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毛虫の気持ち

 突如とつじょ巨大きょだいえだまえあらわれた。目線めせんへんだ。さっきまでのしたかわではなく、そらほういている。


 毛虫けむしえない?あたままわりに無数むすう茶色ちゃいろのトゲがえる。毛虫けむしぼくだ。

 子供こどもころされた記憶きおくがよみがえる。オウメとちかくの公園こうえん木登きのぼりをしたときだ。あいつはいやがるぼくを、無理むりやりケヤキかなにかにのぼらせた。ぼくこわくてにしがみついた。おかげで、うで毛虫けむしのトゲがさった。


 これが憑依ひょういってやつか。それじゃあしたりるかな?からだうごかない。いや、勝手かってすすんでる。

 憑依ひょういってのは、感覚かんかくだけが共有きょうゆうされるのか。

したってくれ。」

「・・・」

 ぼくねがいもむなしく、こいつは勝手かってすすむ。おもどおりにいかない。いらいらする。からだられたようなかんじだ。


 突如とつじょそらくらくなった。巨大きょだい四角しかくかげ太陽たいようさえぎる。

とりか?飛行機ひこうきか?いや、スーパーのレジぶくろだ!」

 毛虫けむしというのは、いつもこんなにおびえてらしているのだろうか?


 緑色みどりのつるつるしたひろいところでまった。っぱのうえか。

「う~、おちく。」

 ほっとした瞬間しゅんかんっぱがはなれていく。ちてる?いや、ぼくかんでるのだ。毛虫けむしは、くねくねとうごく。黄色きいろ細長ほそながいもののさきに、ふたつのくろくてまるいいものが不気味ぶきみひかっている。

とりだー。こいつがべようしてるのか?げろぼくげろ、毛虫けむし!」

 パニクッたぼくは、とり憑依ひょういするなんてかんがえつかなかった。


 小鳥ことりった。

そらってひろいなー。」

 なんて、かんがえられるか!どこへれていくだ。しばらく、恐怖きょうふ空中遊泳くうちゅうゆうえいあじわった。おもったほどれない。うちの親父おやじよりよっぽど安全運転あんぜんうんてんだ。

とすなよ。」

 ここからちたら、毛虫けむしといえどんでしまうかもしれない。

 はげしい上下振動じょうげしんどうあと眼下がんかには3つのあかはないている。

「ピピピ。」

 はなからおとがする。よくると、ヒナのくちばしだ。

ぼくは、えさじゃない。」

 一羽いちわくちなかはい直前ちょくぜん

「このヒナにえますか?」

 とこえた。ぼくは、ためらうことなく

「は、はい!!」

 と、そのいにさけんだ。

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