仕事ができる準備をして、そのまま部屋を出ていった。
自分が働いている会社へ普通にいつも通りに通勤していく。 ここまでは全くもっていつも通りなのである。
だがしかし、会社に向かう途中で……今日は普通ではない出来事が起きていた。
なんと、会社に向かう途中にあるはずの某警察署が突如として、爆発していたのだ。
「……えっ!?」
すると、爆発・崩落した某警察署の建物の大きな破片・瓦礫が、物凄い速度で、その長身の男性Aの所まで向かって飛んできた。
「……うっ!?」
だがしかし、最も重要な事は……そこではなかった。
するとなんと、その長身の男性Aの背後から突如として、謎の黒い人影が現れて、その謎の黒い人影の左手が鋭い刃に変形して、その長身の男性Aの腹部を後ろから真っ二つに斬り裂いた。
「ぐおぉっ!!」
その長身の男性Aの上半身が前方に倒れて、続いて下半身が後方に倒れて、そこから大量の血液が放出されており、地獄の致命傷を負った彼が、そこで意識を失った。(失血死?)
◆◇◆
「うわあぁーーっ!!!」
その長身の男性Aが、自分の叫び声で目が覚めて飛び起きた。
ここはいつもの自分が暮らす古いアパートの四畳半の部屋の中央に敷いてある布団の上である。
「こ、ここは……俺の部屋……」
彼が周りを見渡す。 だが…間違いなく、ここは自分の部屋である。
「い、今のは…夢か……?」
彼の身体中は汗でぐっしょり濡れている。 今のは悪夢か…予知夢か……?
その長身の男性Aは明らかに凄く動揺している。
「お、俺は…死ぬのか……? いつ…死ぬのか……?」
彼が今見た夢の内容を必死になって思い出そうとする。 すると、だんだんわかってきた。 まず日時は今日から四日後の早朝の通勤途中の某警察署の近くの通りで、その某警察署の建物が突然爆発……爆風と爆発の衝撃による大きな破片・瓦礫が、その長身の男性Aの方に向かって、物凄い速度で飛んでくる。
それが彼の凄惨な悲劇の死の運命の最初となる。
「お、俺は…人生の敗者ではない! 絶対に…死んでたまるか! そうさ、死んでたまるかぁーーっ!!」
だがしかし、この悪夢・予知夢を見た者は、例外なく…誰も助からない。
彼もそのデスリストに載ってしまい、果たして本当に助かるのか……?
ちなみに、この茶髪の男性Bとは、全くの別人であり赤の他人であるが、同じ日時・同じ場所・同じスイッチで殺されることが、既に決定されている。
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次回に続きますが、また機会があれば投稿・更新します。