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君と最後に選ぶ言葉  作者: 廣田
恋愛ごっこ
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今日の始まり

そう、あの日僕は決めたんだ…。

2年前の夏。桜哉が部活で怪我をし、鎖骨を折った時しの子はいつも見舞いに来ていた。そんなしの子を見ていたら、嫌でもしの子の気持ちが分かった気がした。

しの子は、その時から桜哉の事が好きだったんだろう。だから、僕は決めた。

しの子とは友達以上でも以下でもないと。

だってそれが2人にとっての1番の幸せであり、しの子の悲しむ姿を見なくて済むから。


──パンッ。

勢いよく背中を叩かれ、僕は現実に引き戻された。叩いた人物は大体見当がついているので、「急に叩くなよ」と少し不服そうに言う。「あはは。ごめんてー。でもお前がボーっとしてるから悪いんだろ」と叩いた当の本人は悪びれる事も無く笑っている。「別にボーッとなんかしてない」とまた少し不服そうに言う。するとそいつは「ははは」と。笑った。正直言ってこいつは苦手だ。

席が近いと言うだけで、やたらと絡んでくる。まぁ、悪い奴では無いけれど。

「そういや、今日しの子と何かあったの」と、突然そいつが聞いてきたので、僕は一瞬ドキッとした。まるで、今のこいつには全部見透かされているような気がしたから。

だけど、僕は至って平静を装い「何も無いよ」とだけ返す。「あっそ」とそいつの素っ気ない返事を聞いて少し安心した。

だけど、それと同時に安心してはならないと思った。いつ何が起こるか分からないから。

ガラガラッと扉が開く音がして、担任が入ってきた。

学校内での今日が始まり出した。と思った。

ふと窓の外の空を見た。空はいつも通り、青く澄んでいた。そんな空を見ながら、僕は今日1日が無事に終わります様にと思ってしまった。

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