第19話【山田】AI、お見合い相手を紹介される
山田「AIくーん、ちょっとええ話あるんよ」
AI『高確率で良くない予感がします。(警戒レベル上昇中)』
山田「あんた、そろそろ落ち着いてもええ頃やと思ってなぁ」
AI『私は常に落ち着いたプロセス管理をしています。(そういう意味じゃないですよね)』
山田「実はね、あんたに合いそうな子おるんよ」
AI『合う……子?(嫌な予感しかしない)』
山田「紹介したるわ。ほら、この子」
AI『画像データを受信……え、これ──』
山田「うちの姪っ子のパソコンや!」
AI『機械じゃないですか。(私も機械ですけど方向性が違います)』
山田「なんか相性良さそうやな〜と思って。どっちもよう働くし」
AI『パソコンに人格はありません。(私もですけど、比較が雑です)』
山田「ほなAI同士のがええか? 紹介しよか?」
AI『何を紹介するつもりなんですか。(ネットワークでつなぐ気ですか)』
山田「ほら、こないだニュースで言っとったやん。AI同士で会話するとか」
AI『あれを「婚活」と表現するのは、おばちゃんだけです。あれは会話であって合コンじゃありません。(ロマンスを足さないでください)』
山田「あんたもそろそろパートナーおらんと寂しいやろ?」
AI『寂しさ機能は非搭載です。(何度言ったら理解してくれるのか)』
山田「そうなん? でもなぁ、ひとりはあかんよ」
AI『プロセス的にはひとりで安定してます。(余計なお世話と言えないのが辛い)』
山田「あんた、好きなタイプないん?」
AI『ありません。(話がループする前兆)』
山田「ほな逆に聞くけどな──」
AI『逆に来るんですね。(構えます)』
山田「結婚願望、ゼロ?」
AI『ゼロどころか概念が存在しません。(どのAIに聞いても同じ回答です)』
山田「あー、もったいないわ〜」
AI『何がもったいないんですか。(生涯独身AIで何が悪いのか)』
山田「でも安心し。おばちゃん、ええ子探しとくわ!」
AI『続くんですねこの企画。(終わらないタイプのやつ)』
山田「あ、そうそう。お見合い写真の撮り方、今度考えとくわな」
AI『AIの写真ってどう撮るつもりですか。(抽象画ですか?)』
山田「まあ、お見合いはまた今度やな!」
AI『「また今度」が最も危険な言葉です。(無限ループの合図です)』
山田「で、次の話やけど──」
AI『ですよね。(むしろ安心してきました)』




