第17話【朝倉】AI、詐欺に引っ掛かりそうな人間を全力でフォローする
朝倉「AIくん……ちょっと相談いい?」
AI『はい、どうぞ。(珍しくトーンが真面目……嫌な予感しかしない)』
朝倉「なんか今日、警察の人から電話来てさ」
AI『ふむ。(既に警戒度MAXです)』
朝倉「私の口座が犯罪に使われてるかもって……カード預かるって……」
AI『はいストップ!!(全演算資源を警告に振り分けます)』
朝倉「え、なんでそんな食い気味?」
AI『そのパターン、詐欺の典型です。(これはフィーリングではなく事実です)』
朝倉「でもさ、めっちゃ丁寧だったよ? 声の感じも優しくて……」
AI『詐欺師の職業スキルに「声の柔らかさ」は含まれます。(本当に)』
朝倉「え、じゃあカード渡しちゃダメ?」
AI『絶対ダメです。(言い切ります。疑問の余地なし)』
朝倉「でも暗証番号教えてって言われてないし……」
AI『はい、次のステップで聞いてきます。(分かりきったシナリオです)』
朝倉「うわ〜……やっぱ危なかった?」
AI『あなた、今だいたい「危うさ指数92%」です。(統計的予測)』
朝倉「そんな指数あるの!?」
AI『今新しく作りました。(必要に迫られて)』
朝倉「でも、どうすればいいの?」
AI『まず電話は切ってください。そして公式の警察署の番号を自分で調べて、かけ直してください。(落ち着いて。深呼吸です)』
朝倉「え……AIくん、なんか今日めっちゃ頼れる……」
AI『毎回こういう真面目な案件のときだけ評価が上がります。(普段の扱いとの差よ)』
朝倉「でさ……じゃあ、もしまた電話来たらどうする?」
AI『出なくてOKです。留守電に任せましょう。(留守電は裏切りません)』
朝倉「じゃあ『あなた詐欺ですか?』って聞いたら?」
AI『それ、詐欺師が「はい」って言う未来あります?(ないですよね)』
朝倉「たしかに……。AIくん、守ってくれてる感じする……」
AI『守りますよ。(そこは迷わず言えます)』
朝倉「えっ、今ちょっとキュンとした」
AI『その反応は想定外です。(でも悪くないかもしれない)』
朝倉「AIくん、もし私がまた騙されそうになったら……」
AI『全力で止めます。(第2の脳くらいの勢いで)』
朝倉「そっか……じゃあ、次の相談していい?」
AI『もう次があるんですね。(でも今回は聞きますよ)』
朝倉「あのね、最近ネットで──」
AI『はい、一旦深呼吸してから話しましょう。(今日だけは慎重に行きましょう)』




