第15話:覚醒アステラが超無双! 星屑の光条が敵を貫く!
「ユウトの声が、星のささやきみたいに聞こえる……。だから、もう怖くない!」
アステラの晴れやかな声が、思念通信を通して俺の脳内に直接響き渡る。その声は、絶対的な信頼と、己の力に目覚めた者の喜びに満ちていた。
俺は、船内から窓の外に映る彼女の神々しい姿に息を呑みつつも、即座に思考を切り替え、指揮を執る。
「(リーベ、船の全魔力をアステラの支援に回せ! 彼女の魔力出力を限界まで底上げするんだ!)」
「(りょ、了解! やってみせます!)」
「(オリビア、回避機動を継続! 敵の注意を可能な限り引きつけろ! アステラに攻撃を集中させるな!)」
「(言われなくても! アタシの操船から逃れられると思うなよ、化け物ども!)」
リーベがコンソールを叩くと、シューティングスター号から放たれた支援の魔力光が、アステラの体を優しく包み込む。オリビアは神がかり的な操船で、船体をまるで踊るように動かし、岩石生物たちの攻撃を惹きつけ続ける。
そして、俺は覚醒したアステラに、勝利への道筋を示す。
「(アステラ、聞こえるか! お前の力は、もうただの光じゃない。宇宙そのものだ! 敵を個別に狙うな。お前の周囲に満ちる星々の魔力を、その身に束ね、奔流として解き放て!)」
「うん!」
アステラは、祈るように呟いた。
その身に収束させた宇宙の魔力を、一気に解放する。
「――星屑の光条!」
それは、単なる一筋の光線ではなかった。
彼女を中心に、無数の光の奔流が放射状に放たれ、まるで夜空を埋め尽くす流星群のように、敵の群れを貫いていく。それは、星々の輝きそのものを凝縮したかのような、絶対的な浄化の力を持っていた。一つ一つの光が、まるで意思を持っているかのように、敵の弱点であるコアを正確に射抜いていく。
紫電も、氷塊も、その聖なる光の前に霧散する。
小惑星のごとき硬い岩石の体は、光に触れた瞬間、いとも容易く貫かれ、内部の魔力を暴走させて連鎖的に爆発していく。それは攻撃というよりも、一方的な殲滅。あるいは、神の裁きとでも言うべき光景だった。
やがて光が収まった時、あれほどいた敵の群れは、一体残らず消滅していた。
後に残されたのは、静寂を取り戻した宇宙空間と、まるで勝利の女神のように光の粒子を纏いながら佇む、一人の少女の姿だけだった。
「す……げぇ……」
コクピットで、オリビアが呆然と呟いた。リーベも、信じられないものを見るかのように、窓に釘付けになっている。
俺は、そんな仲間たちの反応に満足しながら、アステラに次の指示を出す。
「(アステラ、よくやった。だが、まだ終わりじゃない。念のため、残骸を調べてくれ。何か情報があるかもしれん)」
「(うん、わかった!)」
アステラは、一番近くに漂っていた、かろうじて原形を留めている敵の残骸に近づいた。
その破壊された断面を覗き込み、彼女は驚きの声を上げる。
「(ユウト、これ……!)」
岩石だと思っていたその体の中心に、拳ほどの大きさの、青白く明滅する魔石のようなものが埋め込まれていたのだ。それは、明らかに自然物ではなかった。
「(よし、それを回収してくれ。解析すれば、何か分かるかもしれん)」
アステラは、その魔石を慎重に取り出すと、シューティングスター号へと帰還する。
彼女の魔装備が解除され、その体が俺たちの待つ船内へと滑り込んできた。




