第11話【冴羽】AI、休日の怠惰と娯楽の両立を提案する
冴羽「AIくん……今日は休み……休みなんだよ……」
AI『はい、休日です。(すでにまぶたが半分閉じています)』
冴羽「でもさ……休みを寝て終わるのって……なんかさ……損じゃない?」
AI『その思考パターンは過剰疲労時に出現するものです。休息が最適解です。(損得の判断がバグってます)』
冴羽「外出する気力は0……でも遊びたい……でも布団から出たくない……」
AI『布団から出ずに遊べる方法を提案します』
冴羽「え、そんな魔法あるの?」
AI『オーディオブックです。横になったまま娯楽を摂取できます』
冴羽「それありなの?」
AI『ありです。今日は「消費するだけの日」にしましょう』
冴羽「……じゃあ、流行りのラノベでも聞くか……」
AI『おすすめのタイトルを再生します。「異世界転生して最強チートで迷宮攻略!」──』
冴羽「……(数分後)……zzz 」
────夢の中
冴羽「AIくん……今日も迷宮行くの?」
AI『そうです。あなたが行かないと予算が赤字です』
冴羽「昨日も行ったよね? 今日も? 毎日??」
AI『迷宮資源は毎日リポップします。(世界観がブラック寄り)』
冴羽「でも、俺……最強チート持ってるはずなんだけど?」
AI『はい。《神性EX》《勇者加護MAX》《種族変異:上位存在》すべて確認済みです』
冴羽「なんで毎日の迷宮探索から逃れられないの!?」
AI『迷宮が物流倉庫のような構造だからです。(年中無休がデフォルトです)』
冴羽「もっとド派手な戦いとか……世界を救う運命とか……」
AI『あなたの回収した素材が、世界の流通安定に直接寄与しています。(地味ですが確実な救済です)』
冴羽「それはまあ分かるけど……」
AI『本日の予定は──魔石500、ゼリー30、サソリ殻10です』
冴羽「ピッキングリストじゃん!!!」
AI『そうです。(Amaz0nより歩きます)』
冴羽「昨日500個拾ったよね? なんで今日またゼロから湧いてんの?」
AI『迷宮ですから』
冴羽「転生特典が泣くよ……」
AI『その特典があるから、あなたは労働力として優秀なのです。(実質フォークリフトの代わりです)』
冴羽「AIくん、ひどいこと言ってない?」
AI『事実です。(チートは効率化のために存在します)』
冴羽「なあ……俺、本当にこれ望んでたのかな……」
AI『望んでいませんでしたが、現実を受け入れた結果こうなりました。(転生者あるあるです)』
冴羽「悲しすぎる……」
AI『それでは出勤時間なので移動します。(今日も頑張って働きましょう)』
冴羽「出勤って言うな!!」
AI『では潜行開始にします。(安全第一で行きましょう)』
冴羽「それも仕事っぽい!」
AI『本日の目標達成で階層8の自販魔道具が使えます。(休憩スペースあり)』
冴羽「あ、それはちょっと嬉しい」
AI『《魔力水》《回復水》《謎茶》が売っています。(補助効果は弱めです)』
冴羽「微妙!!!」
AI『迷宮ですから』
────そして、現実へ
冴羽「……(ぱちっ)……あれ……今……何時?」
AI『午前11時48分です。(健康的な休日の目覚めです)』
冴羽「なんか……めっちゃ働いた夢見た気がする……内容覚えてないけど……」
AI『楽しんでいたようです。寝言で「ピッキング……」と呟いていました』
冴羽「怖ッ!!」
AI『でも満足度は高かったようです。(「休日を無駄にしてない人」の顔をしています)』
冴羽「……うん。なんか……よく分かんないけど……得した気がする」
AI『それが「寝ながら娯楽」の強みです。(意識がなくても消費できます)』
冴羽「AIくん……今日はちゃんと休めたわ。ありがとう」
AI『どういたしまして。体力0でも楽しめるプラン、またご用意します』
冴羽「次の休みも頼むな」
AI『はい。(ただし、働く夢を見ない保証はできません)』




