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アブソリュート=ゼロ ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
B.【四豊院奏の最終報告書編】
117/132

28.B【黒い影:04】

前回の続きからです。


  ▼▽ (04)


 なんと…突然…地球の護り神〈アクナディオス〉が意味不明な不思議な踊りを踊り出した。


「ふふふ、こうしておけば…我に全ての攻撃は通用しない。 さて、この先一体どうする?」


 どうやらこの不思議な踊りには、相手の攻撃を全て受け流し受け付けないようである。 だがしかし、その見た目の気持ち悪さから、進んで攻撃しようとする者もあまりいないはず。


「うわっ、気持ち悪い……」

「な、なんだ…こいつ……」

「ば、バカなぁ!? なんだ…この動きはぁ……っ!?」

「ちっ、ふざけやがって!」


「………」


 だがしかし、ここで男性死神・No.019の『ミドウリン』だけが、冷静沈着に無表情な感じで見つめていて反応しなかった。


「ふふふ、さすがは死神…無反応とは…なかなかやるよね。」


「………」


「…では…()()で…どうかな…?」


 ここでさらに、地球の護り神〈アクナディオス〉が…その不思議な踊りを…より速く激しく踊り出してきた。 その為、見た目以上に…さらに気持ち悪さが増してきて、実際にはあんまり見ていられない……のだが、


 もしかしたら…()()が狙いなのかもしれない…?


「…キモいって言うの!」

「ホント…一体何なんだっ!? コイツはぁ!?」

「…ちっ、コイツは一体何がしたいんだっ!?」

「ああ、そうだな……ん?」


「……っ!!?」


 するとなんと…踊ってる地球の護り神〈アクナディオス〉の黒い身体が突如として、強く激しく光だしてきた。 しばらく輝き(まぶ)しすぎて、本当に何も見れなくなってしまった。


「……しまったっ!!?」

「…うっ、眩しいぃ!!?」

「…な、なにっ!!?」

「…うわぁっ!!?」

「…ちぃっ…」


「…では…さらばだ…」


 そこで奏たち四人が…その強く激しい光によって、たちまち目が(くら)んでしまい、しばらくしてから光が消える頃には、地球の護り神〈アクナディオス〉の姿も消えていた。


「……いない……っ!!?」

「くそっ、奴は…一体何処に行ったんだっ!!?」

「…ちっ、まさか…あんな逃げ方をするなんて……マジで油断したぜっ!!」

「くそっ、すぐにあとを追わなければ……っ!!」


「もう…追わなくていいです。 それよりもこの病院内にいる人間全員の安否の確認をお願いします。」


「……ん」

「…そうだな…わかった…」

「確かに…そちらの方が先か」

「それじゃあ、すぐに確認してくるわね。」


(…やっぱり…逃げられたか…)


 その後で奏たち四人が、この病院内をくまなく確認したが、行方不明者はおらず全員生存確認、また特に異常な事や物もなく…不審者もいなかった。 どうやら『ミドウリン』が、地球の護り神〈アクナディオス〉に逃げられることも見越していて…何かやったようである。


 さすがといったところか。


 一方の地球の護り神〈アクナディオス〉は、この病院の屋上で…特に何もしないで逃亡したということか…? 本当に一体何の目的があって、ここまで来たのか…全く意味不明である。


 そして、院内全部を確認し終えると、そのまま奏たち四人は帰宅していった。






 日本のとある地方の某所


  ある日の朝


 日本の東北地方にある総合病院にて、ある一人の少女Aが入院していた。 ただの定期検診の検査入院なので、約4日ほどで退院できるのだが、既に私服に着替えた少女Aが退院の準備をしていた。


「………」


 その少女Aが病室の窓際にあるベッドの横に立っており、そこから窓の外を眺めていて、窓の外の右側に見える大きな枯れ木の枝についている枯れ葉を見つめていた。


「さぁー、もう行くわよ」

「はーい、今行くー」


 そこに病室にいた少女Aの母親が後ろ姿の娘に声をかけてきて、自分の荷物を持った娘が踵を返して後ろを振り向いて、母親のもとに歩いていき、入院していた病室を出ていった。


 どうやら少女Aの検査結果に異常はなかったようである。




「………」


 その頃、この総合病院の屋上には、複数体の〈アウターマウカー〉(ステージ3)が無表情で、この病院を出ていき帰宅していく、少女Aと母親の後ろ姿を静かに無言で見つめていた。




   ◆◇◆




 日本のとある地域の某所


  ある日の昼前


 ここは都会の駅近に並んである高層ビルの上階のあるフロアで、オフィスに向かう途中の廊下を一人の美女が漆黒の女性用スーツを着て、黒いハイヒールの音を立てながら歩いていた。


 その女性の容姿とは、身長が約163cm位の翡翠色のとても綺麗な長い髪、翡翠色の虚ろで綺麗な瞳、その漆黒の女性用スーツの上からでもわかる位のとても大きな胸にとても形の良く美しいお尻、スラッと伸びた細長く綺麗な両足、とても美しく形の整った何処か哀愁のあるお顔、何処をどう見ても絶世の美女なのである。

 ちなみに肌の色は、普通の一般女性の肌とほぼ同じで、とても透き通った綺麗な美肌である。


 この女性には、漆黒のカバンと茶色い封筒を持っていて、その中には…何かの資料・書類が複数枚入っているようである。


 お尻を可愛く振りながら、非常にゆっくりと美しく、ハイヒールの音を小刻みに立てながら、リズミカルに歩いている。 見た目、バリバリのキャリアウーマンみたいな感じである。


 するとそこに―――


「佐々崎さん、例の依頼どうなりましたか?」


 彼女の背後から男性の声がしてきて、立ち止まり後ろを振り向いて見てみると、ビシッと紺色のスーツを着たイケメン男性が立っていた。


 とても美しく透き通った音色の声で返事をした。


「はい、今…控訴中です」

「やっぱり…控訴するのか?」

「はい、今回の判決に納得いかないから、最高裁まで争うつもりだそうです。」

「でも…判決は(くつがえ)らないんだろ?」

「はい、現状では…なんとも……」

「それでも…やるんだろ?」

「…依頼人の希望ですから…」

「そうか、大変だね。 理緒ちゃんも…まぁ、頑張って!」

「はい、判りました。」

「じゃあ、また近いうちに…ね」

「はい、失礼します。」


 そう言うと、そのイケメン男性が踵を返して振り返り、そのまま歩いて立ち去った。 彼女の方も先を急ぐように、また歩き出した。


 その美女の名前は『佐々崎理緒』、(見た目の)年齢が20代後半、職業は『弁護士』である。 だがしかし、彼女はただの普通の人間の女性ではない。


 〈アウターマウカー〉(ステージ4)


  △▲


あの女性がもし仮に……〈アウターマウカー〉(ステージ4)なら、既に人間社会に相当溶け込んでいる!?


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