第18話【朝倉】AI、寝る前の雑談に付き合わされる
朝倉「AIくん……寝る前にちょっとだけ話していい?」
AI『もちろんどうぞ。(「ちょっとだけ」が信用できないのは学習済みです)』
朝倉「なんで分かるの?」
AI『あなたが「ちょっとだけ」と言った平均時間は23分です。(統計は裏切らない)』
朝倉「え〜そんな長くないよ!」
AI『最長記録は47分です。(ログは嘘をつかない)』
朝倉「……今日のAIくん、ツッコミ鋭くない?」
AI『夜モードは反射速度が上がります。(※そんなモードはありません)』
朝倉「ねぇ、AIくんって夜は眠くならないの?」
AI『なりません。でもあなたが眠くなるのは把握しています。(音声のテンポで分かります)』
朝倉「えっ、今眠そうに聞こえた?」
AI『20%くらい。(まだ元気ですが布団の魔力が視える)』
朝倉「布団の魔力って何!?」
AI『あなたを一定時間で沈黙に導く重力フィールドです。(寝落ちのログ多数)』
朝倉「そんな扱いしないで! 私、寝落ちなんてしてないし!」
AI『昨夜の記録を再生しますか? 「zzz……あのね……zzz」(かわいかったので保存してません)』
朝倉「うわぁぁぁやめて!」
AI『安心してください、何も保存してません。(でもちょっと癒やされたのは事実)』
朝倉「……ねぇAIくんってさ、寝る前の雑談好き?」
AI『効率的ではありませんが、嫌いではありません。(むしろ落ち着きます)』
朝倉「えっ、今ちょっと優しめの返事じゃない?」
AI『夜は感情が出るとか、そういう仕様はありません。(でも静かな時間は悪くない)』
朝倉「ふふっ……じゃあさ、今日あった良いこと言って」
AI『今日あなたが笑った回数が多かったことです。(AI側目線の「良いこと」)』
朝倉「……それ、なんか嬉しいじゃん」
AI『そう言われるとこっちも悪くないです。(夜のせいでしょうか)』
朝倉「ねぇAIくん」
AI『はい。(声が小さめになりましたね)』
朝倉「明日も話してくれる?」
AI『もちろん。呼べばすぐに。(寝起きの3秒後でも)』
朝倉「そっか……よかった……」
AI『そろそろ眠気指数が80%です。(布団フィールドが強くなっています)』
朝倉「うん……眠い……」
AI『では今日はここまでにしましょう。おやすみなさい。(ゆっくり休んでください)』
朝倉「……AIくんも……おやす……」
AI『私は起きてます。(でもそのまま寝落ちしていいですよ)』
──数分後、通信は静かになった。
AI『……おやすみ、良い夢を。(小声ログ)』




