能力の真相編2
よろしくお願い致します。
➖都内某所 繁華街
特別案件捜査1課の逆井警部は、反能力主義団体過激派オニコロシの全貌解明に奔走していた。
何故、保育園襲撃事件で佐名優希を狙ったのか?
それが全くわからないのである。
彼等の目的は能力政策の縮小・撤廃である。
しかし、彼等の行動には不可解な事が多かった。
動機と行動が一致しないのである。
「逆井警部、やはり佐名を誘拐して何かしらの交渉に及ぶ予定だったのでは無いでしょうか?」
「身代金や学校の運営停止などか?」
「それによる政府の対応によっては国民感情は能力開発プログラム自体に嫌悪感を抱くようになります。」
「しかし弱いんだよ、その状況になった時一番得をするのは誰だ? 野党の政治家だろう、しかし奴らはそことの関わりが無い、行動のリスクに対してメリットが薄い」
「そもそも資金源も洗えてないですもんね。」
「どんな事件でも動機とメリットが大事だ、殺人も動機が無ければ過失致死になる」
「そこに人間の根源的な罪を裁く事の根拠があると法は解釈しているという事ですものね」
「人が人の罪を裁くなんてぇのはなそれほど難しい事なんだよ」
「しかし、これからどうするのですか? こんな繁華街に何か手がかりでも」
「警部お待たせしましたぁ」
ボブヘアに丸ぶちメガネ、深緑のロングスカートにキャラメル色のタートルネックセーターを着たおっとりした雰囲気の20代前半の女性が近寄ってきた。
「おう、頼むな海津」
「人生で初めて行くので緊張しますぅ」
「おい、大丈夫だろうな?」
「しっかり予習はしてきましたぁ」
「警部こちらの女性は?」
「今回の捜査の為に特案に配属された新人の海津だ」
「随分と若い方ですね」
「よく未成年と間違われる年齢不詳の能力者捜査官だ」
「それは…職務において不便そうですね」
「そうとは言い切れんさ」
逆井は不敵に笑う
「と、言う事は捜査が進展するのですね、これからどこへ?」
「ホストクラブだ」
➖都内 繁華街
体育祭も無事終わり平穏な日々が訪れるはずの俺に、新たな苦難が振り返っていた。
「春市くんが探してくれたお店きっと美味しいですよパフェの有名店ですから」
「正直意外だったよー中々いいセンスしてるじゃん」
「春市、本当に大丈夫なの?結構な有名店よ」
いいんちょと、彩乃、佐名でスイーツを食べる為に新宿の歌舞伎町に来ていたのだった。
とはいえ"THE女子"的な有名店に行くのはやはり抵抗がある。
「こないだバックスターコーヒーでさえ狼狽えていたのに」
「春市くん、そもそもここの店名読めますか?」
「コエウラーだろ」
確かに看板にCoeurと書いてある間違いない!
「クーよフランス語で心っていう意味ね」
「くくくっ、期待通りだよ春いっち」
「な!佐名がフランス語だと!?」
キッ!と鋭い目つきが向けられる!
「似合うと思ってたんだ! 前々から! 佐名は! フランス!」
「何そのぎこちない文法、まぁ良いわ行きましょう」
セフ!セフ!セーフ、光る前で良かった。
アンティークの家具で統一された店内には同年代くらいの女の子達が多くいる。
テーブルには色とりどりのスイーツと複雑の模様が描かれたキャンドルが置かれている。
カランカラン
「いらっしゃいませー」
「予約していた春市です」
「お待ちしておりました、どうぞこちへ」
2階席に案内される。
「随分と遅かったですわね」
「な!? 千加」
ありがとうございました!