24 やらねばならぬと次々に巣を壊し、さすがにうんざりし始める
巣を潰して回って分かった事だが、この町には怪物が多い。
怪物を産み出す巣が多いからだ。
なので、幾つかの巣を破壊しても、簡単に時間は動き出さない。
影響を与えてる巣を大量に破壊して、ようやく元の世界に戻る事が出来る。
カズヤの家の周りは、その中では例外だった。
まだ数が少なかったのか、割と少ない数の巣を破壊するだけで時間が流れだした。
なのだが、学校周辺はそうではない。
学校の巣そのものも大きかったが、それを中心にして数多くの巣が並んでいる。
それらが互いに効果を及ぼす範囲を重ね合わせている。
巣を一つ潰しても、他の巣からの影響が残る。
なので、巣を全て潰さないと、怪物の影響を無くす事が出来ない。
思いのほか手間がかかる事になった。
それをたった二人でやらねばならないのだ。
レベルが上がっても疲労や徒労をおぼえるというものだ。
「きついですね、怪物退治って」
「お前もそれが分かるようになったか」
「はい、とっても」
「そうか、良いことだ」
馬鹿げた事を口にしていく。
そうでも言ってないと気がもたない。
それでも二人は黙々と作業を進めていった。
やらなければ時間は止まったまま。
そこから逃れて元の世界に戻るために、怪物を潰してまわらねばならない。
体感時間で一日が過ぎ去ろうとしている。
レベルが上がり、体力も大きくなってるせいか、眠気などはない。
だが、やってもやっても終わらないという状況になってる。
だんだんと、「俺は何をやってんだろう?」という思いも膨らんでくる。
効果がないわけではない。
怪物の影響がない場所も出てきた。
だが、それを取り囲むように怪物の巣がある。
それらも破壊しないと、また怪物がはびこる事になる。
そうならないように、怪物除けに塩をまいてはいる。
だが、そのうち怪物がまた侵入するかもしれない。
そう思うと、原因となる巣を放置する事は出来なかった。
自分たちでも意外に思うほど勤勉にカズヤと男は動いていく。
ついでだから隣の巣も破壊しておこう。
そんなつもりで破壊して回るうちに、止まらなくなっている。
休憩ついでに作業を止めればいいものだ。
しかし、怪物の影響を一日でも早く止めたい。
そう思うと、結局目に付く巣を破壊しに行ってしまう。
「何やってんだろうな、俺達」
「まったくですね」
男の声に頷くカズヤ。
そんな二人は、本日何個目になるか分からない巣に突入していた。
巣の主とも言うべき最も奥の部屋の直前まで来てる。
「これが終わったら、いい加減終わりにしよう。
さすがに身がもたん」
「分かりました」
承諾してカズヤは奥の部屋に向かっていく。
「だったら、とっとと終わらせましょう」
「そうだな」
言いながら二人は巣の中枢へと向かう。
今日の作業を終わらせるために。
その数分後、巣は破壊された。
カズヤと男は、崩壊する巣から脱出。
残る怪物共を掃討して、この日の作業を終わらせた。
「ついでだから、奴等が入ってこれない場所を作るぞ」
時間が動き出す中で、カズヤにそう伝えた。
「今ならレベルも高くなってるし、何とかなる」




