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第10話:模擬戦、開戦。切り札の『聖炎』ごと、掌で転がしてやる

カリスタの挑戦を受け、俺たちはギルドの地下に広がる広大な戦闘演習場へと来ていた。


観客席もまばらなだだっ広いドーム状の空間。ここで、俺たちとカリスタたちとの3対3の模擬戦が行われる。


「いいこと? これはただの模擬戦ではありませんわ。格の違いを思い知らせるための、公開処刑ですのよ」


カリスタが、扇子でも開きそうな優雅さで、しかし毒のある言葉を放つ。


その両脇には、アンナとライラという、いかにも手練れといった雰囲気の女騎士が、無言で俺たちを睨みつけていた。


「こっちのセリフだ。せいぜい楽しませてくれよ」


俺は、アステラ、リーベ、オリビアに視線を送る。


三人とも、怒りと闘志でその瞳を燃え上がらせていた。


模擬戦の開始前、俺は昨日買ったばかりの魔導思念通信機を全員に装着させた。これは、俺たちのチームのパフォーマンスを最大化するための、重要な投資だ。


「(いいか、基本フォーメーションは、アステラが前衛でカリスタを抑える。リーベが中衛でサポートと妨害。オリビアは遊撃に徹し、サイドの二人を崩す。俺の指示があるまで、絶対に前に出るな)」

「(了解!)」

「(わかったわ、ユウト)」

「(わかったよ。あいつら、ぶっ飛ばしてやる!)」


頭の中に、仲間たちの頼もしい声が響く。


これなら、リアルタイムで完璧な指揮が執れる。


「両者、準備はいいか!――はじめ!」


審判の合図と共に、模擬戦の火蓋が切られた。


一瞬の静寂。演習場に張り詰めた空気が満ちる。先に動いたのは、カリスタたちだった。まるで、一糸乱れぬ鳥の群れのように、アンナとライラが左右から挟み込むような陣形で高速突撃してくる。王道にして強力な速攻戦術だ。


「(リーベ、敵の足元に『魔導防壁:水陣壁』! 相手の勢いを殺せ!)」


俺の指示に、リーベが即座に反応する。


アンナとライラの足元に、粘性の高い水の壁が複数、時間差で出現し、二人の突進が大きく鈍った。


「(オリビア、右翼のライラを狙え! 背後を取るんだ!)」

「(任せな!)」


オリビアが風魔法で自らを加速させ、一瞬でライラの死角に回り込む。


体勢を崩したライラに、オリビアの鋭い回し蹴りが叩き込まれた。


「ぐっ……!」


ライラは短い呻き声を上げて、その場に崩れ落ちた。まずは一人。


一方、中央ではカリスタがアステラに斬りかかっていた。


聖なる炎を纏った優美な剣が、アステラに襲いかかる。


「(アステラ、避けるな! そのまま光魔法で受け止めろ! 力比べだ!)」

「(うん!)」


アステラは一歩も引かず、その両手に眩い光を集束させる。


炎の剣と光の拳が激突し、凄まじい閃光と衝撃波が演習場に広がった。


互角。いや、それ以上だ。


俺の指示の下、寄せ集めであるはずの俺のパーティが、銀河屈指のエリートであるはずのカリスタたちと、互角以上に渡り合っている。


カリスタの表情から、焦りと驚愕に満ちた心の声が《解析瞳》を通して俺の頭に響いてくるようだ。


「(な、なんですの、この連携は……!? まるで、一つの生き物のように……!)」


フッ、驚くのはまだ早い。


本当の地獄は、ここからだ。お嬢様。

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