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【完結】暗がりの向こう側 ~怪物が蔓延っていた世界で、生き残るために戦います~  作者: よぎそーと
1章

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11 戦い方と、気の使い方

 町内会館に出たカズヤ達は、外に出て町を巡っていく。

 蔦や根はまだ町に残っている。

 そこに人面花が咲き、人面虫がその上を伝っている。

 あらためて町が怪物だらけだという事を実感する。



「雑魚は無視していくぞ。

 潰さなくちゃならないのは巣だ」

 そういって男は進んでいく。

 その後ろをカズヤもついていく。

 そんなカズヤに、

「ついでに戦い方も教える。

 だからおぼえろ」

 迫る怪物を前にしてそんな事を言ってきた。



 カズヤも拒否するつもりはない。

 やり方を知っておかないと命があぶない。

 今のうちにすこしでも身につけておきたかった。



 そんなカズヤに、男はやり方を見せてく。

 幸い、周りは怪物だらけ。

 実地研修に困ることはない。

「じゃあ、見てろ」

 そう言って、迫る人面虫を迎撃していく。



「基本は一つ。

 気をぶつける。

 これだけだ」

 言いながら男は、気を放出していく。

 拳くらいの大きさの気の球を作り、それを人面虫に投げていく。

 人面虫も避けようとするが、気の球はその動きに合わせて動いていく。

 敵を狙って動く気の球は、人面虫の頭に当たって吹き飛ばしていった。



「こうやって気を飛ばすのはちょっと難しい。

 最初は練習が必要なはずだ」

 確かに難しそうだった。

 レベルが上がったからなのか、気を出すことは簡単にできた。

 だが、男のように固めて投げ飛ばすのが上手くいかない。

 上手くまとまってくれないし、投げ飛ばしてもすぐに消えていく。



「まずは身体から出せるようになってればいい。

 それだけでも能力を上げることが出来る。

 その状態で、怪物の頭を殴れ。

 簡単に壊れるぞ」

 そう言って、近くに割いていた人面花を男は指す。

 何をすればいいのか理解したカズヤは、気を出したままそれを殴りつけた。

 力を込める必要もなかった。

 拳を覆う気が当たった瞬間に人面花の頭が吹き飛んだ。



「な、簡単だろ」

 男の言うとおりだった。

 力で粉砕する必要がない。

 触ればそれで消えていく。

「俺達の出す気がこいつらと合わないみたいなんだ。

 だから、気を当てればそれだけで倒す事が出来る」



 その後も何度か試してみたが、男の言うとおりになった。

 動かない人面花の頭に気を触れさせれば、それだけで頭が溶けるように消えていく。



「ただ、気も使いすぎると疲れる。

 だんだんと身体が動かなくなってく」

 持久力とかスタミナと関わってるらしい。

 気を使うとこれらを消耗していく。

 なので、使い方は考えた方が良いという。



 とはいっても、それほど難しいものでもない。

 使っても生きてる限りはふたたび満ちていくものでもある。

 少し休めば気は回復する。

 連続で使わないように注意をした方が良いという事だ。



「あと、気を放ってる間は動きも良くなる。

 こいつらの動きくらい、簡単に追いつける」

 そう言って今度は、人面虫を示した。

 促されるままに、カズヤは人面虫に向かっていった。



 確かに簡単に接近できた。

 最初に見たときは、素早く動くと思っていたのだが。

 気を使うと途端にそれが鈍く見えるようになる。

 動きが遅いから簡単に接近する事が出来る。

 そこで軽く腕を伸ばす。

 パンチというほど強くもなく。

 だが、それはカズヤ自身が思ってるよりも速く繰り出された。



「え?」

 驚きの声が漏れた。

 そう思ってる間に軽く握った拳が人面虫の顔面をとらえる。

 調った女面の頭が、拳にまとった気に当たって消えていく。

 溶けるように消滅していきながら、人面虫は死んでいった。

 あんまりにもあっさりと倒せた事に驚いてしまう。



 とはいえ、呆然としてる場合でもない。

 周囲には他にも人面虫がいる。

 それらを倒さないと危ない。

 慌てて近くにいるものから倒していく。

 一瞬にして距離を詰めて、頭を殴りつける。

 軽く振った拳が、相手の頭を消し飛ばす。

 それを何度か繰り返した。

 周りにいた人面虫は、それで消え去った。



「お見事」

 様子を見ていた男が賞賛を口にする。

「初めてにしちゃ上出来だ」

「そう……ですか?」

「ああ。

 びびらずに向かっていくだけでも充分だ。

 それが出来ない奴の方が多いからな」

 言われてみて、確かにそうだなと思った。



 異様な姿の怪物が相手だ。

 近づくのも嫌なものだ。

 まして、殺しにかかってくるのだ。

 普通なら驚くし恐怖をおぼえるだろう。



 それなのにカズヤはしっかりと戦う事が出来ている。

 やらないと自分がまずいと思ったからだ。

 なので、とにかく少しでも早く敵を倒す事にした。

 人面虫は不気味だが、嫌がってるわけにはいかない。

 放置したら命が危なくなるのだから。



「その調子でいこう。

 まだ幾つか巣を潰さないと終わらないみたいだしな」

 男はそう言って進んでいく。

 カズヤも続く。

 そんな二人に周りの怪物達が襲いかかる。

 だが、二人はそれを難なく撃退していった。

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