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体育祭編7

多忙のためペース落ちてますが続けます。

よろしくお願い致します。

残り4分。

先生から鍵を奪い、扉から脱出する。


目的はシンプルだ。


両手がふさがっていては邪魔だ、先生の義足を後へ投げ捨てる。


「あんまり雑に扱わないでくれよ、高いんだよ意外に」


片足でも先生には余裕がある。


どう考えても直接戦闘で勝ち目はない。

ボックス構造で、壁も天井も木目調の部屋で

学年主任の山田先生は片足で立っている。


「しかし、先生がこんなに強いとは知らなかったよ」

思わず愚痴る。


「欠陥くん、もう説明の必要は無いかもしれないが山田先生は元特殊部隊の能力者だ」

「墨俣、少し違うな"元"能力者だ」


!!!!!!なっ、あの馬鹿げた強さが全て能力無しで行使されていたのか?


「正攻法では無理ね」

手錠で足と手を繋がれた佐名がつぶやく。

「共闘しないか佐名」

「何ですって?」

「どう考えても1チームで何とかできる難易度じゃない」

「私たちにとってはありがたい申し出だけど策はあるの?」

「あぁ何とかするさ」

「彩乃いいかな?」

「うん、どうせこのままじゃどうしようも無いからね、きたっちもよろしくね」

「よろしね彩乃」

「で、春いっち私たちはどうしたらいい?」

「まず彩乃の能力を教えてもらえるか? あと春いっちて何だ?」

「きたっちの相方だから春いっちでいいでしょ?可愛いし! 私の能力は風使い全力なら台風みたいな強風を起こせるよ、ただし体育館くらいの範囲が限界」


呼び名の方は諦めよう、今はそこにこだわってる時じゃない。

風、糸、光、それに俺の "外し" この手札で勝負するしかないな。


しかし、俺の思惑とは別に動くチームもある。


「印旛!いくぞ!」

「直行、まかせろ」


直行が先生に突っ込んで行く、確かにこの状況ならあの2人が一番可能性があるとは思うが馬鹿正直すぎる。


直行はジャブを重ねながら印旛の能力で横にズラされて行く。


先生は片足ながらも、ゆらゆらと動き直行の突きをいなし続ける。

直行の連打からは出来るはずがない、歩数や呼吸を無視出来る "能力による移動" 本来、打撃のいなしやさばきは前動作からの予測で行うが、この攻撃はそれが出来ない。

しかも、先生は片足で全てさばききっている。


「私も道場に通いはじめたから少しわかるけど、山田先生のあの防御はレベル違うくない?」

「あぁ… やってる事は基礎のさばきだが、どうやって打撃にタイミング合わせているのかわからない」

「春市も得意でしょ捌き技、アレの打開策を教えてあげればチャンスがくるんじゃない」

「冗談はよせ、俺ならあの攻撃は防ぎきれない、それをやってのける技術の弱点はわからない」

「……春市がそう思うレベルなのね」

「あぁ、凄すぎて逆にデタラメに見えるよ」


上段に攻撃を集中させてからのローキックで先生を浮かせる。


「意趣返しとは、お前も相当負けず嫌いだな」

「教え子が先生を越える、伝統的な言い回しですとこれは恩返しですよ!」


直行は腰を落とし背骨を捻り腕を引く、渾身の突きを放つ構えを取っている。


「バカゆき!! やめろ!!」

「春市! だまっていろ! 俺は勝つ!」


迷わずに全身全霊の突きを放つ直行


ドゴン!!


先生はガードの上から叩き込まれた衝撃で後方に吹っ飛んでいく。


ズズザザーーーッ!


その先には義足が落ちていた。

先生はおもむろに掴みとり自らの足に取り付ける。


「奥戸サンキューな」

「構わないです! 行きます!」

「構えよ! 頼むから構ってくれよ!」


半ベソだった。


「バカ! 全力の先生と戦わないと意味が無いだろ」

「馬鹿はお前だ! 全力の先生相手にするメリットはゼロだろ」

「春市…… お前一体何を言っているんだ?」


くそ!会話が成り立たない!


「2対1で挟撃する!直行あわせろよ!」

「手を出すな、とも言えないかこの競技のルールではな」


〈残り2分〉


ありがとうございました。

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