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漫才「彼女審査」

作者: おたかと

ボ=ボケ ツ=ツッコミ




ツ「いや~俺ね最近ね彼女ができましてね。」




ボ「あらそうなんですか~。」




ツ「もうね~本当に可愛くてね。毎日彼女のことしか考えてないのよね。」




ボ「あ~それはまずい。」




ツ「何がだよ?」




ボ「もうラブゴーグルをかけちゃってるから、何にも見えなくなってしまってるね。」




ツ「何だよラブゴーグルって。彼女が好きだから毎日考えてもいいだろうよ。」




ボ「それが良くない。その子がいい人なのか今度俺に審査させてくれよ。」




ツ「何だよ審査って趣味が悪い。誰と付き合おうが俺の勝手だろ。」




ボ「いや友達には女性で失敗して欲しくないのよ。」




ツ「そう思ってくれるのはありがたいけどさ。どんな風に審査するの?」




ボ「まぁ俺とお前と彼女含めた3人で飲みに行ってさぁ。そこでの彼女の言動を見て判断する。」




ツ「何だそれ。例えば?」




ボ「食事のマナー」




ツ「まぁそれは基本だねぇ。」




ボ「食べる前に『たなつもの百の木草も天照 日の大神のめぐみえてこそ 頂きます』ってちゃんと言えるかどうか。」




ツ「大体の人言えねぇよ。『いただきます』だけで良いだろ。」




ボ「『いただきます』なんて誰でも言えるだろ?誰もができて当たり前のことをちゃんと意味を持ってやっているかどうかで人間性がわかるからね。」




ツ「割と全うな意見だと思うが『いただきます』で判断されるのはムズ過ぎるだろ。他には何を見るの?」




ボ「あと彼氏じゃない俺に対しての振る舞い方ね。」




ツ「まぁ。彼氏以外の人の態度を見ておきたいしね。」




ボ「彼氏が好きすぎて俺のこと見えてないのは嫌だしね。」




ツ「まぁよくあるけどね。」




ボ「俺が話しかけても全く反応しなかったり。」




ツ「あらやだね。」




ボ「焼き鳥頼むときも2人前しか頼まなかったりね。」




ツ「そりゃ酷い。」




ボ「俺が箸持ったら『え?お箸が浮いてる⁉』って騒いだり。」




ツ「物理的に見えてないの⁉そりゃ誰もお前のこと相手にできないわ。焼き鳥も二本しか来ないよ。」




ボ「だってラブゴーグルかけちゃってるからさ。俺のことなんて認識できないだろ?」




ツ「お前の存在が視界から消えることはないだろ~あと『ラブゴーグル』って何?さっきから。」




ボ「まぁまぁこうやって色んな観点から判断していくわけよ。」




ツ「正しい判断は一つも出来てないけどね。じゃあお前が審査してOKだったら付き合っていいわけだね。」




ボ「まぁでも基本1回ではOKしないけどな。」




ツ「え?何回もやるの?」




ボ「そりゃ1回じゃわからないだろ?初対面の俺の前だといいキャラを演じてるかもしれないし。何回も会って心が開いてきたころに本性もわかるからね。」




ツ「じゃ?飲み以外の遊びにもついてくるの?」




ボ「うん。温泉旅行とか。」




ツ「いやいやいや。流石に俺らカップルぶち切れちゃうよ。一番来たらダメだろ~いったい何を審査するの?」




ボ「女風呂を覗いた時に何を投げつけてくるかで、その彼女の性格を判断する。」




ツ「覗くつもりに関しては後で八つ裂きにするとして。じゃあ桶投げてきたらどんな性格なの?」




ボ「包容力がある。」




ツ「タオルは?」




ボ「束縛が強い。」




ツ「じゃあ石鹼は?」




ボ「一緒にいると心が洗われるような人。」




ツ「何だこの気色の悪い心理テスト。そもそも覗いたら性格云々より、警察呼ばれて恋人関係終わっちゃうからね。」




ボ「そうかぁ。てかさぁ。ふと思ったけどお前の彼女って、温泉旅館来ても部屋のシャワーしか浴びないのがカッコいいとか思ってそうだよなぁ。」




ツ「は?」




ボ「女将さんが料理の説明してくれてるのに、ガン無視してインスタ用の写真撮ってそうだよな?」




ツ「おいおい。」




ボ「部屋で飲み残したビール缶とか、『どうせ中居さんが片付けるって~』とか言って片づけずにチェックアウトしそうだよな。」




ツ「流石にいい加減にしろよ!何で俺の彼女のことそんな下品な女に仕立て上げようとするんだよ!何も知らないくせに!」




ボ「ほーんじゃあ彼女のここが素晴らしいってところは?」




ツ「んなのいっぱいあるよ!可愛いし。優しいし。料理上手いし。気配りもできるし。そもそも俺を好きになってくれたこと自体素晴らしいことなんだよ!」




ボ「はっはっはっ...はーはっはっ。」




ツ「何が可笑しいんだよ?」




ボ「いやはや。君の彼女に対する思いは素晴らしいなぁ。感動したよ......合格だ!」




ツ「は?合格?どういうこと?」




ボ「実は君の彼女に、お前が彼氏としての度量を見極めてくれと頼まれてねぇ。」




ツ「え?じゃあ何?俺の彼女として相応しいかどうか審査する話をしながら、彼氏として俺が相応しいかどうか審査してたの?んで彼女はその審査をお前に頼んだの?」




ボ「そういうことだ。おめでとう!これで君たちは正式にカップルになれるぞ!」




ツ「俺...決めたわ。」




ボ「何を?」




ツ「彼女と別れる。」




ボ「うん。俺も正解だと思う。」




ボ・ツ「どうもありがとうございました。」

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