21.B【文化祭:4】
▼▽ (21)
文化祭の前日、ある日の夕方
日本国内の某所から日本魔法学部第三高校の生徒である、伊斑兎萌と鏡嵜智夜と榎口恵璃と暁哲子と七照院唯美と神柴渉の六人が、京都府内にあるセイントアリオス女子高等学院に到着していた。
そこで受付嬢から特別な手続きを行い、男子である渉まで校内に入れた。
早速だが、麻雀部室にいる麻雀部員の姫岸沙羅と鳩邑紗希と西宮原美琴の三人娘と合流する。
今夜は前夜最後の打ち合わせの為に、参加者の全員が集合して協力する。
ここでは文化祭の参加者たちが、例の「文化祭用」の短いスカートのウェイトレス型のピンク色のメイド服を着ていて、衣装合わせやカフェの準備などをしている。 そこで「文化祭用」とは、露出度が高く、頭にはネコミミがついたものになっている。
何故、ネコミミ…?
それは麻雀部室の模様替えを「文化祭用」に変えており、子猫が自由に遊べる室内になっていて、それに合わせてネコミミメイドにした。
ちなみに子猫の提供には、陸堂家の四匹の子猫が持ち込まれており、陸堂瑛と陸堂翼の兄弟二人も飼い主として、一緒に麻雀部室に来ている。
勿論だが、飼い主同伴のもとで、今回は特別に子猫の校内への持ち込みが許可されている。
にやぁー、にやぁー♪
出張した子猫たちは、相変わらず部室の中を走り回ってたり、物にじゃれて遊んでたりして、部室から外に出ないようにしてある。
にゃおー、にゃおー♪
今回の麻雀部の催し物には、"麻雀" ・ "子猫" ・ "メイド" ・ "カフェ" と言った、色々な属性を繋ぎ合わせたものになっている。 どうやらこれで今回の文化祭 "女王アリオス祭" を乗り切るつもりらしい。
一方で部室の一番端の隅の方で、瑛と翼の二人が、腕組みをしながら邪魔にならないように立っている。 あくまで彼らの仕事は子猫のレンタルのみで、当然だが、力仕事や雑用などは手伝っているけど、あとはあまり関与しないようにしている。
最も瑛と翼の二人は、この学校に来るのが今回が初めてではなく、既に何回か来ている、お得意様みたいな感じである。
その瑛と翼の二人が、周囲の様子を見ながら、何気なく話し合っている。
「なかなか賑やかですよね。 まだ準備の段階でも、皆さん、とても楽しそうですよ。 瑛」
「…あぁ、そうだな…」
「…文化祭…ですか…」
「…ん? 何か興味でもあるのか…? 翼よ」
「…いいえ、特には…」
「……」
などと兄弟二人でつまらない話をしていると、そこに渉が一人で、瑛たちの所までやって来て話しかけてきた。
「あっ、どうもお世話様です。 瑛さん、翼さん」
「はい、どうもお久しぶりですよね。 渉くん」
「…あぁ、渉か…」
「あの子猫たちは、確か…瑛さんたちの子猫ですよね? 自宅から持ってきたのですか?」
「はい、その名も出張レンタル子猫サービスです。 なかなか好評ですよ。 ね、瑛」
「あぁ、そのようだな。 まぁ、自分たちの食事代を稼ぎつつ、ここでは "ただメシ" が食えて一石二鳥ってやつだな。」
「ははは、そうですね。」
「…な、なんか結構…シビアですよね…。」
「あぁ、その通りだ…渉よ」
などと渉が加わって三人になっても、相変わらずつまらない話をしている。
◆◇◆
夜も遅くなってきて、兎萌と智夜と恵璃と哲子と唯美と沙羅と紗希と美琴の八人が、明日の本番に備えて、例の「文化祭用」のウェイトレス型のピンク色のメイド服を着ていて、今から慣らしている。
ちなみに服の色は、参加者が全員女子だけなので、全てピンク色で統一されている。
智夜が兎萌たち女子と、楽しそうに夢中で話をしていて、智夜の背後に渉がいるのに、全く気がついていない様子。 するとそこで何かの拍子に、智夜が踵を返して振り返り歩こうとすると、背後にいた渉とぶつかってしまった。
どんっ!
そこでまず渉が後方に倒れてしまい、その渉の上に智夜が倒れてきた。
「きゃああぁっ!」
「うわああぁっ!」
ドサドサッ!
ムニュ、ムニュ
その二人が倒れた拍子に渉が智夜の胸を揉んでしまい、さらにスカートが短い為に倒れた拍子にスカートがめくれて、智夜の蒼色リボンに白色と水色の縞模様のパンティーが見えていた。
「むう、またですか…。」
「いや、ちょっと……!」
(明らかに俺は不可抗力だ!)
またお約束である。
智夜が頬を紅くして渉が困惑していると、倒れた智夜を瑛がお姫様抱っこで起こし立たせてくれて、その後で翼が手を伸ばし渉を起こし立たせてくれた。
「おい、大丈夫か?」
「…は…はい、だ…大丈夫…です。 どうも…ありがとうございます…。」(素敵です♪)
「…おう、そうか…」
「…大丈夫ですか?」
「…は…はい、なんとか…大丈夫です。 あ…ありがとうございます…。」(助かった!)
「いえいえ、それでは…」
そこで智夜が顔を紅くして恥ずかしそうに瑛にお礼を言い、渉の方は少し疲れ気味な様子で翼にお礼を言っている。
「智夜ちゃん、大丈夫?」
「ええ、なんとか……」
そこに兎萌たちもすぐに智夜を心配しに来ている。
瑛と翼の冷静紳士ぶりは相変わらず健在であり、周囲にいた麻雀部員の女子生徒たちも、うっとりした感じで羨ましそうに見とれていた。
◆◇◆
深夜になって徹夜で文化祭の準備をしていて、眠くなるのを必死に我慢して作業をしている女子生徒が結構沢山いる。
勿論だが、今夜は学校に泊まり込んでの作業となり、両親に連絡したり、申請して許可をもらったりして、学校に宿泊する女子生徒も多い。
まさに最後の追い込みなのである。
当然だが、他のクラスや他の部などでも深夜まで徹夜して、文化祭の準備やそれに関係する作業をしていて、寝ないで頑張る女子生徒も少なくない。
だけど瑛と翼と渉の三人は、文化祭には直接関与していないので、校内に別室が用意されていて、そこで待機している。
「さて、少し休むか。」
「はい、そうですね。」
ちなみに休息・仮眠がとれるようにしてある。
やがて麻雀部での文化祭の最終確認もようやく終了して、その麻雀部員が他の手伝いに行ったり、少し休憩したり、仮眠をとったり、子猫のお世話をしたりして、しばらく時間を潰している。
「はぁー、疲れたぁー」
「もうダメ、少し休む」
「超眠い……」
あと兎萌たち第三高校の女子生徒も、くたくたに疲れて休んでいる。
こうして夜が明けてきて、
京都府内にあるセイントアリオス女子高等学院の文化祭。
その "女王アリオス祭" の当日の朝を迎える。
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