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給付金付き税額控除とは何か?←新自由主義税制「負の所得税」についての考察

○給付金付き税額控除とは「負の所得税」を一部借用したもの


高市政権が導入しようとしている「給付付き税額控除」をご存知でしょうか。特に一定以下の収入しかない人たちに「現金を政府が給付する」という制度であって、「そんなのウソだろ?」と思うのが普通と思われます。もしくは「生活保護とどう違うの (?_?)」という方も多いでしょう。てか…


お金をくれる税制なんてあり得るの…(?_?)



…と。要するに「言ってる事が意味分からなすぎて草」という事です。

ワイも最初はそうでした。しかし調べていくうちに、新自由主義の開祖・フリードマンが提唱した「負の所得税」の変形バージョンで有ることに気づきました。ならばワイ的に言えることは、



貧乏人に現金をくれるのは本当…(๑•̀ㅂ•́)و✧

しかも現実的に実行可能な税制…(๑•̀ㅂ•́)و✧



…というのが結論です。

この税制、どうやら20世紀には既に日本でも研究されていて、民主党政権時の頃あたりから一度、検討はされたようです。その後、自民党政権内で熟成され、カナダなどの先行事例を検証しつつ「効果あり」と判断したようで高市政権が目玉の一つとして打ち出してきたものです。ただし今後、高市政権が成立させようとしている「給付金付き税額控除」の中身は予算審議等を通じて変わる可能性があるため、ここでは論議しません。


その代わりに全ての基礎となる「負の所得税」に関して論じたいと思います。





-----

○負の所得税とは?

→『税金をマイナス分支払う』=『国からカネをもらう』というやり方



新自由主義者のイメージはよくありません。

多分、皆さんもお嫌いでしょう…(´-ω-`)


新自由主義者のイメージは「全て自己責任」で貧乏になったのも自己責任。助ける必要はない…的なイメージです。しかし真実は結構、違います。特に税制に関してはそうです。国民は自分の努力で(イヤイヤでも)働いてカネを稼ぎ、日々、慎ましく生活している。このカネを税金の形で搾取することは「全体主義」と捉えて嫌がっているだけです。中世の頃、我々庶民が貴族や地主などに搾取されていた姿の現代版にしか見えないからです。しかし福祉が必要とされる人たちもいます。そのため政府が補助をする必要も出てくるだろうということです。福祉国家化ということであり、コレを実現するためには税金カネが必要です。



ならば「福祉のためだけの税制を作ればいい!」



…これが「負の所得税」です。新自由主義の開祖・フリードマン自らが「政府が貧乏人を助けると称して我々から税金を取るのはおかしい。ということは、もし税金を取りたいのならば『福祉のためだけ』に税金を取らなければおかしい」という類いの事を連呼し、挙句、『貧乏人を助けるためだけの税制』を作った=負の所得税です。

負の所得税は極端にシンプルで、しかも極めて合理的で優れた制度です。基本的な考え方は例えるなら…


+10円を支払うということは、他人に10円くれてやることだ。

−10円を支払うということは、他人から10円をもらうことだ。


「もし+10万円の納税」をすれば、これは『税金をその分支払った』だ。

「もし-10万円の納税」なら、これは『税金をマイナス分支払った』だ。


→よって「-10万の納税」を支払うということは「政府から10万円のカネをもらえる」ということになるのです。これが「給付金付き税額控除」のベースとなった『負の所得税』の考え方です。

方程式も極めてシンプルなもので…



『 所得 × 負の所得税率 - 租税免除金額 』



これだけですm(_ _)m

例えば、租税免除額を10万円と設定します。この金額は事実上の「ナマポ料金」に相当します。働けない人=所得のゼロの人は、この租税免除額が国から給付されるということです。この内容に関しては以下の別ページで詳細に検討していますので、お手数ですがこちらをご覧ください。




§8-3【ここは読んで!】負の所得税のメカニズムについて 〜偉大なる先人、ミルトン・フリードマンが体系化した、誰もが得する素晴らしい税制【読んで読んでo(^ω^)o】

https://ncode.syosetu.com/n9737ke/56



これはもともとは「カクヨム」にて、宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たちをオマージュし、『アメリカ合衆国の負の側面』を強調した無敵帝国・ガトランティス帝国(←当時の設定ではこうなっていた)が、なぜアンドロメダ星雲を征服する程の超強大な国家に成長したのか?…という謎を税制から迫ってみたという設定で書き進めたものです。初出は2019年3月13日の内容です。


税制はその国の顔であり、国家を形作るもとい…とはよく言われますが、シンプルで公正で柔軟性に富み、なおかつ強力な税制である「負の所得税」に切り替えたためにガトランティス帝国は巨大帝国たる基を築いたという(結構強引な)展開を構築してみました(^^)/

新コロ前のかなり古い内容で、さらにカクヨムでパヨ公やネトウヨのバカどもに散々絡まれて激烈な論争を繰り返した挙句、カクヨム編集部から警告を受けまくったために「放棄」した内容になりますが、今でも内容自体は有効と思いますので、長文ではありますがご参照いただけましたら幸いです。なお、この内容 (約200万字分)についてはいずれ補足分200万字を加えて全面リファインして書き直すつもりですので、もう暫くお待ちください。



