19 やはり取り憑いていた、そして入ってこれないのも分かった
町の中を歩いて塩をまいていく。
怪物除けをある程度してから家に帰る。
この日も母親はまだ帰宅してない。
父の方もだ。
いつも通りなので、気にせずさっさと寝る事にする。
気力・体力ともにいつもより充実してるが、それでも疲れも出てきた。
(寝よ)
そう思って布団の中に入った。
ただ、布団に入って暫くして起きる事になる。
玄関の方から気配を感じたのだ
これもレベルが上がったおかげか、色々と察知しやすくなってる。
その感覚が玄関にいる存在の気配を伝えてきた。
間違いなく怪物のものを。
いったいどうして怪物が、と思った。
だが、すぐにその理由に思い当たる。
それを確かめるためにも、玄関を開ける。
そこには母親が立っていた。
人面花に取り憑かれている。
(やっぱり)
カズヤも今日の夕方まで怪物に取り憑かれていたのだ。
他の家族も同じようになっててもおかしくはない。
それを確認しただけでしかない。
取り憑かれてる母は、まかれた塩の中に入れないでいた。
人面花が苦しそうな顔をしている。
それが理由なんだろう。
気にせずその花に気を飛ばす。
まだ上手く操れないが、数メートル程度の距離だ。
これくらいならば、気を減退させずに飛ばす事も出来る。
一撃で人面花を粉砕し、母を怪物から解放する。
その瞬間に母は、つきものが落ちたような顔をする。
今まで険しい表情を常にたたえていたのだが。
それが取れて素面に戻ってる。
その事に驚いてるようだが、カズヤは気にかけもしない。
「どうしたの、入ったら?」
そう声をかけて部家に戻る。
家の中に怪物が入り込まないようになってるのは分かった。
それが分かっただけで充分だった。
母親がどうなってるのかはどうでも良い。
家族の事を気にする段階はとっくに終わってる。
今更それはどうでも良かった。
怪物が入ってこれないという事実の方が重要だった。
これで寝込みを襲われる危険性が減るのが分かった。
ぐっすりとはいかなくても、寝床の安全は分かった。
生きていく上では外せない睡眠。
それをとる事が出来ると分かったところで。カズヤはあらためて眠ることにした。




