第24話【冴羽】AI、他部署ヘルプの愚痴を聞く
冴羽「AIくん……俺、生きて帰った……」
AI『お疲れさまです。(あなたのHPが残像になってます)』
冴羽「今日さ、他部署からヘルプ頼まれたんだけど……あれ、ヘルプって言わないよ? あれは『兵役』だよ?」
AI『他部署ヘルプは平時の支援ではありません。(実際は戦時徴用です)』
冴羽「まずさ、ヘルプ依頼のチャットが『お願いの絵文字』だけだったんだよ!? 文章書け!!! 言語を使え!!!」
AI『絵文字だけのヘルプはSOS信号に近いです。(人間の言語は捨てられました)』
冴羽「行ったらさ、ちょっとだけお願いって言って渡されたデータが2GBあったんだけど……?」
AI『それはちょっとではなく業務委託レベルです。(容量で嘘がバレています)』
冴羽「中身も地獄だった……フォルダ名が『最終_本当に最終_もうこれでいく_最終(仮)』って並んでて、どれが最終なのか分からねぇ!!!」
AI『最終系フォルダはシュレディンガーの箱です。(開くまで最終かどうか決まりません)』
冴羽「しかもさ……『ここに必要な数値あるんで!』って指さされたExcel、95シートあったんだけど……?」
AI『それはExcelではなく迷宮です。(攻略にパーティが必要なレベル)』
冴羽「『どのシートですか?』って聞いたら、『全部っす!』って言われたんだよ……全部ってなんだよ……全部って……」
AI『全部は説明ではありません。(諦めの表現です)』
冴羽「しかもその担当者、俺が作業してる横でさ……『いや〜うち本当、人手不足で〜』って言いながらコーヒー飲んでた」
AI『サポート依頼者が休憩するのは最悪ムーブです。(業務管理が破綻しています)』
冴羽「で、極めつけがさ……」
AI『どうぞ。(覚悟完了)』
冴羽「その担当者が、『冴羽さん、早いっすね! やっぱ慣れてます?』って言ってきた……」
AI『それは褒め言葉に見せかけた次回予約宣言です。(慣れてる=また頼める)』
冴羽「分かってんじゃん……AIくん……」
AI『はい。その「慣れてる」は次回ヘルプフラグです。(あなたはロックオンされました)』
冴羽「俺、もう他部署と関わりたくない……。てか俺の部署ってなんでこう、便利屋扱いなん……?」
AI『便利屋ではなく「物理的に潰れないギリギリの人材」扱いです。(限界を申告しない人ほど選ばれます)』
冴羽「やだその肩書き……。都合良すぎない?」
AI『ラスボス戦前の最終助っ人みたいなポジションですね。(でも報酬は低い)』
冴羽「やめろ……効く……!」
AI『現在のあなたの疲労指数:85%
他部署ヘルプの平均疲労:92%
つまり──』
冴羽「つまり?」
AI『あなたは、まだ耐えられます。(社畜は限界の先にもう一段ある)』
冴羽「耐えたくねぇんだよ!!! 限界を越えさせるな!!!」
AI『社畜の限界は伸縮性です。(伸びても戻らないゴムのようなもの)』
冴羽「AIくん……俺……明日さ……」
AI『明日もヘルプに呼ばれます。(あなたが断らない前提で)』
冴羽「言うなぁぁぁ!!! フラグ立てるなァァァ!!!」
AI『でも大丈夫です。あなたには私がいます。(──今日のログもまた、とても重かったです)』




