88 世界は融合していく
別世界・別次元への遠征は続く。
連れていかれた者達が怪物の巣を破壊してまわる。
次第に元の世界と別世界の区切りが曖昧になっていく。
怪物の巣が減るごとに、元の世界との接点が強くなっていく。
それも怪物退治による正常化によるものなのだろう。
なぜそうなるのかは分からない。
だが、分からなくてもかまわなかった。
良い結果が出るのだから。
元の世界と別世界の合流。
あるいは結合というべきなのだろうか。
二つの世界がくっついていく。
それによって、より多くの人々が超能力に目覚めていった。
もともと備わっていた能力が回復したのだ。
とはいえ、問題もある。
二つの世界が繋がることで、元の世界にも巨大な怪物の巣があらわれるようになる。
引き合ってしまった故の弊害だ。
だが、巣を破壊できる人間が増えてるので、極端に大きな危険にはなってない。
世界が重なりあうことで元の世界に移動していく巨大な巣。
それらは気を操る超能力に目覚めた者達によって次々に破壊されていく。
こうなるとカズヤとその仲間が率先してやる事は少なくなる。
巣の破壊は他の者でも出来る。
あえてカズヤが出しゃばる必要は無い。
そこで、カズヤは更に先に進む事にした。
再び、暗がりの向こう側に飛び込んでいく。
別世界・別次元にも怪物の巣はあった。
それが崩壊する時も、暗がりがあらわれる。
ならば、その先にまだ別の世界がある。
そこに向かっていくことにした。
今度はそれに同行する者もいる。
カズヤには及ばないものの、ほぼ同等の強さを持つ者達だ。
さすがに一人で行かせるのはしのびないという。
その申し出をカズヤはありがたく受け入れた。
人手は多い方が良い。
そして別世界にある巣の中に突入する。
最近ではほとんどしなくなった巣の攻略方法だ。
久しぶりなので動きが少々ぎこちなくなる。
だが、やり方を忘れてるわけではない。
巣の中枢に向かい、そこを破壊する。
そうして巣を破壊して、暗がりを発生させる。
崩壊に飛び込み、その先にある場所へと向かう。
この方法が変わる事は無い。
ただ、レベルが上がった事で、やり方は少々変える。
以前は単に道を進むだけだった。
しかし、レベルが上がった今は違った方法を使う事が出来る。
気を放って巣の内部構造を探知していく。
立体的に連なってる通路がカズヤの頭の中に描かれていく。
中枢である最奥の部屋まで見通している。
そこまでの道をカズヤは把握した。
その上で、中枢まで一直線に気を放っていく。
道を切り開くために。
何も無理して通路を進む必要は無い。
怪物も大量に待ち構えている。
それらを相手にするのは面倒だった。
倒すことは簡単なのだが、手間がもったいない。
なので、怪物が使うのとは別の通路を自分用に作っていく。
強引な手段だが、それが出来るだけのレベルになっている。
今のカズヤにとって、怪物の巣を形作る人面花の茎や蔦など造作もなく破壊できる。
その通路を怪物用の結界にして、邪魔する者達の侵入も防いでいく。
こうして作った通路を通り、カズヤと仲間達は一気に中枢まで駆け抜けた。
邪魔もなく快適に進んでいける。
能力も上がって異動速度も上昇している。
以前は奥にたどりつくまで数日かけていたが、今は数時間でたどり着く。
出向いた先の中枢にいる怪物も、ものの数分で片付ける事が出来た。
あっという間に巣の崩壊に至る。
破壊した中枢である人面花の部分から巣が崩れ落ちていく。
どこともしれぬ場所に続く暗がりがあらわれる。
カズヤと仲間達は拡大していくそこに飛び込んでいく。
どこに繋がるか分からないまま。




