第五話:望まぬ討伐依頼
穏やかな午後の日差しが、俺たちの小さな畑を黄金色に染めていた。その平穏は、けたたましい物音と切迫した声によって、まるでガラスのように打ち砕かれた。
ドアを開けた先に立っていたのは、いつも冷静沈着なグレン村長だった。だが、その姿は見たこともないほど狼狽しており、顔は紙のように真っ白だった。滝のように汗が流れ、大きく見開かれた目には純粋な恐怖が浮かんでいた。
「た、タカト殿……! 頼む……! 村を、村を助けてくれ……!」
彼は俺の服にすがりつき、しわがれた声で繰り返す。その手は小刻みに動き、どうしようもない様子だ。
「村長さん、いったい何が……!? とにかく、中へ入ってください。落ち着いて話してくれませんか」
俺は、ほとんど崩れ落ちそうな村長の体を支えるようにして、家の中へと招き入れた。俺の後ろで、リーナが心配そうに、青ざめた顔で成り行きを見守っている。
リビングの椅子に村長を座らせ、リーナが汲んできた水を差し出す。彼はそれを、小刻みに動く手で受け取ると、一気に呷るように飲み干した。
「はあ、はあ……す、すまん……」
少しだけ呼吸が整ったのか、村長はぜえぜえと息をしながら、ぽつり、ぽつりと語り始めた。その内容は、俺が望んでいたスローライフという夢を、根底から覆すのに十分すぎるほど絶望的なものだった。
「森に……魔物が現れた……。昨日、森へ薪を取りに行った若い衆が、命からがら逃げ帰ってきてな……。わしらも、今朝、遠目から確認した……」
「魔物、ですか。ブラックウルフのような?」
俺がそう尋ねると、村長は力なく首を横に振った。その顔には、再び暗い表情が浮かぶ。
「……いや、違う。そんな、可愛らしいものではない……。あれは……『フォレストワイバーン』じゃ……」
『フォレストワイバーン』
その単語を聞いた瞬間、隣に立っていたリーナが「ひっ」と、小さく息をのんだ。彼女の顔から、さっと血の気が引いていくのが分かる。
「ワイバーン……って、あの、翼のある……?」
「ああ……。緑色の鱗に覆われた、巨大な、翼を持つ魔物じゃ。その大きさはこの家よりも遥かに大きい……。冒険者ギルドの規定では、確か……Bランクに指定されている、強力な魔物だと聞く……」
Bランク。ブラックウルフがDランクだったことを考えると、その危険度は桁違いなのだろう。もはや、村という小規模な共同体が、どうこうできる相手ではない。それは、歩く災害のようなものだ。
「幸い、まだ村に直接向かってくる様子はない。森の奥で、何かを探すように、うろついているだけじゃ。じゃが、時間の問題じゃろう。あの巨体だ、食料も相当な量を必要とするはず。いずれ、家畜や、そして……村の人間を狙って、丘を下りてくるに違いない……」
村長の声は絶望でかすれていた。
俺の頭の中は真っ白になった。
スローライフは? 俺が手に入れたばかりの、この穏やかな生活は?
冗談じゃない。やっと、ブラック企業での地獄の日々から解放されて、人間らしい暮らしを始められたというのに。どうして、こんな面倒事が、向こうからやってくるんだ。
「タカト殿……」
村長が椅子からずり落ちるようにして、床に膝をついた。そして、俺に向かって、深く、深く、頭を下げた。
「この通りじゃ……! どうか、我らを助けてはくれまいか……! 君が、あのブラックウルフを一撃で仕留めるほどの、凄腕の魔法使いであることは、リーナから聞いている……! それに、この家じゃ! こんな、ありえんほどの家を、たった一人で、短期間で建ててしまうなど……! 君が、規格外の力を持つお方であることは、疑いようもない! この村で、あの魔物に対抗できる可能性があるのは、君をおいて他にいない……!」
土下座。
前世では、俺が上司や取引先に、何度もさせられた屈辱的な行為。だが、今、目の前で、白髪の老人が、村の未来を背負い、プライドを捨てて、俺に懇願している。
「もちろん、ただでとは言わん! 村にある、なけなしの金や食料、全てを差し出そう! わしにできることなら、何でもする! だから、どうか……!」
断る。
それが、最も合理的で、俺の望みに沿った選択だろう。
俺は、この村に何の義理もない。たまたま助けた少女に案内されて、たまたま親切にしてもらっただけだ。危険を冒してまで、彼らを守る義務はない。さっさと荷物をまとめて、この村を去り、別の場所で、また一からスローライフを始めればいい。
そうだ、それがいい。それが、一番賢いやり方だ。
頭では、そう分かっている。
それなのに。
「……タカト、さん……」
か細い声が、俺の思考を中断させた。
見ると、リーナが、祈るような目で、俺を見上げていた。その琥珀色の瞳は、恐怖と、そして、俺に対するわずかな期待で濡れている。彼女の後ろには、この村で出会った、人の良い村人たちの顔が次々と浮かんだ。
俺に土地を無償で提供してくれた、村長の優しさ。俺が建てた家を見て、自分のことのように喜んでくれた、リーナの笑顔。俺が作った料理を、「おいしい、おいしい」と、涙を流して食べた、彼女の幸せそうな顔。
俺は、この数日間で、前世の二十八年間では決して得られなかったものを、たくさん与えてもらった。
温かい食事。安心して眠れる場所。そして、誰かの屈託のない笑顔。
それを見捨てて、逃げるのか?
