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100 ここで終わらせないために

 人類全体が怪物との戦争に突入してる。

 そこまで変わった世界で、カズヤはどうしようか迷っていった。

 このまま一般人として暮らしていっても良い。

 無理して戦う理由はない。

 怪物との戦争は軍隊が行ってるのだから。



 だが、普通の生活に戻る事も躊躇っている。

 確かに戦う必要はなくなった。

 なのだが、本当にそれでよいのかと思ってしまう。

 戦況や世の中のあり方を見てそう考えたのではない。

 ただ、何となくこれでよいのかと直観が働いていた。



 何かがおかしい…………。

 言うなればこういった気持ちがカズヤの中に浮かんでくる。

 何がどうおかしいのかは分からない。

 しかし、妙な違和感があった。

 ここで止まってしまったら、大事な何かを取り逃しそうな気がしていた。



 根拠のない直観である。

 だが、カズヤは自分の感覚を信じている。

 今までも、何となく変だな、という思いを大事にしてきた。

 頭で割り切れなくても、智慧や理性では問題ないとしてもだ。

 どうしても納得できない何か胸の中に浮かぶ事がある。



 そうした場合、直観に従った方がよい結果を生むことがあった。

 今、その直観が働いている。



 人類総出で怪物と戦っている。

 それは喜ぶべき事だ。

 だが、決して状況はよいわけではない。

 少しずつ押しているが、一進一退な状況だ。

 いずれは勝てるだろうが、それがいつになるか分からない。



 それに、巣がまだ存在していた。

 別世界・別次元の、山のように巨大な巣。

 それは、その奥に更に何かがある可能性を残してる。

 山のように巨大な巣が崩壊し、そこにあらわれる暗がり。

 その向こうにはまだ何かがあるように思えた。



 おそらく、更に強力な怪物。

 それがいるように思えてならない。

 それを倒さなければ、脅威が消え去ったとはいえない。

 生き残りがいれば、必ずどこかに巣を作る。

 そして、再びやってくる。



 この可能性を消すには、暗がりの向こうに突き進むしかなかった。

 その果てに、怪物が生まれる根源があるはず。

 それを消滅させない限り、カズヤは安心できない。



 怪物を倒すことで、全てはよい方向に変わっていった。

 あるべき本来の姿を取り戻し、世界は復元されていっている。

 だが、怪物が再び侵略してきたら、その逆の事が起こるかもしれない。

 再び人類を食い物にしていった場合、誰かが消えていく。

 それは怪物にとって邪魔な存在になるはずだ。



 それを阻止するためには、完全に怪物を根絶やしにしなくてはならない。

 根源を取り除き、抹消しなくてはならない。



 怪物を完全に消し去る。

 その為に、暗がりを超えねばならない。

 その先に何があるか分からないが。



 行くしかない、そう思ったカズヤは再び別世界・別次元へと向かった。

 巨大な怪物の巣を破壊し、そこにあらわれる暗がりの中へ。

 怪物が潜む場所へ。

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