29 どんな敵がいるのか分かった、だがやるべき事が変わるわけでもない
現状への嘆きが出そうになる。
それでもカズヤは作業を進めていく。
破壊しなければならない巣は多い。
それらを放置する事無く潰していく。
学校から帰ると、最寄りの怪物の巣まで向かっていく。
男と合流し、巣に潜っていく。
巣の構造はどれも大きな違いはない。
攻略方法にも違いはない。
何度も繰り返してきたので、やり方も身についてきている。
細かな部分での差もあるから、まだ男に同行している。
少しでも多くの教えをもらうためだ。
だが、それもそう多くはない。
「これだけ分かってれば、一人でも出来るぞ」
男もカズヤの成長を見てこんな事を言う。
実際、ある程度のレベルがあれば、一人でも巣の攻略は出来る。
男も今まで一人でやっていたという。
必要なのはレベルと、警戒心だ。
巣を破壊するのに充分な強さ。
何が起こるかを常に軽快する注意深さ。
これがあれば、巣の攻略はさほど問題は無い。
面倒なのは、巣の内部が迷路状になってること。
これのせいで、奥まで進むのが難しい。
もっとも、行きは下り坂を選ぶ。
帰りは上り坂を選ぶ。
これでたいていはどうにかなる。
あとは道を塞ぐ怪物が邪魔なこと。
倒せないわけではないが、足留めを食らうのが鬱陶しい。
ただでさえ、巣の中枢には強力な怪物がいる。
その相手もあるのだ。
手前の段階での邪魔されるのは困る。
もっとも、敵からすれば、少しでも足留めをしたいのも分かる。
ほんの少しでも消耗させれば戦うのが楽になる。
上手く仕留めることが出来れば儲けもの。
そう考えてるのかどうかは分からない。
分からないが、防衛側からすれば理にかなっている。
それでも、レベルの高いカズヤを止める事は出来ない。
邪魔する怪物を容赦なく倒し、中枢に到達する。
中枢にいる強力な怪物も倒し、巣を破壊する。
破壊して人々を解放していく。
ある程度の巣を破壊したら、そこで結界・聖域を作る。
レベルが下がるにしても、巣を幾つか破戒すればその分のレベルを取り戻す事が出来る。
差し引きをすると、幾らかレベルが上がるくらいだ。
そうして場所を開放していく。
怪物を退け、人が住める場所を取り戻していく。
この日も、そんな活動の一環として、少し離れた所まで足をのばしていた。




