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第55話:決着! 俺の思考が、仲間たちの力を神へと至らせる!

俺は、祭壇に駆け寄り、その白銀のガントレット――『魂格(ソウル・フレーム)』を、ためらうことなく手に取った。


握った瞬間、凄まじい量の情報が、再び俺の脳内に流れ込んでくる。だが、今度のそれは、以前のような暴力的な奔流ではなかった。魂格(ソウル・フレーム)は、俺の《解析瞳》と完全に直結し、この聖域の全ての演算能力(えんざんのうりょく)を、俺の思考を補助するために、最適化していく。


俺の思考を、光速の、さらにその先へと加速させる、「情報増幅装置」。俺というCPUに、この聖域という超巨大なサーバーが直結したようなものだ。


世界が、スローモーションになる。


外で戦う仲間たちの、息遣い、心拍数、魔力の残量。


そして、カイヴァー・ドレークの、次の一手。筋肉の収縮、魔力の流れ、感情の(たか)ぶり。


その全てが、俺の脳内で、無数の未来予測として、「視える」。


何千、何万という敗北の未来。その中で、たった一本だけ、勝利へと続く、細く、しかし、眩いばかりに輝く、光の糸が、俺にははっきりと見えていた。


外では、仲間たちが、決死の覚悟で、カイヴァー・ドレークの猛攻を凌いでいた。


傷つき、倒れ、それでも、俺が戻るまでの時間を、一秒でも長く稼ごうと、必死に戦っている。


もう、十分だ。


お前たちは、よくやってくれた。


あとは、俺に任せろ。


俺は、神殿から飛び出し、戦場を見下ろす高台に立つ。


そして、魂格(ソウル・フレーム)を天にかざし、仲間たちの魂に、直接、語りかけた。


その声は、もはや、ただの指示ではない。


勝利を約束された、絶対的な「預言(よげん)」。


「リーベ、3秒後、奴の左足が踏み込む、その一点! そこに重力歪曲フィールドを展開しろ! 奴の動きを、コンマ03秒だけ、止める!」

「オリビア、リーベのフィールド発生と同時に、獣神化を最大に! 奴の右側、鎧が損傷した部分の、真後ろに回り込め! 奴は、お前を視認できない!」

「カリスタ、オリビアが作った体勢の崩れを、絶対に見逃すな! 奴の背中、魔導炉の冷却装置がある、その一点に、お前の聖炎を、刃として、叩き込め!」

「そして、アステラ……!」


俺は、最後の、そして、最強の切り札に、告げる。


「全員の攻撃が収束する、その一点! 冷却装置が破壊され、暴走した魔力が漏れ出す、その瞬間に、お前の全てを、叩き込め!」


俺の預言に、仲間たちが、一斉に動く。


その動きには、もう、一切の迷いも、無駄もなかった。


まるで、一つの完璧な生命体のように、それぞれの役割を、寸分の狂いもなく、果たしていく。


リーベの重力場が、カイヴァー・ドレークの左足を、確かに、コンマ03秒だけ、捉えた。


オリビアが、その神速で、彼の背後に回り込む。


カリスタの聖炎の刃が、彼の鎧の、唯一の弱点を、正確に貫いた。


「ぐ……お、おのれえええええっ!」


カイヴァー・ドレークが、最後の力を振り絞り、全方位に、絶望の衝撃波を放つ。


だが、もう、遅い。


彼の背中から漏れ出した、暴走する魔力。


その一点に、天から降り注ぐ、アステラの、最後の光が、突き刺さった。


それは、虹色の光だった。


破壊の光ではない。


この宇宙に存在する、全ての生命の祈りを、願いを、束ねたかのような、どこまでも優しく、そして、どこまでも力強い、浄化の光。


光が、世界を包み込む。


カイヴァー・ドレークの、憎悪に満ちた絶叫が、その光の中に、溶けていく。


やがて、光が収まった時。


そこには、もう、何も残っていなかった。


禍々しい魔力も、歪んだ野望も、全てが、浄化され、宇宙の塵へと、還っていった。


勝利は、魔道具のおかげじゃない。


俺の知性と、そして、俺を信じてくれた、最高の仲間たちとの、絆がもたらした、必然の結果だった。


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