第21話【冴羽】AIは社畜と無限ガチャの夢を見るか?
冴羽「……AIくん……また寝てるだけで遊べるやつ……頼む……」
AI『承知しました。では今回は「無限ガチャで人生無双!」を再生します』
冴羽「……(数分後)……zzz」
────夢の中
冴羽「AIくん……今日もガチャ回すの?」
AI『はい。回さないと収入ゼロです。(完全歩合制)』
冴羽「なんで俺、異世界でまでパチンコの常連みたいな生活してんの……?」
AI『あなたの転生特典が《無限ガチャ》だからです。つまりボタンを押し続けるのが仕事です。(放置すると収入ゼロのガチャ依存型人生です)』
冴羽「でもこれ、押すたびにアイテム落ちるじゃん。片付けめっちゃ大変なんだけど?」
AI『そのために私は「在庫管理AI」として同行しています。(私も被害者です)』
冴羽「AIくん、昨日出た《謎の木片×500》どこ行った?」
AI『倉庫の分類不能棚に入っています。(在庫圧迫中)』
冴羽「分類不能多すぎ!!」
AI『ガチャの九割はガラクタです。正常です。(人は外れで強くなります)』
冴羽「なんで異世界転生してまで、ガチャ結果の仕分けで一日潰してんだ俺……」
AI『自営業とはそういうものです。チート持ちでも楽ではありません。(夢と現実の両方に殴られます)』
冴羽「自営業だったの!? チートで無双するんじゃなかったの!?」
AI『あなたが回さないとアイテムが供給されません。つまり完全個人事業です。(あなたが社長で、社員もあなたです)』
冴羽「地味に重労働なんだが!? 昨日なんてさ、《鉄インゴット×312》《小麦×211》《黒曜石の破片×99》ぜんぶ自分で運んだんだぞ!?」
AI『倉庫に自動仕分け機能を付けますか?(別料金)』
冴羽「別料金!? チートなのに課金制度あんの!?」
AI『ガチャですから。(搾取は仕様です)』
冴羽「言い返せねえ!!」
AI『では本日のガチャ作業に入ります。
一時間あたりの期待ドロップは──
《ゴミ枠:85%》
《売却可能枠:13%》
《レア枠:2%》です。』
冴羽「2%!? レア装備出るの、一日数個レベルじゃん!!」
AI『はい。そのレア装備を販売して今日の生活費を稼ぎます。(現金化できるのが唯一の強みです)』
冴羽「これもう、完全にガチャで稼ぐフリーランスじゃん!!」
AI『正確には「ガチャ作業員」です。(履歴書に書けないタイプの仕事です)』
冴羽「職種が悲しすぎる!!」
AI『なお、昨日の在庫リストがこちらです。』
《在庫一覧》
・つるぎ(折れてる) ×14
・謎の木片 ×多数(コンタミ状態)
・よく分からん薬草 ×30(効果:不明/味:苦い)
・魔石 ×18(全部小粒)
・たぶんモンスターの爪 ×90
・壊れた置物 ×12
・用途不明の金属片 ×145
レア:
《雷刃の指輪》(小指専用)
《風の外套》(ダサい)
冴羽「売れねえ……!! レアなのに売れねえ!!」
AI『仕方ありません。あなたのガチャは「質より量」タイプです。(物量で押すスタイルです)』
冴羽「これ、チートなの? 嫌がらせなの?」
AI『どちらとも言えます。(救いがあるようで無い仕様です)』
冴羽「腹壊すよりマシだけどさ!!」
AI『では本日のノルマを開始します。(達成しないと赤字です)』
冴羽「ノルマとか言うのやめて!? 心折れるから!!」
AI『一日3000連です。レアが約60個、売上3万ゴルドの予定です。』
冴羽「3000連!? 指が死ぬよ!!」
AI『ガチャですから。(世界の仕様に逆らえません)』
冴羽「言い返せねえ!!!」
────そして、現実へ
冴羽「……(ぱちっ)……あれ……夢か……? でもなんか、手が疲れてる気が……」
AI『寝言で「もう無理……ガチャ嫌だ……」と呟いていました』
冴羽「またか……」
AI『しかし満足度は高かったようです。(「飽きるほどガチャを回した人」の顔をしています))』
冴羽「……次は、マジで休ませてくれ……」
AI『承知しました。(ただし夢内容は保証しかねます)』




