102 他の星の人類をも巻き込んでいた
巣を破壊し、あらわれる暗がりの中に飛び込む。
深淵から深淵へ。
その先に何があるかは分からない。
危険ではあるが、かまわず進んでいく。
世界をまたぐ度に怪物を倒していく。
後ろに道を作るためだ。
元の世界との接点がなくなれば、戻ることが出来なくなる。
試した事はないが、これ以上の危険をおかすつもりはない。
帰り道だけは確保していく。
相変わらず怪物は世界を塞ぐ形ではびこっている。
見るのも鬱陶しいそれらを、片っ端からたおしていく。
そうして得た経験値により、カズヤのレベルは凄まじいことになっている。
高まり続けた能力は、もはや人間を超えていた。
既に神の領域に到達している。
万物の創世などお手のもの。
時空を操り、生命の根源すら自由に出来る。
それこそ宇宙を創造する事すら可能になっている。
そんな能力だから、怪物がどこからやってきてるのかすら把握していた。
さすがにそこまでひとっ飛びとはいかないが。
だが、怪物が発生してくる根源。
その場所は突き止めている。
あとはそこに突入するだけだ。
目処が立ってきた。
怪物を倒すために、何をどれくらい頑張れば良いのかが分かる。
怪物が生まれてくる根源となってる場所。
それがどこにあるのかは既に掴んでいる。
それがどれほど強力なのかも。
今のカズヤですら手こずるくらいに強い。
だから、まだ対決は避けねばならなかった。
まだもう少し強くならなくてはならない。
あともう少し怪物を弱めねばならない。
それが出来て、初めて怪物を殲滅出来る。
不毛な戦いが終わる。
怪物のいない、平穏な世界がやってくる。
人類もその為に頑張っている。
カズヤが切り開いた怪物の世界への道。
そこを通って怪物を倒していってる。
地球人類だけではない。
他の星の人類も怪物の世界に突入してきている。
怪物の世界を破壊していくうちに、そういった所にも繋がるようになった。
それで合点がいった。
怪物が時間や空間にまたがって悪影響を及ぼしてるのは判明している。
歴史が書き換わり、地球の大きさが変化するほどに。
それでも、地球一つだけに影響を与えてるにしては不自然な事があった。
怪物の世界が異様に巨大なのだ。
怪物の巣を破壊して発生する暗がり。
その先にある怪物のいる世界。
それは進めば進むほど大きくなっていた。
地球だけに影響を及ぼしてるなら、そんな事にはならないはずだ。
進めば進むほど、怪物の世界は小さくなっていくもののはず。
だが、実際はこの逆だった。
暗がりをくぐるごとに、怪物の世界は巨大になっていた。
どうしてそうなってるのか、最初の頃は分からなかった。
だが、今なら分かる。
怪物どもは、地球一つに巣くってるわけではない。
この宇宙全体を蝕んでるのだ。
怪物の世界は、それこそ宇宙全体にひろがっている。
地球は、そんな巨大な怪物の世界にとらわれていたのだ。
勘違いをしていたのだ。
地球の中に怪物の世界があると。
そうではない、巨大な怪物の世界からのびた道が地球につながっている。
他の星もそうだ。
怪物の世界を中心に、数多の星がとらわれてるのだ。
言うならば、枝についてる葉のようなものだ。
その葉の一つ一つが人類の住む星だ。
地球も、数多い葉の一つにすぎない。
怪物の世界は、そんな葉につながる枝であり、太い幹だ。
カズヤは末端の葉から、枝を通って幹に向かって進んでるのだ。
進めば進むほど世界が大きくなるのも当然だ。
その先に怪物の根源というべきものがある。
巨大な怪物の世界の中心。
怪物が生まれてくる場所。
そこを破壊しにいかねばならない。
その為に、他の星の者達と協力していく。
とはいっても、連絡をとって連携をとってるわけではない。
それぞれが出来る事をやっていく。
それが自然と協力体制のようになっている。
意図的に行動や活動を合わせてるわけではない。
それでも互いに影響を与え合い、成果を出していっている。
それぞれの世界から怪物を倒していっている。
そう決めたわけでもないのに、陽動に各個撃破、挟撃という形になっている。
怪物をそれぞれの方面から叩き潰していっているだけなのに。
計画性のない無分別な行動。
それが怪物を追い込んでいっている。
その先陣を切る形でカズヤは突撃していく。
進めば進むほど、多くの世界と繋がっていく。
より深いところにある怪物の巣を破壊する事で、別の世界の解放になっていく。
既に地球だけの問題ではなくなってる。
宇宙全体に関わってる。
全ての銀河を含んでる宇宙。
その全てに怪物の魔の手が及んでる。
それを破壊し、排除、抹殺していかねばならない。
そうしなければ怪物の悪意と悪影響を取り除けない。
妥協は出来ない。
怪物にそうする意思がない。
そもそも、他者への思いやりやいたわり、慈しみなどない。
怪物だけが繁栄すればよい、そう考えてる。
それが当たり前で、疑問を抱く事も無い。
怪物とはそういう存在だ。
抹消する以外に、自由を取り戻す方法はない。
怪物から解放された多くの星の人類は、自然とそう悟っていく。
あるべき姿に復元された世界で、怪物が脅威だとはっきり理解されていく。
敵として認められた怪物に、あらゆる人類が対抗していっている。
そんな者達の自発的な行動が、怪物を追い込んでいった。
少しずつ、着実に。