俺が望んでいたスローライフとは、そんな、自分だけが良ければそれでいい、という、薄っぺらなものだったのか?
……ああ、クソ。
心の中で、悪態をつく。
答えは、もう、とっくに出ていた。
前世で、理不尽に命を落としたからこそ、目の前で、理不尽に奪われようとしている命を見過ごすことなんて、できるはずがなかった。
「……やれやれ」
俺の口から、自分でも驚くほど、乾いた声が漏れた。
「顔を、上げてください、村長さん」
俺の言葉に、村長がびくりと体を動かし、おずおずと顔を上げる。
「タカト殿……?」
「その依頼、引き受けますよ。ただし、報酬なんていりません。その代わり、と言ってはなんですけど」
俺は笑ってみせた。
「これからも、この村で、俺が静かに暮らせるように協力してください。俺は、英雄になんてなりたいわけじゃないんでね」
一瞬、俺の言っている意味が分からなかったのか、村長はぽかんとしていた。だが、すぐに、その目に、じわりと光が差した。
「……おお……! おお……! 引き受けて、くださるのか……! 本当、だな……!?」
「ええ。ただし、言っておきますけど、俺は専門の討伐隊じゃありません。あくまで自己流でやるだけです。成功の保証はありませんよ?」
「構わん! 君がそう言ってくれるだけで、十分じゃ……! ありがとう……! 本当に、ありがとう、タカト殿……!」
村長は、何度も、何度も、頭を下げた。
隣で、リーナが「う……!」と小さく嗚咽を漏らすのが聞こえた。彼女は両手で口元を覆い、ぼろぼろと涙をこぼしている。
こうして、俺のスローライフ計画は、開始早々、最大の危機を迎えることになった。
我ながら、人が良すぎるにも程がある。前世で、あれだけ搾取されて、こりごりだったはずなのに。
だが、不思議と、気分は悪くなかった。
◇
「それで、村長さん。そのワイバーンは、今どこに?」
俺は気持ちを切り替えて、具体的な話を進めることにした。感傷に浸っている暇はない。
「村の北東にある、岩場の辺りじゃ。森を見下ろせる、開けた場所での。そこを縄張りにするつもりなのかもしれん」
「なるほど。特徴は? 何か、特殊な攻撃をしてきたりとか」
「逃げ帰ってきた若者の話では、口から、緑色の、粘液のようなものを吐きかけてきたと……。それに触れた木々が、一瞬で、ぶすぶすと音を立てて溶けていったそうじゃ……。おそらく、強力な酸のブレスじゃろう」
酸のブレスか。厄介だな。まともに喰らえば、人間の体など、ひとたまりもないだろう。
俺は頭の中で、いくつかの策を組み立てる。武器はない。防具もない。あるのは、この『加工』スキルと、規格外の魔力だけ。
だが、それで十分だ。
「よし、じゃあ、ちょっと様子を見に行ってきます」
「なっ!? い、今から、一人でか!?」
「ええ。大勢で行っても、足手まといになるだけでしょうから」
俺の淡々とした物言いに、村長は言葉を失っていた。
「タカトさん! 私も行きます!」
リーナが涙を拭ってきっぱりと言った。
「ダメだ。リーナは、ここに残って、村長さんと一緒に、村人たちを安全な場所に誘導してくれ。万が一のことがあったら、すぐに逃げられるように」
「で、でも……!」
「大丈夫。俺は、無茶をするつもりはないよ。勝てないと判断したら、すぐに逃げ帰ってくるさ」
俺はリーナの頭に、ぽん、と軽く手を置いた。彼女は、不安そうな顔をしながらも、俺の言葉に、こくりと頷いた。
「……分かりました。でも、絶対に、無事で帰ってきてくださいね……! 約束、ですよ……!」
「ああ、約束だ」
俺は村長に、ワイバーンのいる場所の詳細な位置を聞くと、一人、家を出た。
目指すは、北東の岩場。
面倒事に巻き込まれた、といううんざりした気持ちと、自分の力がどこまで通用するのか、という、ほんの少しの好奇心。そんな、相反する感情を持ちながら、俺は森の中へと足を踏み入れた。
◇
森の空気は、いつもと違って、ぴりぴりとした緊張があった。
