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グループワーク編6

よろしくお願い致します。

これからチップの安全性、重要性を告知する動画を作成するのだが…

「動画を作成はアプリでいいじゃないか」

「わたくしが出ているのにあまり質の低い動画では事務所が許しませんの」

「って言っても私たち全員、映像作品なんか作れないわよ」

「困ったねー」

「映像研究部の友達に相談してあげるさ!」

「むこうも同級生ならグループワーク中だろ?無理なんじゃないか?」

「春市…甘いな、こっちには最強の交渉材料(カード)がある!それを使えば絶対に動かせる!」

「高生くんがそこまで言うなら聞いてみてもらおうかな」

「佐名姫!任せてください!」

「俺も行こうか?」

「大丈夫だ今回春市の出番はない!」


高生が1人、文化部部室連に向かった。


―映像研究部部室

「高生殿!さすがに高生殿のお願いでも無理でありますよ」

「そこをなんとか!頼めないか!」

「あの…ぼ、僕たちも、グループワークで映像作品を作ってるんだ、だからごめんね」

映像研究部は俺たちの代から出来た部なので

部長、副部長も同級生だ。

だからこうして相談できるわけなのだが…


「そう言うわけなのでありますよ、申し訳ないがお引き取り願いたい」

部長は頑なだった

それは想定していた

いまグループワークで

みんな本当に締め切りに追われている


しかし…

高生様の最強カードでこのデュエルは

勝たせてもらう!!!


「源道寺千加、佐名優希、馬来田朝七が出演する」

「!!!!!!!!!!」

「くっ!しかし我々も映研部のプライドがあるでありまする!無理なスケジュールでクオリティを下げるわけにはいかないのであります」

「こ、今回は、ぼ、僕たちは映研部でグループワークの指示が来たんだ、だから部の2年全員で一丸となって作品づくりに集中してる部長と僕だけでスケジュール動かせないんだよ」

「そうか…」

「申し訳ないであります」

「ごめんね」

カチカチカチカチ

部室では部員達がこちらに目もくれずに

パソコンに集中している。

「部長、副部長!はやく編集箇所のチェックお願いします!次に進みません!」

「了解であります!」

カチカチ

カチカチ

「ほ、本当にごめんね、戻らなくちゃ」

「すまぬ!高生殿」


いま、カードが開かれる!!


「水着での撮影だったんだがな」



!!!!!!!

この最強カードの破壊力

男性なら防御不能!


ピタッと静寂が訪れる

無音が空気を支配する


「う、うん、そう、だったんだね、でも…」

「高生殿…」

部室に緊張感が走る

部員全員が部長の次の言葉を待っている

「た、高生くん、僕たちもう作業に戻るね」

くっ!バカな!副部長にはまったく効かない…のか…

多分彼女がいるのだろう!リア充め!

「あぁ、それじゃあな!」

 踵を返し立ち去る


「高生殿!!」

「どう…したんだい。」

「吾輩、人生で初めて夢を見たであります、寝ても、いないのに夢を…みたであります」

「ぶ、部長?」

「高生どのぉ!その作品づくり、何卒協力させていただけぬか!」

「ぶ、部長!ダメですよ、自分たちのグループワークはどうするんですか〜他のみんなも絶対はんた…」

「皆の衆に迷惑はかけないであります!吾輩ひとりでもやり遂げる所存」


部長の覚悟が部員たちの心に響く!

そして…いま仲間たちが立ち上がる!


「部長!!いつか…いつか広く世の中に愛される映像作品を作ろうと、みんなで語り合ったではないですか!」

「任せてください部長!人々に夢を与える作品!我々しか出来ない使命!やりましょう!」

黙々と作業していた部員達が立ち上がる!!

「決して源道寺さん馬来田さんの水着とか谷間とかが気になるわけではない!!」

「そうですよ!学校でも谷間はないけど、そこが人気な佐名さん健康的な肢体に興味があるわけでもない!」

「みんなの夢を叶えるために!」

「我々の夢を叶えるために!」

「夢を叶えたいか!みんな!」

「「うおおぉぉぉ!」」

怒号にも似た歓喜が部屋を覆う!


