78 幾重にも重なる怪物の住処
巨大で強力な怪物の巣を攻略していく。
最初の予想通りに、一つ攻略するのに一週間くらいの時間がかかった。
中枢に到達するのに五日。
破壊した巣から脱出するのに二日。
それだけの時間がどうしてもかかってしまう。
それだけの時間をかけ、ただいなる労力を割いて手間をかけて。
それでも完全な攻略にはたどり着けない。
怪物を撃退する目的は、最終的にあるべき姿に戻すこと。
世界を復元すること。
そこにあるとカズヤは考えていた。
怪物を撃退し、巣を破壊する。
それによって世界は変わる。
変わって、怪物がいた頃よりも良い状態になっていく。
これが最終目的だ。
怪物を倒し、巣を破壊するのは、その為の手段だ。
今のカズヤはそう考えている。
なのだが、この世界はそれが簡単にできない。
巣を二つ三つ破壊した程度では、巣のもたらす影響力を完全に排除出来ない。
怪物のもたらす影響力というのだろうか。
邪念や瘴気と言ってもよい。
これの及ぶ範囲が広く、幾重にも重なっている。
まず、巣の一つ一つが大きく強力だ。
このため怪物の影響力が広い範囲に及ぶ。
これがいくつも積み重なって、高層ビルのようになっている。
しかも、このビルが乱雑に積み重なり、階層を作り出している。
しかも広く展開している。
縦だけでなく横方向にも並んでいる。
この為、一つ二つを破壊した程度では影響力が消えない。
薄くはなっていても、完全になくなる事は無い。
それでも巣を破壊していくしかない。
なのだが、聖域を作っておかないと破壊した苦労が無駄になる。
巣が消えて空いた空間には、すぐに他の怪物が入りこんでくる。
それを防ぐためにも、結界を作り、聖域を広げるしかない。
なので、巣の破壊と聖域作りを並行してやっていかねばならない。
多大な経験値を必要とする。
巣の破壊によって稼いだ莫大な経験値をこういう所に使っていく。
そうしなければいたちごっこで永遠に作業が終わらない。
やむなくカズヤは巣の破壊を優先していく。
休憩の為に一時的に結界を作る事はあってもだ。
まずはレベルを上げることを優先した。
おかげで、巣を破壊してもすぐに怪物が抜けた穴にやってくる。
新たな巣を作り始めていく。
だが、それはあえて無視していった。
むしろ、その方が好都合だった。
経験値を稼ぐのには。




