90 破壊の限りを尽くしていれば、当然そこに駆け付けるものもいる
それは10キロに及ぶ巨大な身体をしていた。
ムカデのような節を持ち、蛇腹のようにうごめいてる。
その節から足や羽根をのぞかせていた。
節々からのぞくそれらは、全部で何十対と存在している。
空を飛んでる今、足はくるまって折りたたまれ、羽根だけが忙しく震えている。
そして頭の部分には、人の女のような顔をした頭があった。
無表情なそれは、ただ一点、カズヤのいる方をにらみつけている。
巨大な怪物の存在にカズヤも気付いた。
鋭敏な感覚は飛んでくる気配すらも感じ取る。
今まで見たことのない巨大な敵が近づいてくるのを。
それに合わせてカズヤも行動していく。
まずは周囲のある怪物の巣を破壊していく。
接近までまだ猶予がある。
その間に出来るだけ怪物の巣を破壊し、経験値を稼いでおく。
少しでも強くなっていれば、それだけ抵抗しやすくなる。
それでも、せいぜい数十分程度の余裕しかない。
新たに作った結界で壊せる巣は高がしれている。
それでもカズヤはひたすら結界を作り続けた。
そうしてる間に巨大な怪物が到着する。
節々から手足と羽根をのばしたムカデ。
そんな姿の怪物がカズヤが破壊の限りを尽くしてる場に到着する。
だが、上空に滞空したまま怪物は降りてこない。
カズヤはそこにいるというのに。
理由は簡単、聖域があるからだ。
そこに踏み込めば巨大怪物とて無傷では済まない。
即死はなくてもかなりの傷を覚悟しなくてはならない。
さすがに怪物もそれは躊躇した。
擦り傷程度なら良いが、それでは済まない。
それくらいの強さの結界が張り巡らされている。
カズヤが結界を作りつづけたのはこれが理由だ。
結界による聖域の中で怪物は生きていられない。
強力な怪物であっても、触れれば傷を負う。
そんな中にいるカズヤに追いそれと手を出せるわけがない。
それを見越してカズヤは結界を増やしていく。
巣を破壊し、更に経験値を得るために。
さすがにそれを見て、羽根の生えたムカデも放置は出来なくなる。
長大な身体をひねり、地上へと向かう。
結界によって広がった場所へ。
怪物の巣への破壊を進めるカズヤに向かって。




