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アブさん

 くるまちいさなパーキングエリアでまった。トイレ休憩きゅうけいか。すこしするとまわりを茶色ちゃいろおおきなむしびながらかこんでいる。

「ハチさん?」

 いや、アブだ。こいつら、ぼくのハエをおそおうというのか。運転手うんてんしゅはアブけのスプレーをまいた。だが、そんなのは気休きやすめにしかならない。

くるまなかれてくれ!」

 ねがいもむなしくくるまはすぐに出発しゅっぱつした。


 ハエは助手席じょしゅせきのサイドミラーの隙間すきまからうらはいった。アブはおながわまどうえかぜのあたらない場所ばしょからこちらをにらんでいる。移動中いどうちゅう風圧ふうあつでどちらもうごけない。高速こうそくあいだまることはいだろう。はやくあきらめて、いなくなってしい。時々(ときどき)憑依可能ひょういかのうのアナウンスがはいるが、いま、このくるまからはなれるわけにはいかない。


 硬直状態こうちょくじょうたいつづく。くるまは、ついに僕達ぼくたちまち葬儀会社そうぎがいしゃについた。ドアがゆっくりとひらく。まんしてアブがつ。

「パチーン!」

 はげしいおとともに、アブはそら彼方かなたへとった。場外じょうがいホームランだ。あとには、ほこったように仁王立におうだちする、右手みぎてにスリッパをった母親ははおやがいた。

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