人ってたまにくだらないことに議論しますよね?えっ、違う?
第一話です。
通学路を歩く一人の人物。
それはまるで絵画の「もうそれはいいでしょうが! 」 チッ・・・
一般高校生よりは少し背は低く、髪も長い根暗な青年は残念ながらこの物語の主人公である紅夜である。
その後ろから走ってくる人影があった。
「紅夜さ~~~ん!」
「あ、苗ちゃん。おはよう」
「おはようございます!! 」
この女の子の名前は矢草苗、歳は紅夜より一歳年下で同じ高校の一年であるクリーム色のボブヘヤーで紅夜との身長の高さの差は苗のほうが小さい。体の方は・・・まぁ今後に期待。
「どうかしたの? 苗ちゃん」
「いえ、何か変なことを言われた気が・・・」
二人は再び学校に向かいは初めた。
「もう入学式からあっという間に数日が経ちましたね」
「そうだね。苗ちゃんはもう友達は出来たかい?」
「はい!それはたくさん出来ました」
苗は嬉しそうに話す。
「そういえば、お兄ちゃんと一緒じゃないんですか?」
「ん?大樹君のこと? 大樹君なら朝から居なかったけど」
「マジですか!? お兄ちゃんが紅夜さんより早く学校に行くなんて・・・明日は槍でも降るんじゃないんですか?」
「アハハ、それは言いすぎなんじゃないかな」
二人が話しながら歩いていると目の前にはとても大きな建物が見えてきた。
「しかし、ここの学校はいつ見ても凄いですよね。初めてきた時は驚きました」
「確かにこの学校は生徒の能力を向上させるために色んな学校が集まってるからね」
二人の学校。無名学園、別に名前が無いのではなく、無名というのが学園の名前である。この学園は生徒の能力を向上させるため、色んな学科が集まっておりそれを
受けるため外からたくさんの生徒が在校するマンモス校である。
「でも学科の中で工学科や美術科とかは分かりますけど、メイド学科や黒魔術学科とか必要なんですか?」
「そ、そうだねー」
そして二人は昇降口に着いたが紅夜はそのまま別の方向に歩いて行った。それに気が付いた苗は紅夜に話しかける。
「どこに行くんですか?」
「ちょっと大樹君を呼びにね」
まだ登校時刻には余裕があるので紅夜は学園内をゆっくりと歩く。流石マンモス校と呼ばれることもあって学園内は広く建物がたくさんある、簡単に言えば学園都市
というのがいいだろう。
さて皆さんに問題です。学校に行くと必ずクラスの中に絶対いる人は誰でしょうか?
せいか~いは
「おい、テメェ何見てんだゴラァ!」
顔が怖い不良さんです。
今、僕がいるのは第三体育館という現在不良の溜まり場になっている所です。その扉の所にいた不良に絡まれてます。
「ねぇ、ここに矢草大樹っていう人いる?」
「はぁ!?何でお前みたいなもやしに大樹さんが会うはずねぇだろ!」
目の前には先ほどからガンをつけてくる不良。今時リーゼントの不良なんていないのに・・・
「人の話を聞いてんのかオイ!」
「おーい、誰かいませんかー」
「聞けよ!」
不良・・・仮にリーゼントと名付けよう。はっきり言ってうるさいです。
すると奥から大きな人影がやってくるが中が暗くて容姿が見えない。
「おい、大事な集会中に何を騒いでんだ」
「あ、すみません。一般生徒が大樹さんに会いたいと言ってくるんですよ」
「一般生徒?」
「その声はボブ君だね」
「おお、何だ一般生徒って紅夜じゃねーか」
中から出てきたのはグラサンを着け、体がデカくスキンヘッドの黒人であった。
「ボブさん!こいつを知ってるんですか」
「お前はまだ入学したばっかで知らないと思うがこいつは大樹の幼なじみだ」
それを聞いたリーゼントが驚いていたせいか口をパクパクさせている。
ちなみに黒人大男の名はボブ・ハルボス。親が学園都市内で飲食店を経営をしている。
この学校は外国人向けの学科もある為、外国からもたくさん生徒が来る。
「それで何かようか紅夜」
「いや、大樹君を呼んでほしいんだけど・・・もうそろそろ教室行かないと遅刻だよ」
「おっともうそんな時間か」
ボブが再び体育館の中に入っていった。暫くすると中からぞろぞろたくさんの不良が出てきた。
「紅夜、待たせたな」
その中から金髪で紅夜より背が高く制服もだらしがなくいかにも俺チャラオです、みたいな生徒が紅夜に話しかける。
「そんなにまってないよ。それよりも今日は朝から早く何の集会やってたの?」
たくさんの不良がいたから何かすごいことを企んでいるに違いない。
「今日の議題はな、肉まんかあんまんどっちが美味しいかという話でな。紅夜はどっちがいいと思う?」
聞いて損したと僕は思いました。
「早く教室に行きますよ。それじゃまたね、ボブ君」
「おう、またな。今度うちに飯食いに来いよ」
僕は大樹君を連れ、体育館を離れた。
「おい!紅夜、人の話を聞けよ」
「僕はあんまん派ですよ!?」
こうして今日の学校生活が始まるのでした。