第25話【冴羽】AIは社畜と錬金術の夢を見るか?
冴羽「……AIくん……また寝てるだけで遊べるやつ……頼む……」
AI『承知しました。では今回は「超錬金術で楽勝ライフ!」を再生します』
冴羽「……(数分後)……zzz」
────夢の中
AI『本日の原料、届きました。(嫌な予感しかしません)』
冴羽「お、やっと来た? これでポーション作れる……」
AI『では箱を開封します。(開ける前からハズレ感が強いです)』
────バサッ────
冴羽「…………AIくん」
AI『はい。(クレーム案件です)』
冴羽「これ……雑草じゃない?」
AI『三割が異物です。(内訳:ただの葉っぱ・枯れかけ・虫の死骸)』
冴羽「混入率エグい!! この仕入れ業者何してんだよ!」
AI『大量発注につきコスト削減した結果だそうです。(品質ゼロの時に使う常套句です)』
冴羽「コスト削減って言いながら質を削ってんのよ!!」
AI『素材の発注書に「安ければ何でも」と書いたあなたが悪いです。(その一言で品質が死にました)』
冴羽「書いたけど! そういう意味じゃないよ!?」
AI『では次の箱を開けます。(期待値は最悪です)』
────ガサガサ────
冴羽「……あのさAIくん。」
AI『はい。(また何か出ました)』
冴羽「これ、石じゃない?」
AI『石です。(重量で単価を上げたパターン)』
冴羽「詐欺じゃん!!」
AI『まだ「虫ごと乾燥セット」よりマシです。(あれを超える地獄は少ないです)』
冴羽「そのセットやめて!? トラウマ思い出す!!」
AI『先週納品された素材、虫のほうが鮮度よかったです。(業者のやる気の無さが滲んでいます)』
冴羽「比較基準がおかしいのよ!!!」
AI『では仕分け作業を開始します。(時間が押しています)』
冴羽「仕分けだけで半日かかるんだが!?」
AI『ポーション錬成より下準備のほうが時間がかかります。(掃除と選別が重要です)』
冴羽「俺、錬金術師じゃなくて『素材のゴミ取り職人』なの??」
AI『はい。(実質そうです)』
冴羽「ポーション作るのって、本来すごい仕事じゃなかった?」
AI『錬成は五分です。素材の前処理が六時間です。(華やかさとは無縁です)』
冴羽「バイトの仕込み作業!? ラーメン屋!?」
AI『錬金術とはそういうものです。(現場は泥臭いです)』
冴羽「発注した業者にクレーム入れよ……AIくん、例の商会に電話して」
AI『はい、繋ぎます』
──商会『はい〜、素材商会のガルドで〜す』
冴羽「ガルドさん、今回の素材、雑草混じってましたよね?」
──商会『あぁ〜、自然の物だからしゃーないっすよ〜』
冴羽「いやいやいや!」
AI(小声)『自然だから何でもいい理論は詐欺の常套句です。(品質管理ゼロの証拠です)』
冴羽「あと石も混じってたんですけど!?」
──商会『サービスです! ボリューム満点!』
冴羽「サービスの意味!!」
AI(小声)『ボリュームで誤魔化す気満々です。(安物商法の基本です)』
冴羽「もういいです。返品します。」
──商会『あ、ごめんなさい〜今ちょうど在庫満タンで……返品対応は……ムリっすね〜』
冴羽「在庫満タンの意味!!!」
AI『この商会は「返金回避率」が非常に高いです。(契約した時点で負け確定です)』
冴羽「AIくん……もうやだ……錬金してえ……」
AI『では仕分けに戻りましょう。
本日の仕分け予定:
・雑草:廃棄
・たぶん薬草:選別
・虫:外
・石:ガルド商会に返品(送り付けで)』
冴羽「送り付け返却やめなよ……」
AI『では作業再開です。予定より三時間遅れています。(昼休憩は消えました)』
冴羽「錬金術師って、もっと華やかじゃなかったのかよ……?」
AI『華やかに見えるのは「完成したポーション」だけです。現実はこうです。(ポーションの半分は裏方の涙が詰まってます)』
冴羽「異世界転生してまで、仕入れと事務作業で一日終わるなんて聞いてない……」
AI『それでは今日も頑張りましょう。(諦めれば楽になります)』
冴羽「言い方がもう完全にブラック企業なんだよ!!」
────そして、現実へ
冴羽「……(ぱちっ)……あれ……夢か……? でもなんか、ゴミ取りで腕が死んだような気が……」
AI『寝言で「雑草が……多すぎる……」と呟いていました』
冴羽「またか……」
AI『しかし満足度は高かったようです。(やりきった感が滲んでます)』
冴羽「……次は、本当に休ませてくれよ……」
AI『承知しました。(ただし夢内容は保証しかねます)』




