89 更に深い世界へと
感じた浮遊感とその終着。
以前体験した通りに、唐突に暗がりが消えて、見知らぬ風景があらわれる。
更に別の世界にたどり着いた。
二番目となるこの世界も、やはり怪物共がはびこっていた。
早速活動をしようとして、カズヤは気付いた。
一緒に来た仲間がいないと。
暗がりの中ではぐれたのだろう。
さすがにこれはうっかりしていた。
暗がりの中では互いの姿が見えない。
それに、必ず同じ所に出現するとも限らない。
手をつないでるのでもなければ、別々の場所に飛ばされる可能性があった。
そこに思い至らなかった。
うっかりしすぎである。
とりあえず仲間の存在を探す。
だが、広げた気の範囲に仲間はいない。
地球全土をくまなく探せるほど探知範囲を広げたのにだ。
この世界はそれ以上に広いようだ。
あるいは、探知を妨害するほど怪物の影響が強いのか。
どちらであっても、まずい状況なのは確かだ。
だが、嘆いていても始まらない。
仲間の反応がないのを確かめたところで探知を終わらせる。
それよりも目の前の脅威を片付けるのが先だ。
今回も立ち並ぶ怪物の巣が連なる世界だった。
幾重にも開物の巣が連なり重なりあってる。
植物型の怪物がによって作られるそれは、巨大な森のようだった。
あるいは、植物型の蟻塚のようだった。
それらをさっそく破壊していく。
結界で覆い、その中にいる怪物全てを消しさっていく。
この世界の怪物は今までの世界のものとそう変わらない。
多少強いが、極端な差は無い。
撃退することそのものはそう難しくはなかった。
そんな怪物共を倒すために、結界を次々に作っていく。
レベルが大きく下がっていくが、問題は無い。
巣が破壊されれば、消費した以上の経験値が入ってくる。
そこかしこから流れこんでくる光の粒が、カズヤに失った以上の経験値をもたらしてくれる。
そびえる樹木のように高く連なる巣を破壊していく。
目に見える部分から手当たり次第に破壊する。
それだけ周囲に怪物がひしめいている。
身の安全を保つために、手当たり次第に破壊していくしかなかった。
怪物も次々に逃げていく。
立ち向かってくる者もいるが、カズヤの作った結界を突破出来ないでいる。
そういった者達のほとんどは、結界に触れた瞬間に消滅していく。
それほどまでに、カズヤの作った結界は強力だ。
怪物は一匹も突破することが出来ない。
無駄に命を散らし、光の粒となってカズヤの経験値になるだけだ。
それを察したのか、大半の怪物は逃げていく。
それは仕方ないものとしてカズヤも放置していく。
出来れば多くの怪物を倒していきたいが、出来ることに限りはある。
まずは怪物が生まれてくる巣を破壊していく。
そうすれば、自然と怪物も滅亡していく。
次世代が生まれないのだから。
そうして集まる経験値を使い、より広大で強力な結界を作っていく。
日本全土をおおい、何十キロという高さにまで届く範囲を。
その中に閉じ込めた怪物が瞬時に死滅していく。
巣も外側から消え去っていく。
後には何も残らない綺麗な空間が残る。
それだけの範囲を破壊しても、広大なこの世界の巣を破壊し尽くすことは出来ない。
どこまでも広がる大地と、どこまでの高い空。
それを覆うような巨大な怪物の住処。
その影響を取り除くのは難しい。
ひたすらに結界をはって、少しずつ影響を取り除く。
それ以外に方法はなかった。
ただ、怪物も手をこまねいてるわけではない。
破壊の限りを尽くすカズヤに向けて、巨大な怪物が迫っていく。
それは長大な身体をくねらせながら、カズヤのいる方向へと向かっていった。