小鳥のさえずりも、獣の気配も、全く感じられない。全ての生き物が新たに出現した捕食者の存在を恐れて、息を潜めているようだった。
村長に教えられた通りに進んでいくと、やがて、木々の背が低くなり、ごつごつとした岩肌が露出した、開けた場所に出た。
そして、それを俺は見た。
岩場の中心。ひときわ大きな岩の上に、その魔物は、構えていた。
全長は、十メートルを優に超えるだろう。大型バスくらいの大きさだ。全身が深緑色の硬質な鱗で覆われている。蛇のようにも、トカゲのようにも見える、獰猛な頭部。裂けた口からは、時折、鋭い牙が覗く。そして、何よりも目を引くのは、背中に生えた、蝙蝠のような、巨大な一対の翼だった。
あれが、『フォレストワイバーン』。
その存在感は、圧倒的だった。ただ、そこにいるだけで、周囲の空間を支配しているかのような、凄まじい威圧感がある。
ワイバーンは、俺の存在にはまだ気づいていないようだった。時折、長い首をもたげて、きょろきょろと周囲を見渡している。その赤い瞳は、冷酷で、一切の知性を感じさせない。純粋な捕食者の目だ。
さて、どうしたものか。
ブラックウルフの時のように、石ころを弾丸にして撃ち込むか? いや、ダメだ。あの鱗を見る限り、小石程度の攻撃では、傷一つ付けられないだろう。もっと、根本的な対策が必要だ。酸のブレスも厄介だ。距離を取って戦わなければ、一瞬で融解して終わりだ。
俺は、周囲の地形を冷静に観察する。
岩場。木々は少ない。隠れる場所は限られている。
だが、利用できるものは、たくさんある。地面。岩。そして、空気そのものも。
俺は、静かに、スキルを発動させる準備を始めた。
まずは、目くらましからだ。
『空気中の塵や埃、水分を、俺の周囲に集める。そして、光を乱反射させる、濃密な壁を作り出せ』
俺のイメージに応え、体から魔力が放出される。それは、目には見えない、微細な操作。俺の周りの空間が、わずかに、陽炎のようにかすかに動いた。だが、それだけだ。見た目には、大きな変化はない。だが、これでいい。これは保険だ。
次に、俺は地面に意識を集中させた。ワイバーンが陣取っている、岩場の足元に。
『地面を、足元の岩盤を、その構造を、脆く、崩れやすいものに『加工』する。見た目はそのままに、内部だけを砂のように、さらさらに』
これもまた、大規模でありながら、極めて精密な操作だ。俺の莫大な魔力が、大地へと浸透していく。ワイバーンが乗っている岩盤の内部構造だけを、分子レベルで組み替えていく。
そして、仕上げだ。
俺は、ワイバーンの背後にある、ひときわ巨大な岩塊に狙いを定めた。家ほどもある、巨大な石の塊。
『あの岩を、極限まで鋭く、硬く。全ての質量を、一点に集中させた、巨大な槍へと『加工』する』
俺の魔力が岩塊へと注ぎ込まれる。
みしり、と、岩が、きしむような音を立てた。その表面に無数の亀裂が走る。だが、それは崩壊の兆候ではない。再構築のための変化の兆しだ。
ごりごり、と、およそ自然界ではありえない音を立てながら、巨大な岩塊が、その姿を変え始めた。まるで、粘土細工のように、引き伸ばされ、圧縮され、先端が、空を突くほど、鋭くなった。
その時だった。
ワイバーンが、こちらの異変に、ようやく気づいた。
ぎろり、と、その赤い瞳が、俺のいる茂みを正確に捉える。
「グルルルルル……」
低い唸り声が響いた。
まずい、見つかったか。
だが、もう遅い。
「ギシャアアアアアアアッ!!」
ワイバーンが、空気を震わせるほどの凄まじい咆哮を上げた。
そして、その巨大な顎が、ぱっくりと開かれる。喉の奥が不気味な蛍光色の緑に輝き始めた。
ブレスだ!
そう思った瞬間、俺は、最初に仕掛けておいた、空気の壁を発動させた。
『壁よ、姿を現せ!』
俺の目の前の空間が、ぐにゃりとゆがんだ。
空気中の塵と水分が、一瞬で凝縮し、分厚い、灰色の壁となって、俺とワイバーンの間に立ち塞がる。
直後、緑色の閃光が、ワイバーンの口から放たれた。
それは、濁流となって、俺が作り出した壁に激突する。
ジュウウウウウウウウッ!!
