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アブソリュート=ゼロ ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
B. 【陸堂家の子猫編】
104/132

16.B【反逆者:5】

前回から少し間があきましたけど続きです。


  ▼▽ (16)


 京都府の某所にある総合病院


  ある日の夜


 病院内のある個室の室内にあるベッドで、ぐっすりと眠る少女を横の椅子に座る鳩邑(はとむら)紗希(さき)が静かに見つめていて、手には麻雀牌の "(ハク)" を持っている。


「どうやら…それほどの怪我(ケガ)ではないようね。 不幸中の幸い…と言うことね。」


 ベッドで寝ている少女は、何者かに(キズ)を負わされていて、救急車で病院に運ばれてきた。 つまり、彼女は今回の暴行傷害事件に巻き込まれた被害者である。


 それから、紗希がさっきから、ずぅーと少女のことを看病しているようだが、この二人の関係はよく解らない。


「この程度の(キズ)なら、数週間で良くなると思うけど、まだ犯人が逮捕されていないわ。 …凄く心配だわ。」


 さらに夜も遅く()けてきて、紗希は担当の美人看護師と一緒に、少女の病室のすぐ近くの別室にて、ゆっくりと身体を休めていて、ぐっすりと眠っている。


「……おやすみなさい」


 そして、その少女を暴行して(キズ)を負わせた犯人は、未だに逮捕されていないようだが…っ!?



   ◆◇◆



 和歌山県にある陸堂家の自宅


  ある日の夜


 現在はご主人様である陸堂瑛や陸堂翼をはじめ、人間はこの家には誰もいない。 (※葉月恋奈と柏橋伊鈴と姫岸(ひめぎし)沙羅(さら)の三人も既に帰宅している)


 にやぁー!


 アキラたち子猫や子犬たちも、今夜のエサを食べ終えていて、もうお腹いっぱいで、そろそろ自分たちの専用部屋に戻り、もう眠くなったので、寝る準備をしている。


 にやぁー、もうー、寝ようかにゃー。 ご主人様も今夜は仕事でいないしー。 にやぁー♪


 ふにゃぁー♪ おやすみにゃぁー♪ ―――ZZZZZ……


 陸堂家の自宅では、夜遅くになると、自動的に電気が消えるように設定されていて、アキラたち子猫や子犬の全八匹が、ようやく深い眠りにつき、こうして一日が終わる。



   ◆◇◆



 和歌山県にある某所のホテル


  ある日の夜


 県内のホテルに数日間滞在している、一珂院三兄弟の恭、撩、翔の三人がホテルのロビーにあるソファーに座り、誰かが来るのを待っていると、そこに陸堂瑛と陸堂翼の二人が現れて、一珂院三兄弟の所までやって来た。


 瑛と翼の二人がロビーのソファーに座ると、撩たち三人が気がついて話しかけてきた。


「……来たか? 瑛よ」

「ああ、来たぞ。 撩よ」


「皆さん、どうもこんばんは、です。」

「はい、こんばんは、です。」

「おう、よく来たな。 二人共、元気だったか?」

「はい、おかげさまで」


「…で、その犯人はもう捕まったのか…?」

「いや、それがまだなんだが、少し奇妙なことが起きているそうだぞ。」

「…奇妙なこと…?」

「ああ、その容疑者とは "一人だけ" ではないようだぞ。」

「なるほど、複数犯と言うことなのか? それにしても、少女一人を襲うのに、大人の男が何人も…っ! なんて卑劣で外道な奴らなんだ!」

「……いや、違う……」

「……ん……何が違う?」


「……『同じ人間が一人だけではない』…と言うことだ……」

「…? …? はぁ? 一体何を言っている? 撩よ」


「確かに何を言っているのか、俺にもよく理解できないけど、事実をありのままに言っているだけだぞ。」

「それって、つまり…『同じ人間が二人以上いる』と言うことですかっ!?」

「…ああ…そうだ…」

「なるほど、同一人物の犯人が複数いるから、それで警察も逮捕できないのか…?」

「……」

「それはもしかして、双子とかクローンとかコピー人間とかではないのですか…?」

「さぁ、どうだろうね?」


「…っ!? まさか…それは "魔法" なのですか…っ!?」


「………」


 翼のこの発言に、瑛や撩たちは急に沈黙して、そのまま考え込んでしまった。



   ◆◇◆



 大阪府にある某警察署


  ある日の夜


 署内の殺人暴行捜査課の室内にある捜査会議室にて、捜査員の刑事たちが今回起きている少女暴行傷害事件について意外にも苦慮・困惑している。


「くそっ!? 一体何なんや!? こりゃあ…っ!?」

「まったく意味わからんわ!? 一体どうすりゃあええんや!? こりゃあ…っ!?」

「なんで、容疑者が四人も……しかも、全員同じ人間やないんかっ!?」

「なんで、指紋、声紋、血液型、DNA……何から何まで全部同じなんや!?」

「ああ、名前、出身地、年齢、誕生日も全部同じや……裏取りももうしとる!」

「それなら、全員逮捕してしまえば…っ!?」

「アホか、全員アリバイがあるんや! 被害者との接点も動機も証拠も何もあらへんのや!」

「それでは、一体どうすれば…っ!?」

「それを今……考えとるんやないかっ!!」


「こりゃあ……また頼るしかあらへんなぁー! あの…『死神反逆者同盟協会』に…!」

「……っ!?」

「この際、警察の威信とか面子(メンツ)とかは関係あらへん! これ以上、犯人を野放しにしとる方が恥や! 被害者も増えてまうし、警察の信用もガタ落ちやなぁー!」

「…だが…しかし…」

「なに言うとるんや!? こんな時に……はよせな!?」

「くっ そうかい、確かに…それしか方法は…ないか…?」

「……どないするんや?」


「………」


 一人のベテラン刑事のこの発言に、他の捜査員の刑事は急に沈黙して、そのまま考え込んでしまった。


  △▲

     ━━━



   【登場人物紹介】

     [簡易型]

 ○●

名前:鳩邑(はとむら)紗希(さき)

和歌山県出身

年齢:15歳 (高校1年生)

星座:魚座

身長:157cm

所属:麻雀部

趣味:麻雀

備考:和歌山県が地元で普通の家庭の娘。 現在は実家から離れて単身で、京都府にある学校寮で生活している。 そこそこ可愛い顔をしている。

週末の連休には、必ず実家に帰っていて、陸堂家にも少し縁(主に麻雀)があって知り合いである。

3S:B79/W57/H83

属性:麻雀好きっ()少女

 

今回は色んな視点で、物事が進行していましたけど、また次回に続きます。


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