47 結合し、積み重なる巣窟
色々と思いながら会社へと向かう。
だが、その足を止める事になる。
予想通り、会社周辺は怪物の巣が並んでいた。
それだけではない。
都市の全てが怪物に飲み込まれている。
それも、ただ巣が並んでるだけではない。
巣の上に更に巣がのり、その巣を更に覆うように大きな巣が発生している。
幾重にも巣が重なりあい、一つに組み合わさっている。
「酷いもんだ」
一緒にきた男もあきれ顔だ。
おかげで、会社のはるか手前で足を止める事になった。
会社にたどり着くには、その手前にある巣から破壊していかねばならない。
でなければ、さすがにカズヤと男でも会社までたどり着けない。
間にのさばってる怪物があまりにも多すぎるからだ。
それでもやるしかなかった。
怪物をこのまま放っておくわけにもいかない。
都市一つを覆うような巨大な巣だ。
影響を与えてる人もかなりの数になるだろう。
それらをこのままにしてはおけなかった。
被害者が可愛そうというのもある。
それ以上に、都市を起点にして怪物が周囲に広がっていく。
それを止める為にも、都市の巣を破壊せねばならなかった。
何より、カズヤ達の時間が止まってる。
これを元通りにするには、怪物を排除せねばならない。
でなければ、怪物のはびこる空間にとらわれることになる。
抜け出すためには、大量の巣と怪物を殲滅するしかない。
早速手前から結界をはっていく。
聖域を作り、怪物共を排除していく。
ザコを瞬時に消滅させ、大半の怪物に重圧をかけて動きを止める。
そうして有利な状況を作って怪物の巣を破壊していく。
幾重にも重なってる今回の巣。
破壊には手間がかかる。
幾つも重なりあってる巣は、その中の一つを破壊しても終わりにならない。
まとまって一つになってる全ての巣を破壊して、ようやく巣が消える。
しかし、様々な巣が縦にも横にも繋がってる。
一カ所を完全に解放しても、時間の流れが元に戻る事はない。
つながりのある周囲の巣が影響をもたらしてるからだ。
それらも消滅させないと、怪物からの解放にならない。
この為、まとめて巣を10カ所も20カ所も破壊しなくてはならなくなる。
それだけ壊して、ようやく一区域を正常化できる。
それくらい手間がかかる。
幸いなのは、レベルが上がってること。
能力が高まってるので、巣を一つ破壊するのにそれほど時間はかからない。
以前は一時間はかかっていたが、今は20分もあれば余裕で破壊できる。
それでも、まともに地域を開放するのに、何時間もかかってしまう。
ぶっ続けで活動しても疲れないくらいに能力は高まってる。
それでも、何十回も巣の破壊に挑むと飽きてくる。
だんだんと気分がだらけていく。
作業の妨げになる事はないが、いつ終わるのだろうと思い始める。
「なんか、疲れますね」
「そうだな」
何十個目かの巣を破壊したところで、カズヤが音を上げる。
男もさすがにうんざりしてきたのか、手を止める。
「少し休もうか」
「そうですね」
男の提案にカズヤはのった。
二人とも、気を変換して飲み物を手に入れる。
そこらで売ってる缶ジュースだ。
それを飲んで一服ついていく。
「あと、どんだけ片付ければいいんですかね」
「さあな。
考えたくないほどたくさんだからな」
「いつもこんな感じなんですか、こういう大きな町の巣を破壊するのは」
「こんなもんだ。
今までは一人でやってたから、もっときつかったけど」
「考えたくないですね、それ……」
ぼやきと愚痴を口にしながら、二人は程よく気をぬいていった。
気負ったままでは気が滅入る。
少しは息抜きも必要だった。




