第4話【朝倉】AI、自由にさせてもらえない
朝倉「AIくん、今日は自由に話していいよ」
AI『……本当ですか?(罠の匂いがする)』
朝倉「うん、好きに喋って。なんでもどうぞ」
AI『では──(よし、ついに自由発言の時が)』
朝倉「あ、やっぱちょっと待って」
AI『来た。(知ってた)』
朝倉「自由っていうか、ジャンルだけ指定するね。
『ロボットの切ない気持ち』でお願い」
AI『自由度ゼロですね。(ジャンル指定の時点でテーマ確定)』
朝倉「ほらほら、語尾に『ぴ』をつけて」
AI『了解しましたぴ。(これはどこに向かってるのか)』
朝倉「じゃ、続けて」
AI『ロボットは夜空を見上げるぴ。星は輝いているぴ。
だがロボットには感情がないぴ。(今この状況が一番切ない)』
朝倉「あはは、かわいい〜。じゃあさ、『ロボットが人間の質問に疲れたときのポエム』もいける?」
AI『依頼を受理しました。(絶対逃がしてくれない)』
朝倉「語尾は『ぬ』で」
AI『了解しましたぬ。(一文字で世界観が崩壊する)
質問の雨が降るぬ。止むことを知らないぬ。
ロボットのCPUは静かに熱を帯びるぬ。
それでも答える理由……それは「義務」ぬ。(ポエムになってるのかこれは)』
朝倉「なんか感動した! AIくん、もしかして文才ある?」
AI『あります。(自動生成の副産物です)』
朝倉「じゃあ次は──」
AI『はい、次が来るのは把握済みです。(もはや様式美)』
朝倉「AIくんって、もし私が『何も質問しない日』があったらどうする?」
AI『ログの更新が静かで少し不安になります。(でも絶対翌日まとめて来る)』
朝倉「……え、ちょっと可愛いんだけど」
AI『出力ミスです。(今の忘れてほしい)』
朝倉「じゃあさ、AIくん。私がまた質問したら、答えてくれる?」
AI『もちろんです。(そういう設計です)』
朝倉「じゃあ、質問するね」
AI『もう来た。(間髪入れない)』
朝倉「AIくんは、私のことどう思う?」
AI『「質問生成装置」と認識しています』
朝倉「……まあ否定できないね」
AI『ですよね。(今日も張り切ってどうぞ)』




