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アブソリュート=ゼロ ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
B.【四豊院奏の最終報告書編】
115/132

26.B【黒い影:02】

  ▼▽ (02)


 日本魔法学部第四高校


  ある日の夕方


 校内にある生徒会室では、生徒会役員の三葉院真純(会長)と三葉院将和(副会長)と遠藤惣四郎(会計)と四豊院奏(書記)の四人が最後まで作業と後片付けを同時にこなしていて、そこから誰ともなく話しかけてきた。


「ねぇ、奏。 あなたにちょっと聞きたいことがあるんだけど……ねぇ。」

「一体何なのかしら?」

「あなたってさぁ、死んだ魂を復活させられるの?」 

「……えっ!?」

「だから、あなたは死者を復活させられるのかってこと?」

「……はぁ!?」

「……ゲームかマンガの見すぎ…なの? そんなの現実には、いかなる能力を持った一流能力者であったとしても、一度死んだ人間を甦らせるなんてこと出来ないわよ!」

「そんなの当たり前じゃないか。 何を言ってんだ? 真純」

「………」

「…何かの小説の読みすぎですか? 会長」

「まあ、ここ最近は忙しいからな。 現実逃避したい気持ちも解らなくもないけど…。」


「なんか…凄い言われようだね。 ただ疑問に思っただけよ。 人間でも死者を復活出来るのか…をね。」

「生物は生まれた時に、既に寿命が決定しているわ。 誰もこの決定を(くつがえ)すことなんか出来ないわ。 だから、死者蘇生の力なんて…この世には存在しないはずよ。」

「確かになるほどな」

「…むむむ…」

「一体何故、そんなことを聞く? 真純」

「…別にぃ…」

「……?」


 などと雑談しながら、同時に作業と後片付けも続けていた。






 日本のとある地方の某所


  ある日の昼頃


 日本の東北地方にある総合病院にて、ある一人の少女Aが入院している。 …とはいっても、ただの定期検診の検査入院なので、約4日ほどで退院できるそうだが―――


「………」


 その少女Aが病室の窓際のベッドに寝ており、そこから窓の外を眺めていて、窓の外の右側に見える大きな枯れ木の枝についている枯れ葉を見ていた。


「…あ…」


 するとそこに、冷たい突風が吹いてきて、枯れ葉を強く揺らしており、その枯れ葉が枝から離れてヒラヒラ落ちていった。 落ち葉となって地面についた。


「………」


 まるで余命(いく)ばくもなく大病を患っている少女を演じているけど、ただの定期検診の検査入院である。


「ねえ、調子はどう?」

「……あ!」


 そこに入院している少女Aの友達でもある、別の少女Bが病室まで現れていて、少女Aの様子を見に来ていた。


「今のところ、特に問題なさそうだよ。」

「やっぱりね。 検査入院なんて大袈裟なのよ。」

「まあ、いつものことだから」

「まあ、なんにしても()()えずは良かったわね。」

「うん、そうだね」


 その少女Bが病室に入り、少女Aが寝ているベッドのすぐ横にある椅子に座り、少女二人が仲良くお喋りをしていた。





『フッフッフッ』


 一方で総合病院の屋上には、不気味な黒い人影が宙に浮いていて、不敵な()みを浮かべていた。





  ある日の深夜


 その総合病院の誰もいない屋上で、不気味な黒い人影が宙に浮いていて、まだ不敵な()みを浮かべていたのだが―――


『フッフッフッ……フッ?』


 何か不審に思った、その不気味な黒い人影が後ろを振り向いて見てみると、そこになんと、あの七照院燕彦と四豊院奏の二人が立って現れていた。


「今夜は一体誰の魂を()らうのだ…?」

「ヤッホー、元気ぃ~?」


『……ナンダ、オマエラ?』


「私の名前は七照院燕彦だぞ」

「ボクの名前は四豊院奏だよ」


 その自分の異様な姿を見ても―――


『………』


 ただ普通に自己紹介してくる燕彦と奏の二人に、この不気味な黒い人影が無言で驚愕している。


「それでお前の名前は…?」

「一体誰なのかしらね~?」


『………』


 今度は燕彦と奏が、その不気味な黒い人影に質問してきたのだが、無言のままで答えてくれない。


 するとそこに―――


「おいおい、せっかく彼らがお前の質問に答えているのに、お前の方はシカトかよ?」

「まあ、仕方ないよね」

『……ッ!?』


 なんと…また後ろの方で声がして、不審に思って後ろを振り向いて見てみると、この不気味な黒い人影の背後で、今度は八陀院凌と八陀院蒼依の二人が立って現れていた。


『……ナンダ、オマエラ?』


「僕の名前は八陀院蒼依だよ」

「俺の名前は八陀院凌だぞ」


『………』


 こちらの凌と蒼依の方も、自分の異様な姿を見ても、ただ普通に自己紹介してくるのを見て、またしても無言で驚愕している。


「それで君の名前は…?」

「おいおい、こっちはわざわざ自己紹介しているのに、お前の方は相変わらずシカトかよ?」


『チッ、ナンデオマエラニ我ノ名前ヲイワナケレバ、ナラナイ……イウ必要モ義理モナイ』


 するとそこに―――


「いいや、お前さんは絶対に言わなければならない! この私がいる限りはな!」

『……ッ!?』


 なんと…その声がした方を振り向いて見てみると、今度は不気味な黒い人影の左側に、男性死神・No.019の『ミドウリン』が、右手に漆黒の大鎌を持って立って現れていた。


「そろそろ喋ってもらおうか! お前さんの名前を!」

『オマエハ…ミドウリン…カ』

「ふっ、残念だけど、彼らにはお前さんの()()を教えているから無駄なのさ。」

『ソウカ……()()ハオマエノ()()カ』


 ここで不気味な黒い人影の周囲には、この『ミドウリン』と奏と燕彦と凌と蒼依の五人が取り囲んでいた。

 取り囲まれていた不気味な黒い人影にとっては、まさに "四面楚歌" 状態である。


『チッ、邪魔ヲスルカ?』

「ふっ、当然だ……お前さんの好きにはさせんぞ!」

「…悪いけど、ここで終わらせるわよ」


『ドウヤラ…我ハオイツメラレタヨウダナ…ダガナ…目的ヲハタシ撤退スルコトニハ、カワリナイノダ!』

「いいや、逃がしはしない! 必ず止めてやる!」


「もちろん、その通りだぞ」

「さあ、逃がさないわよ」

「……倒す……」

「やれやれ、僕は戦闘向けの人間ではないんだけどなぁ~」


 そこで双方の言い分がぶつかり合い、口論になる。


「さあ、この私たちと勝負だっ! 〈アクナディオス〉よ!」

『タカガ…死神ゴトキガ、コノ地球ノマモリ神ニ…カテルトオモッテイルノカ…ッ!?』


 こんな場所で遂に、激闘・激突必至なのかっ!?


  △▲


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