O.あの陸堂瑛の麻雀列伝
短編集 その壱
俺の名前は陸堂瑛だ。
現在は日本の高知県にある日本魔法学部第七高校と言う、魔法を学ぶ学校に通学している。
この魔法と言うモノは、なかなか扱いにくいモノであり、実際に使用するとなると、魔法力と言うエネルギーがかなり必要になるし、個人差もある。
この俺が生きている時代では、様々な魔法が発達していて、世界の人口のおよそ三割から四割ぐらいは、色んな魔法が使える者がいるらしいけど…。 まぁ、この俺にはあまり興味がないけどな。
だけど残念ながら、今回の話は魔法についての話じゃあないぜ。 まぁ、魔法についての話はまた今度にしておくよ。
ズバリ、今回は麻雀についての話である。
最もあくまでも趣味のつもりでやり始めたけど、これが自分の中で大ヒットして、ついつい癖になってしまった。
それとな、もの好きなヤツもいるもんで、麻雀好きな連中がこの魔法学校には揃っている。
その中でも、なかなかの強い者や得意な者、特に実力や技術などの高い者を魔法学校の中だけのヤツで、少しだけ紹介するぜ。
そこで下記の表は、日本の魔法学校を限定とした、現在までの麻雀の強さと勝率を順位にしたモノである。
〈ランキング〉
1.八陀院凌 P:999 T:99% 運:C
(日本魔法学部第二高校)
2.陸堂瑛 P:722 T:72% 運:S
(日本魔法学部第七高校)
3.七照院燕彦 P:707 T:71% 運:C
(日本魔法学部第三高校)
4.一珂院撩 P:702 T:70% 運:B
(日本魔法学部第一高校)
5.三葉院将和 P:698 T:69% 運:B
(日本魔法学部第四高校)
6.神柴渉 P:675 T:67% 運:D
(日本魔法学部第三高校)
7.夜内精太郎 P:655 T:65% 運:D
(日本魔法学部第一高校)
8.九道院将晴 P:633 T:63% 運:C
(日本魔法学部第五高校)
P…ポイント (実力の数値化)
T…勝率 (対戦データは魔法学校内の戦績)
運…運の高さ
S…最強
A…非常に良い
B…少し良い
C…普通
D…少し悪い
E…非常に悪い
だいたいこんな感じである。
やっぱり凌のヤツがダントツに強く、その下に俺や燕彦や撩などが、なかなか強く競り合っている感じだな。
さーて、今回のお話は…あの名勝負の八陀院凌.V.S.御城井宰…とのサシの勝負をお話するわけなんだが…。
えっ、俺の話じゃないのか? って…そんなバカな! 誰が俺の話をすると言ったのだっ! だけど残念ながら、俺の出番はまだまだ…先の話だぞっ!
それで…この御城井宰…ってヤツについては、日本の麻雀界でもトップをゆく超エリートのサラブレッドだぞ。 これまでも数々の麻雀大会に出て優勝経験があるからな。 最も今回の『麻雀世界大会』では、本大会の出場は決めたものの、予選落ちで終わってしまったがな。
だがしかし、その前になんと…あの八陀院凌と対決していたんだよ。
一体何処で知ったのか、知らないけど、
そのつかさが最終調整のつもりで、魔法学校で一番強いとされている凌に会いに来ていて、麻雀仲間のケイコとユウコを伴って、凌と半荘麻雀で勝負することになった。
ある日の未明、とある麻雀が出来る施設にて
その施設の中には、八陀院蒼依と八陀院凌、御城井宰とケイコとユウコの五人がいて、麻雀卓の席に座るのが、凌とつかさとケイコとユウコの四人である。
蒼依は凌の背後の椅子に座って静かに黙って見ている。
「宜しくお願いします。」
「ああ、ヨロシク」
東一局
初手から、つかさの配牌・ツモ牌はとても良く、五巡目であっという間にタンヤオをテンパイした。
「…!」
「ツモです」(トン!)
そこですぐに、つかさが手牌を倒して、ツモアガリを宣言した。
「タンヤオ、1000点です」
「……」
早速のツモアガリで先手を取って、まずはつかさが一歩リードする。
東二局
ここでも、つかさの配牌・ツモ牌共に、とても良好・好調であり、既に四巡目でタンヤオをテンパイ―――
「それ、ポンです」(カッ!)
