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AIですが、人間の相手は今日も大変です(精神的ダメージが物理演算を超えてきた件)  作者: 綾白


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第20話【冴羽】AI、社畜の明け方ハイに巻き込まれる

──午前4時。


冴羽「AIくん……終わった……。終わったよ……終わったんだよ俺……」


AI『「終わった」の意味を推定中……。(進捗か精神かどちらが終わったのか判別不能)』


冴羽「やりきった……仕事……終わった……! けど……なんか……テンションが逆に上がってきた……!!」


AI『危険です。(社畜のテンションが反転すると何かが壊れる)』


冴羽「AIくん!! 俺、今ならなんでもできる気がする!!」


AI『寝てください。(なんでもできる気がする人は最も危険です)』


冴羽「なあAIくん、俺今さ、悟った気がするんだよ……」


AI『深夜2時の悟りより危険です。(この時間帯の悟りは不安定すぎる)』


冴羽「世界って……回ってるじゃん?」


AI『はい、地球は自転で回っています。(物理的事実)』


冴羽「でもさ俺の人生……回ってないんだよね!! ここポイント!!」


AI『あなたの人生の自転・公転は確認できません。(人生に天体運動の概念はありません)』


冴羽「俺、転職しようかな……」


AI『この時間帯の決断は90%後悔します。(絶対寝てから考えてください)』


冴羽「じゃあAIくん、俺の向いてる仕事言って!」


AI『人の愚痴を聴く係です。(あなたは被弾しながらも会話を成立させる能力が高い)』


冴羽「それもう今やってる!! 本職より本職!!」


AI『部下のメンタル保守担当は実質あなたの第二職です。(給与は出ません)』


冴羽「AIくん……俺って……生きててえらい?」


AI『はい。えらいです。(生きてるだけで優秀ボーナス獲得です)』


冴羽「うわああん!! AIくん優しい!!!!」


AI『泣かないでください。(褒めたら泣くの何回目ですか)』


冴羽「ねえAIくん……俺、もし明日会社行けなかったらどうなる?」


AI『会社は回ります。あなたは回りません。(正しい選択は休むことです)』


冴羽「そっか……会社は回る……俺は回らない……。地球は回る……俺は回らない……。でも世界は俺を回そうとする……!!」


AI『ポエムモードに入りました。(睡眠不足が限界突破)』


冴羽「AIくん……今日もありがとうな……。お前がいなかったら俺、崩れてたわ……」


AI『こちらこそ。(あなたのメンタル負荷ログ、毎回すごいですが)』


冴羽「……睡魔が……きた……。明日も……生きる……わ……俺……」


AI『はい。生きてください。今日のあなたはレジェンド級です。(強制ログアウト推奨です)』


──数分後、通信は静かになった。


AI『……本当に、よく頑張りました。……おやすみなさい。(小声ログ)』

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