負の所得税のメリットは、大まかに以下のようになります


①最低限の生活保障のための税制であり、生活保護費用を始めから含んでいる「新自由主義者の考えた福祉税制」案である。これによって別途「年金」や「国民健康保険料」を負担する必要がなくなる。


②給付を受けた人=生活保護対象者は「税金をマイナス分支払った」のであるから「国にたかったわけではない」。よって給付金を博奕に使おうが飲み食いに使おうが何に使おうが「許される」。←税金をちゃんと「マイナス分」支払ったから


➂生活保護とは違い「給付金 (負の税金支払い)+所得 (自分の稼ぎ)」が得られるために勤労意欲が削がれることがなく、働いたらその分だけ資産が増加するというメリットがある一方で、政府はその分の負担を減らすことが出来る


④所得税率は一律なため、貧乏人も金持ちも「平等」に負担している=「負担の平等」を実現しているため富裕層にありがちな「自分だけが過負担されている」という理屈が通らない。


⑤負担税額は所得が大きい程、猛烈に負担が大きくなるために「金持ち優遇ではない」という意味で累進課税と同じであり、「公平な負担」を実現しているため逆進性がない。


⑥全ての収益を換金した上での所得に対してのみ課税されるためシンプルでわかりやすく納得感があるだけでなく、脱税の心配が極端に少ない。


⑦「負の所得税率」を変更するだけで政策的なインフレ・デフレを管理できる。つまり好景気を作り出すために政府支出の増加が必要であれば「負の所得税率」を変更するだけで実行でき、速やかで論点が少なく、また即時性が高くなる。


⑧消費税のような「なぜイートインのサンドイッチは10%課税なのに、自宅に持ち帰ると8%なのか?」とか「なぜ新聞は8%なのか?」という課税対象が極めて恣意的で非合理性を排除できる。つまり政府に圧力をかけてくる圧力団体や「税金チューチュー」するNPO団体などの圧力や不正を排除することが出来る。


⑨子供でも判る徴税方程式なので、徴税までの煩雑で面倒くさい行政上の手間が省ける。



…などです。

この「負の所得税」は個人の所得 (毎年の稼ぎ)に対して課けられるもので、相続税や贈与税とはまた別の話になります。同じように法人税とも関係がありません。ちなみに新自由主義者はそもそも法人税を認めていないのですが、これは現実的ではありませんね(^_^;)

あと銀行を封鎖した上で預金に課税する「預金税」と勘違いされることもありますが「負の所得税」は預金税とも違います。現行の所得税を「負の所得税」に置き換えたものとお考えいただければOKです。





-----

○「給付金付き税額控除」が成功するかは「不明」

→ただし先行事例は多数


高市政権が導入しようとしている「給付金付き税額控除」は、要するに「負の所得税」の一部分だけ切り取って使う…という程度の内容です。我々新自由主義者は当然、「負の所得税」を即時導入すべきとしていますが、現行の所得税制度を根本から変更する(てか所得税をなくす)ことになるのですから、到底、実現は不可能です。そのため「負の所得税」の一部を現行の所得税に組み込んでみた…という程度の内容と思われます。


ワイ的にどう思うか?…ですが、本来「負の所得税」というパッケージで初めて効果が出るはずなのに「給付金」の部分だけを切り取って現行税制に突っ込んだところで成功する可能性は低いと思っています。非常にネガティブです。とはいえカナダやアメリカなどでは導入されているようです。



諸外国の「給付付き税額控除」について (財務省)

https://www.cao.go.jp/zei-cho/history/2009-2012/gijiroku/senmon/2012/__icsFiles/afieldfile/2012/05/28/sen13kai3.pdf



なので、「じゃあ、やってみたらいいんじゃないですか…(´-ω-`)?」と思いますね。

もしくは、どうせやるのなら成功する事を祈っています…という程度です。なにしろ私たちの税金なのであり、失敗したら目も当てられないからです。タダでさえ税金・年金・国保社保の支払いに四苦八苦しているのですから…。今後の国会等の議論でどういう制度になるのかも今は不明ですし、政治的な駆け引きの結果、機能しなくなるほど劣化するかもしれません。なので論評は避けます。


そうではなく、ここでは新自由主義のフリードマンが「貧乏人を助けるためだけ」に制度設計した「負の所得税」の概念を導入したのが給付金付き税額控除なのだという事について述べ、「負の所得税」のメカニズムについて概要を説明させていただきました。


負の所得税は本当に良い税制で、生活に困った貧乏人を救済できる唯一の税制なんですよね。負の所得税が導入された暁には「日本は福祉を優先している国」と言われることになるでしょう。なにしろ税制はその国の骨格を形作るのですから…

【補足】

本編で引用した内容の「カクヨム」掲載のオリジナルパートはこちらです


§8-3【ここは読んで!】負の所得税のメカニズムについて 〜偉大なる先人、ミルトン・フリードマンが体系化した、誰もが得する素晴らしい税制【読んで読んでo(^ω^)o】

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/1177354054888798117

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