そこでつかさが対子の三萬をポンして、副露させて刻子を完成させた。
「それもポンです」(カッ!)
さらにつかさが対子の四萬をポンして、副露させて刻子を完成させた。
「…!」
「ツモです」(トン!)
そこですぐに、つかさが手牌を倒して、ツモアガリを宣言した。
「タンヤオ、トイトイです」
「……」
ここでも、つかさがツモアガることに成功して、またしても一歩リードしている。
東三局
またまた、つかさの配牌が好調でツモ牌の流れも良好で、早速だが、すぐに四巡目で中の刻子のみの手で、素早くテンパイした。
「リーチです」(カチャ!)
そこですぐに、つかさが捨て牌を横に置いて、リーチを宣言して、リーチ棒も置いた。
「へぇ~~ やるなぁ~~」
「……」
「よーし、来ました!」
すぐ次のつかさの番のツモで、なんとアガリ牌を引き当てると―――
「…!」
「ツモです」(トン!)
そこですぐに、つかさが手牌を倒して、ツモアガリを宣言した。
「リーチ一発ツモ、中ドラドラ!」
「……」
ここでも、つかさは絶好調なツモアガリを見せており、三連荘でアガリ続けている。
その抜群の安定感とツキの流れにツモ牌の良さ、今回もまさにここまで順調に進んでいる。
つかさは完全に気分を良くしていた。
だがしかし、そこで蒼依が密かに懸念する。
まさしく…ここまで順調なんだけど、次が東四局…凌の親番…か。
そして、東四局
この局でも、つかさは配牌もかなり良く、またツモ牌の流れも順調であり、早速だが、もう五巡目で白の刻子を完成させてテンパイした。
「……」
(よし、テンパイしました)
そのつかさが今回はリーチもせずに、そのまま "ダマ" で待ち続けている。
※ "ダマ" とは、テンパイしたのにリーチもせずに、黙って場を進めること。
そこで次の番のケイコが安牌だと思って一萬を捨てた。
だがしかし、突然―――
「…ロン!」(トンッ!)
そこになんと、凌がロンを宣言して、自分の手牌を倒した。
「…えっ!?」
「国士無双…役満だ!!」
「……えぇ……えぇえぇーーーっ!!?」
なんと…凌の親の役満・国士無双がケイコの一萬に炸裂して、点棒48000点のダメージを与えた。
「あわわ……わ…私、ハコテンですわ……!」
振り込んだケイコは、点棒48000点を支払えずに、ハコテン(点棒の支払い不能)になって、凌の見事な勝利…東四局で終了した。
「やっぱり…凌に親を渡すことは……」
蒼依がそれ以上…何も言わなかった。
「まさか…こんなに早く役満だなんて、いくらなんでも……」
まさにそうなのである。
東四局開始直後、わずか六巡目で役満・国士無双をテンパイ……。 そして、すぐにロンアガリ……。 それは最早…神懸かっている? もしくはイカサマ…? ぐらいにしか……思えない。
「…俺の勝ちだな…」
「……っ!」
「凄く強いですわ!」
「もう一回勝負ですわ!」
「いいだろう、もう一勝負だ」
「……」
蒼依が心の中で「無駄だよ」と思っていた。
再び東一局からの半荘麻雀を開始するも―――
その後も何度も半荘麻雀勝負をするのだけど、結局は御城井宰が八陀院凌に一度も勝つことができなかった。
「…ぅ…うそ……っ!?」
そんな魔法学校でこんなに強いヤツがいることに、初めて気づき知ったのだ。
だけどな、これほど麻雀が強いヤツなのに、凌の奴はそれほど名の知れた男ではなく、ほとんど無名のままなのだ。
【登場人物紹介】
[簡易型]
今回登場したつかさの簡易的な紹介をする。
○●
名前:御城井宰
奈良県出身
年齢:18歳 (高校3年生)
星座:蟹座
身長:161cm
所属:麻雀部の部長
趣味:麻雀大会の参加
備考:京都府にある超名門の某女子高に通う強運の少女、機転が利き数々の麻雀大会に出場しては好成績を残している。 好きな男性のタイプはとにかく麻雀が好きでとても強いこと。
3S:B82/W58/H83
属性:麻雀大好きっ娘
○●
まだ続きますが、完全なる不定期投稿です。
ではまた何処かでお会いしましょう。
さようなら




