41 決して救ってはならない者達
6人のハーレム状態の連中は能力を持っていた。
カズヤと同じく、怪物と戦える力がある。
その力を使い、怪物を倒して回っている。
だが、決して巣を破壊しようとしない。
巣を破壊すれば色々な変化があらわれる。
今までいた人間が消えて、別の人間があらわれる。
そうして世の中が変わっていく。
ならば、今までいた人間はどうなるのか?
人が消えても良いのか?
そう考えるから、巣を破壊しない。
例え害が消えても、人も消えるのでは意味がない。
誰かを犠牲にしてしまう。
それが果たして良いのか?
そんなことを6人は考えていた。
一見すれば間違ってるようには見えない。
誰かを救うために、別の誰かを切り捨てて良いのか、という悩みは大事なものだ。
簡単に誰かを切り捨てる思考もそれはそれで間違ってるだろう。
どちらを優先するべきかという悩みは苦悩が伴う。
だが、カズヤの前にあらわれた6人は違う。
彼らが悩んでる事は根本的なところで間違っている。
まず、消えていくのはいてはいけないような者達だ。
他人に危害を加えるのを良しとするような者達がほとんどだ。
全てと言って良い。
中には怪物に心身共に食い散らかされ、原型がほとんど残ってない場合もある。
そういった者達は残しておくわけにはいかない。
生きていれば必ずどこかで問題を起こす。
その際には必ず犠牲者が出る。
そうなる可能性を残すということだ。
悲惨な現状が延々と続く。
6人はそれを良しとしていた。
やむをえないと言って。
そうでないのは明らかなのに。
代わりにあらわれる者達を見ればそれが分かる。
消えていく者達の代わりに出てくるのは、問題を起こさない者達だ。
いて欲しくない者達の代わりに、いてくれるとありがたい者が出てくる。
最低でも、いても害にならない者が消えた者達の代わりにやってくる。
だいたいが、消えた者達より良い人間がやってくる。
それを拒んでどうするのかとカズヤは思う。
(悪党なんぞいない方がいい)
カズヤの考えだ。
どんなに人の命が大事といっても、それが悪党なら話は別だ。
人に悪さをする、危害を加える者がいて良いわけがない。
必ずどこかで被害を受ける者達が出て来る。
それを良しとすることが納得出来ない。
実際に被害にあっていたカズヤだからこそかもしれない。
犯罪被害にあうのを当たり前として受け入れろと言われてるのだ。
なぜこんな事を受け入れねばならないのか。
理解も納得も出来ないし、する気になれない。
加害者への擁護。
それはもう共犯者というべきだろう。
目の前の6人は、まさしく共犯者だった。
怪物という驚異に協力する者達だ。
そんな連中がこれから何か口にしようとしてる。
それが何なのかも頭の中を読んでるカズヤには分かる。
怪物を倒すのは良いが、巣を破壊するのは駄目だと。
それを語って説き伏せるつもりでいるのだ。
「アホか」
何か言い出そうとするのを制するようにそう言う。
同時にカズヤは6人に向かって飛び込んでいく。
瞬時に間合いを詰め、6人のリーダー格の男の前に。
そのまま一撃を繰り出す。
高レベルの者が放つ、重い拳だ。
男は何も言えなくなる。
「ああ、いいよ、そのままで。
何も言うな」
腹に沈む重い拳。
その衝撃で呼吸が止まり、何も言えなくなる相手にそう言う。
「黙って死ね」
宣言してカズヤは6人を叩きのめしていった。
圧倒的なレベル差を前に、6人は抵抗も出来ない。
ほぼ一撃で戦闘不能になる。
二発も食らえば身体のどこかが壊れる。
三回目の攻撃が入れば、再起不能に陥る。
致命傷こそ避けられたが、6人は全員活動不能になった。
そんな6人をまとめて担いで巣へと向かう。
怪物の餌にして処分するために。




