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第50話:現代物理学チート炸裂! 敵旗艦の魔導防壁の脆弱性を見抜く!

『ユウト様! 危険です! 旗艦から、聖域全体を覆うほどの、絶望的な魔力反応を観測! このままでは、聖域の魔導防壁が……!』


ライブラの絶叫が、緊迫したブリッジに響き渡る。


魔導水晶盤(クリスタルパネル)には、カイヴァー・ドレークの旗艦の一点に、まるでブラックホールのように、周囲の魔力が凄まじい勢いで収束していく様子が映し出されていた。古代魔導兵器『アビス・ゲイザー』。その一撃は、おそらく惑星の地表を一掃するほどの、絶対的な破壊の力を持っている。


鉄壁を誇る護衛艦隊と強固な魔導防壁に守られ、シューティングスター号が近づくことすらできない。この距離からでは、俺たちの攻撃は、旗艦に到達する前に霧散してしまうだろう。


絶望的な状況。仲間たちの顔に、緊張と焦りの色が浮かぶ。


だが、俺の脳内は、不思議なほどにクリアだった。


魂格(ソウル・フレーム)と接続した俺の《解析瞳》は、パニックを誘う脅威の奔流を、冷静に、そして精密に、解析可能なデータへと変換していく。


「(敵旗艦の魔導防壁……。確かに強力だ。だが、完璧なものなど、この世には存在しない。どんな魔法も、どんな技術も、必ず、その根底には物理法則が存在する。ならば、必ず、弱点があるはずだ!)」


俺は、カイヴァー・ドレークの旗艦が展開する、禍々しい紫色の魔導防壁の構造を、ナノレベルまで分解し、その魔力の振動パターンを読み解いていく。


そして、見つけた。


その防壁は、複数の異なる周波数の魔力波を重ね合わせることで、驚異的な防御力を実現している。だが、その複雑な構造故に、たった一点だけ、外部からの特定の周波数の振動に対して、極端に弱い「共振点(きょうしんてん)」が存在することを。


「(これだ……! 直接殴って壊せないなら、外から揺さぶって、内側から崩壊させればいい! 現代物理学で言うところの、共振現象(きょうしんげんしょう)だ!)」


それは、あまりにも繊細で、あまりにも無謀な、針の穴に糸を通すような奇策(きさく)


だが、今の俺たちなら、やれる。


「全員、聞け! これが、最後の作戦だ!」


俺は、思念通信で、仲間たちに、勝利への唯一の道筋を、叩きつけた。


「カリスタ! 敵の護衛艦隊に単機で突っ込み、暴れまくれ! 奴らの注意を、可能な限りお前に引きつけるんだ! 目的は撃破じゃない、ただの撹乱だ!」

「オリビア! カリスタが作った、ほんの一瞬の隙を突いて、旗艦の魔導防壁直上、俺が指定した座標まで、船を移動させろ!」

「リーベ! シューティングスター号の船底ハッチから、俺が指定した共振周波数を発生させる魔力フィールドの準備を!」


俺の常識外れの指示に、仲間たちは一瞬、息を呑む。だが、その瞳に、迷いはなかった。


「ようやく、私向きの仕事が来ましたわね!」


カリスタが、誇り高い女王のように笑い、単機で敵艦隊のど真ん中へと突撃していく。彼女の放つ『破邪の聖炎』が、敵陣を大混乱に陥れる。


敵の注意が、完全にカリスタへと向いた、その一瞬。


「アタシの操縦、見せてやるよ!」


オリビアが、神業的な操縦で、シューティングスター号を、敵の弾幕を潜り抜け、旗艦の真上へと滑り込ませる。


「今だ、リーベ! 発動!」


俺の号令で、リーベが、特殊な共振周波数を発生させるフィールドを、旗艦の魔導防壁に発生させた。


フィールドが魔導防壁に吸着し、特殊な魔力波を発振した、その瞬間。


鉄壁を誇った紫色の防壁が、まるで水面のように揺らぎ、その一点に、ガラスのような亀裂が走った。


その刹那(せつな)の好機を、俺は見逃さない。


「アステラ! 座標は伝えたな! お前の全魔力を、あの亀裂に、叩き込め!」


俺の指示を受け、宇宙空間で静かに魔力を練り上げていたアステラが、その瞳を、カッと見開いた。


「ユウトの声が、私を導く星の光……!」


彼女は、宇宙空間で祈るように瞳を閉じ、その身に宿す全ての魔力を、解放する。


彼女の意識は、もはや個人のものではなく、宇宙に満ちる『星のささき』そのものと同期していた。その体から溢れ出す光は、周囲の星々の輝きを喰らうほどに強まり、やがて彼女自身が、巨大な虹色の光球――宇宙に咲いた、一輪の「星」のようになった。


「いっけええええええっ!」


アステラの叫びと共に、凝縮された虹色のエネルギーが、一直線に放たれる。


それは、シューティングスター号の主砲を遥かに凌駕する、まさに宇宙の理を捻じ曲げるほどの、超絶的な一撃。


光の奔流は、寸分の狂いもなく、防壁の亀裂に吸い込まれ、旗艦を、内側から、貫いた。


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