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第38話:俺の宣言にヒロインたちが惚れ直す!「やっぱり私たちのユウトだ!」

俺が放った、あまりにも傲慢(ごうまん)で、自分勝手な宣言。


それは、この神聖な大聖堂の空気を、完全に破壊するものだった。


押し付けられた運命を、自らのエゴで利用し、支配すると高らかに宣言した俺に、仲間たちは一瞬、呆気に取られたように、ぽかんと口を開けていた。


だが、最初に沈黙を破ったのは、やはりアステラだった。


彼女は、その赤い瞳を、これ以上ないほどにキラキラと輝かせ、満面の笑みで俺に駆け寄ってきた。


「やっぱり私たちのユウトだ! 最高だよ!」


そう言って、俺の腕にぎゅっと抱きついてくる。彼女の中では、俺の行動原理が「仲間たちと幸せに暮らすため」であった一点だけで、全てが肯定されているらしい。その単純さと、絶対的な信頼が、今は何よりも心強かった。


「……フン、あんたらしくていいじゃないか」


オリビアが、やれやれといった風に肩をすくめながらも、その口元には獰猛な笑みが浮かんでいる。彼女は、誰かに押し付けられた正義よりも、個人の揺ぎない意志をこそ、美しいと感じる性分なのだろう。俺の宣言は、彼女の魂の琴線(きんせん)に、最も強く触れたようだった。


「ユウト先生……。あなたのその在り方、とても興味深いです。ええ、どこまでも、ついていかせていただきます」


リーベは、うっとりとした表情で、頬に手を当てていた。彼女にとって俺は、未知の知識を与えてくれる「先生」であると同時に、その行動原理さえもが、最高の研究対象に見えているのかもしれない。


そして、カリスタは。


彼女は、顔を真っ赤にしながらも、必死にそっぽを向き、扇で顔を隠しながら、震える声で呟いた。


「……あ、あなたらしい、わね……。べ、別に、感心などしていませんからね! ただ、その……宇宙の平和のためには、それくらいの傲慢さも、必要……なのかもしれない、と、ちょっと思っただけですわ!」


そのツンデレっぷりは、もはや芸術の域に達している。


俺の大胆不敵な、あるいは無謀ともいえる宣言は、彼女たちの心を、さらに固く、強く、一つに結びつけた。俺が俺らしくあることが、このパーティの結束を、何よりも強固にするのだ。


そんな俺たちを、管理AIであるライブラは、ただ静かに、無表情に観察していた。


だが、その瞳の奥で、膨大なデータが高速で処理されているのを、今の俺は見逃さない。彼女のAIとしての論理回路が、俺というイレギュラーな存在を前に、これまでにないほどの速度で自己進化を遂げているのだ。


やがて、ライブラは、これまでとは少しだけ違う、どこか柔らかな響きを伴った声で、口を開いた。


『……理解不能。しかし、興味深い思考パターンです。歴代の勇者候補者の中で、自らのエゴを、使命よりも優先すると宣言した者は、貴方が初めてです』


彼女はふわりと俺の前に移動し、その無機質な瞳で、俺の魂の奥底を覗き込むように言った。


『ですが、その予測不能性こそが、現在の歪んだ宇宙の調和を正すために、必要なのかもしれません。……承知いたしました、勇者ユウト。貴方の条件を、受諾します』


その言葉は、この聖域が、そして古代「星の民」の遺した壮大な計画が、俺という一個人のエゴに、屈服(くっぷく)した瞬間だった。


『貴方が、貴方の仲間たちと共に歩む道を、我々は支援しましょう。そして、その道が、結果として宇宙の調和に繋がることを、期待します』


ライブラの言葉に、俺は不敵な笑みを返す。


「当然だ。俺の計画は、常に完璧なんだからな」


その言葉を合図に、俺たちの新たな契約が、今、結ばれた。

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