「ふっ、夢ってのはな、起きてる時に見るもんなんだよ!男はな!!!」

「「タカオ!タカオ!タカオ!」」

鳴り響く鬨の声(ときのこえ)

「も、もう…みんな、本当に大丈夫なの〜?」


「と、いう事で皆んなみず、ドブぅゥフ!」

「バッカじゃないの!」

なるほど、俺なら絶対に止める、

そう考えて連れ行かなかったんだな。

正解だ!俺は

怖すぎてそのカードは切れない!!


「さっ…さすがに恥ずかしいよ」

「わたくしはかまいませんわ」

!!!

「お仕事でグラビアなども撮影しますから、普通のことですわ」

「普通じゃないわよ!」

「?ですけど水着をお召しになる事ありますでしょ?」

「そうだけど…着るのと撮影は違うでしょ!」

「些細な差だと思いますが」

「アハハ…源道寺さんはやっぱりすごいなー」

「そんな事ございませんわ。慣れですわよ」

「私なんて恥ずかしくて…」

「恥ずかしい事なんてありませんわよ、とても立派なスタイルではありませんか、堂々としてらしたらよろしいのですよ」

「えー!そんな事ないよ」

高生が小声で囁いてくる

(朝七は学内隠れ巨乳ランキングでNO1の地位にある)

!!!

そうなのか!朝七の?胸が?人とは成長するんだなぁ

しかしそもそも隠れ巨乳なんて呼び方は正解ではないと感じる。

気づかなかった側の主張にすぎないからだ、本人を主体に考えられていない。

本人の意思を尊重していないんだ!

本来なら"隠し巨乳"が正解に近いと思う。

というか…そのランキング付けてる奴は誰なんだ?


は!

真理について探求するのは後にしよう

不審な沈黙をもたらしてしまう。


我に返ってまわりを見る。


「……」

佐名が珍しく無言だ

「…佐名さん…古代ギリシャでは美少年が一番美しいという価値観があったそうですの、佐名さんの少年の様なお身体はアートなのですわ」

!!!!

「な!誰が少年よ!!そこまで無くないわよ!」

「あら?何が無いのかしら?わたくしは佐名さんのスポーツで鍛えた筋肉が有りますから、その美しさのお話をしていたのですが?」

「え?」

「鍛えられて引きしまったお身体は、よく絵画のモデルにもなりますでしょ?ですから、そのお話だったのですが…佐名さん、水着姿で何をお披露目することをお考えでしたの?」

「ぐぅ!!」

「何が"無い"ですの?」

「春市ぃ〜」

「…あ、そうだ!花壇のにお水を撒く時間だ」

悪い!!佐名どんな風に会話に参加しても

バッドエンドしか想像できない!

「逃げるな〜!!」

「どぶぅぅ」

くっ!回避不能の未来だった。

「佐名さんははしたないお姿をお披露目する特殊な趣味嗜好がおありなんですの?」

千加は大げさに不安そうな顔をする

まるで動揺しているように目線を

泳がせる

「そ!そんなわけ無いでしょ!」

佐名は…

人間の眼球運動の限界に挑戦するかの

ごとく黒目が泳ぐを超え振動している

「でしたら、問題ありませんね」

「くっ!」

「一般常識的に物事を考えて、水着、すなわちビーチバレーや水泳の授業はいかがわしくも無いし健康的で健全な事、そのような姿の撮影に何の問題もありませんわね」

「わ、わかったわよ!」

「あはは…」

なんであんなわざわざ揉めるんだ

「女の子って複雑ですのよ」

だからの俺の思考を読んで会話してくるな!

「でも、そんなもん、なのか?」

「そうなのですわ」

「ありがとう!源道寺!」

「高生さんこれは()()ですわよ」

「もちろんさ!源道寺!」

グループワークはなんとか進みそうだった。

しかし…

「すまん、佐名目が痛いからそろそろ光をおさめてくれ」

「うるさい!光って無いわよ!」

「え?いや、あの」

「細かいこと気にしてるんじゃないわよ!」

週末はサングラスを買いに行こう

夏…だからな…


暑い夏が始まろうとしていた。

ありがとうございます。


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