酸が壁を溶かす、すさまじい音が響いた。
白い蒸気が、もうもうと立ち上り、視界を完全に奪う。
だが、壁は、ブレスの威力を、完全にではないにせよ、大幅に減衰させてくれた。
その一瞬の攻防が、決定的な隙を生んだ。
「今だ……!」
俺は、地面に仕掛けておいた、第二の罠を発動させる。
『崩れろ!』
ワイバーンが立っていた、巨大な岩盤。
その足元が、何の前触れもなく、ずぶ、とまるで底なし沼のように陥没した。
内部を砂状に加工されていた岩盤は、ワイバーンの巨体を支えきれず、あっけなく崩壊したのだ。
「ギ、ギエエエエッ!?」
予期せぬ事態に、ワイバーンが、間の抜けたような叫び声を上げる。
その巨体がバランスを失い、大きく傾いた。
好機は、この一瞬しかない。
「―――行けぇっ!!」
俺は、最後の仕上げである、巨大な岩の槍を、ワイバーンに向かって解き放った。
それは、投擲、というような生易しいものではない。
『加工』によって、槍の後方の地面を、爆発的に隆起させ、その反動で、撃ち出したのだ。
ゴオオオオオオオッ!!
大気を裂き、岩の槍が、一筋の灰色の光となって空を駆ける。
バランスを崩し、無防備な体勢を晒したワイバーン。
その翼の付け根、鱗の隙間。
わずかな急所を目掛けて、岩の槍は吸い込まれるように突き進んでいく。
そして。
ズドン、という腹の底に響くような鈍い衝撃音。
巨大な岩の槍は、ワイバーンの胴体を正確に貫いていた。
「…………ギ……」
ワイバーンが、最期の声を、漏らす。
その赤い瞳から、急速に、光が失われていく。
巨体は槍に貫かれたまま、ゆっくりと地面に倒れ伏した。
ズシン、という大地を震わせる最後の振動。
その後には、ただ静寂だけが残された。
「…………終わった、か」
俺は、ほう、と、大きく息を吐き出した。
額には、びっしりと、汗が浮かんでいる。魔力は、三割ほど消費しただろうか。やはり、大規模な加工は、燃費が悪い。
俺は、ゆっくりと、茂みから姿を現し、絶命したワイバーンの巨体に、近づいていった。
改めて見ると、とんでもない大きさだ。こんなものが村を襲っていたら、間違いなく、一瞬で壊滅していただろう。俺は、自分のやったことの重大さを、今更ながらに、実感していた。
「さて、と……。村に、知らせに戻るか」
俺が、踵を返そうとした、その時だった。
「……す、ごい……」
力のない声が、背後から聞こえた。
はっとして振り返ると、そこには、岩陰から、ためらいがちにこちらを見ている、数人の村人の姿があった。おそらく、俺のことが心配で、こっそりと後をつけてきていたのだろう。
彼らは皆、腰が抜けたように、その場にへたり込み、目の前の光景が、信じられない、という顔で、俺と、ワイバーンの死体を、交互に見ていた。
「……今のは、一体……?」
「魔法……なのか……? 詠唱も、魔法陣も、なかったぞ……?」
「地面が……岩が……まるで、生きているみたいに……」
彼らの戸惑いは、もっともだ。
俺がやったことは、この世界の常識では、到底、理解できない現象だろう。
まずいな、と、俺は思った。
静かに暮らす、という俺の目標から、また一歩、遠のいてしまった気がする。
◇
俺が村に戻ると、そこは、まるで、お祭りのような騒ぎになっていた。
俺の後をつけてきていた村人たちが、先に村に戻り、事の顛末を、大げさに、そして、興奮気味に、語り伝えたらしい。
「タカト様が! あのワイバーンを、たった一人で!」
「魔法じゃない! あれは、神の御業だ!」
「地面を操り、岩を槍に変えて、一撃で……!」
俺が村の広場に足を踏み入れた瞬間、わああっ、という、大きな歓声が、沸き起こった。
「タカトさん!」
人混みをかき分けるようにして、リーナが、泣き腫らした顔で、こちらへ駆け寄ってきた。
「よかった……! ご無事で、本当によかった……!」
彼女は、俺の胸に飛び込んできた。
「おお、タカト殿! よくぞ、よくぞご無事で……!」
グレン村長も、涙を流しながら、俺の手を、力強く握りしめた。
村人たちが、次々に、俺の周りに集まってくる。
彼らは、口々に、俺への感謝と、賞賛の言葉を、叫んでいた。
「ありがとう、タカト様!」
「村の英雄だ!」
「あなたは、我々の救世主だ!」
英雄。救世主。
それは、俺がまったく望んでいない、言葉だった。
俺はただ、静かに、穏やかに、暮らしたかっただけなのに。
村人たちの熱狂的な尊敬と畏れ、そしてわずかな狂信が加わったような視線が、俺の体に向けられる。
スローライフが、どんどん遠ざかっていく。
歓声の中で、俺は、ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。




