97 例え死んでも、しかしそれで良いとも
仲間の捜索をしながら怪物の巣を破壊してまわる。
より巨大な結界を作れるようになったので、一気に大量の怪物共を駆逐出来る。
おかげで進むごとに綺麗な場所が出来上がる。
それは良いのだが、あまりにもこの世界が広大すぎるせいか、なかなか仲間が見つからない。
いったい何処にいったのだと思ってしまう。
こうなると分かっていれば、互いに縄で結んでおいた方が良かったと思える。
それすらも効果があるか分からないが。
それでも少しでも手がかりを求めて探索をしていく。
攻略した山のような巣のあった場所を中心に周辺に広がっていくように。
気を飛ばして気配を探りながら。
途中にある怪物の巣も生滅させていく。
あっても邪魔になるだけだ。
仲間を探すために気を飛ばしてる最中に襲われたらたまったものではない。
それに、経験値も確保出来る。
これでレベルが上がれば、より広範囲を気を飛ばして探す事が出来る。
ついでに片付けるだけの価値がある。
レベルを上げながらの仲間捜しは難航する。
気を及ぼす範囲は広がったが、それ以上にこの世界が広い。
いっそ、ここで一度帰還した方が良いのではないかとすら思える。
だが、もし危機に陥ってたらと思うと、どうしても探してしまう。
せめて無事を確認できればと思いながら。
もっとも、一緒に来た者達もかなりの高レベル。
怪物に遅れをとる事はないはずだった。
よほど強力なものに遭遇しない限りは。
また、手順を間違えない限りは。
この世界に到着した瞬間に襲われてるのでもなければ問題は無いはずだった。
ただ、何があるのか分からないのが、怪物はびこる別世界。
もしかしたら、とも考えてしまう。
最悪の事態になっていてもおかしくはない。
もっともそれだって、怪物を全て倒せば生きかえる可能性がある。
怪物に殺されたという事実がなかった事になる。
そうして怪物がいない世界で復元されるかもしれない。
そうならずに生きているのが一番だ。
たとえ復元されるにしても、死ぬのを安直に受け入れるのをカズヤは躊躇う。
命はもっと大事にすべきと思ってるからだ。
だが、最悪の事態が起こっていても、それを無かった事に出来るかもしれない。
それが救いにもなっている。
そもそも、カズヤ自身も本当に死んでこなかったのか。
もしかしたら、どこかの時点で復元されてるのかもしれない。
そう考えることもある。
怪物退治が進むにつれ、様々な現象を見るにつれ、色々な事を考えるようになった。
その中で、自分ももしかしたら死んでたのかもしれないと思うようにもなった。




